2010年11月10日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 社長:海堀周造)は、制御事業の主力製品である統合生産制御システム「CENTUM® VP(センタムブイピー)」の機能を強化した「CENTUM VP R4.03」を開発、11月11日から発売しますのでお知らせします。
今回の機能強化では、セキュリティ機能の強化、バッチ管理パッケージの刷新、HART通信プロトコル対応機能の充実を図りました。当社が提唱する“VigilantPlant® (ビジラントプラント)=理想の工場”ビジョンのプラットフォームとなる製品の強化で、お客様のプラント操業の安全性・信頼性・生産性向上の実現に貢献します。
CENTUM VP
開発の背景
近年、消費者ニーズの多様化を反映して、お客様の市場環境は大きくかつ急速に変化しています。この変化に追従するためには、お客様のプラント全体を、市場の変化や生産技術の進展に合わせて最適な形に改善できるようにする必要があります。当社は、プラント操業を「安全性」・「信頼性」・「生産性」の視点から捉え、それぞれに該当する製品、ソリューション、サービスを提供することでVigilantPlantビジョンを実現できると考えています。当社は「CENTUM VP」を、これらの中核となるシステム製品として位置付けています。
今回は、セキュリティ機能の強化や、HART通信プロトコル対応機能の充実を図りました。また、バッチプロセス※の生産性向上に貢献するバッチ管理パッケージの操作画面を刷新しました。当社は、このように製品の強化を続けることで、“長期的なお客様のビジネスの発展”を支えます。
製品の特長
- セキュリティ強化
近年、生産制御システムにも汎用のコンピュータ(PC)やネットワーク機器が採用されるようになり、コンピュータウイルスなどに対する備え(サイバーセキュリティ)が必要となってきています。CENTUM VPもHMI(Human Machine Interface)などにPCやネットワーク機器を採用しているため、今回当社はセキュリティ強度を高めると同時にセキュリティ設定機能を見直すなど、より充実したセキュリティ対策を施しました。
また、CENTUM VPとプラントの情報システムのユーザアカウントを連携して一元管理する機能を追加しました。オペレータの異動・退職にともなうユーザアカウント変更・削除などの管理作業が効率化でき、第三者によるユーザアカウントの不正使用リスクの低減に寄与します。 - バッチ管理パッケージを刷新
バッチプロセスを管理するCENTUM用パッケージを、「VP Batch(ブイピーバッチ)」として刷新しました。操作画面を見直し、操作性を改善しました。 - 既存設備を活かしたままHART通信に対応
CENTUM-XL(センタム エクセル)、μXL (マイクロエクセル)など当社旧システムと互換性を有し、HART通信プロトコルに対応した入出力モジュールと信号変換カードを追加しました。これにより、当社旧システムから最新のCENTUM VPに更新する際、既設の配線を活用したまま、HART対応フィールド機器を最小限のコストで導入することができます。
主な市場
石油・天然ガス、石油化学、化学、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼、上下水道などのプロセス産業において生産を行っている会社の計装部門
用途
プラント、製造装置の運転監視、自動制御
以上
※ バッチプロセス
長期間にわたり同じ製品を作り続ける連続プロセスに対し、化学、薬品、食品などの分野で、製品を運転ごとに処方や製造量を切替えて生産する多品種変量の生産方式
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