2011年1月13日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、プラントなどの製造現場で使用される機器の調整・設定・管理を行うソフトウエア「FieldMate™ (フィールドメイト)」を改良した「FieldMate R2.03」を1月14日に発売します。
今回のバージョンアップでは、需要が急増している中国市場に対応するために中国語で操作できるようにしました。また、ISA100.11aフィールド無線通信規格に対応しました。
機器調整・設定・管理ソフトウエア FieldMate™
開発の背景
プラントの中央監視制御システムとフィールドセンサなどを結ぶフィールド通信で、デジタル通信規格の採用が広がっています。デジタル通信によって、従来のようにセンサの測定値を中央監視制御システムに送るだけでなく、各センサの設定状況やメンテナンス情報を中央監視制御システムに送ったり、逆に中央から遠隔設定・調整を行うこともできます。
お客様のプラントでは、複数メーカのセンサが使われていることは珍しくありません。また、通信規格も複数あり、統一されているとは限りません。このため、機器ベンダや通信規格の違いに関係なく、一括してフィールドセンサの設定や調整、管理を行える機器設定ソフトウエアが必要とされています。
FieldMateは、このような要求に応えるオープンなソフトウエアで、他社のセンサ、FDT/DTM※を始めとする様々なフィールド通信規格に対応します。今回のバージョンアップで、保守市場でのシェア拡大を目指します。
※ FDT/DTM
FDT(Field Device Tool)は、圧力センサや流量計などのフィールドセンサと制御システムの間の共通通信インタフェース技術。DTMは、FDTの規格に基づいて、制御システムやフィールドセンサメーカが自社製品用に用意するドライバソフト。
特長
- 標準仕様で中国語に対応
標準仕様は従来日本語、英語のみでしたが、今回中国語を追加しました。成長著しい中国市場でのシェア増大を狙います。また今後その他の言語への対応も計画しています。 - フィールド無線通信規格に対応
採用例が増えてきたフィールド無線通信規格(ISA100.11a)にも対応しました。主要なフィールド通信プロトコルのすべてに対応することで、お客様にとってFieldMateで管理できる機器の範囲が増え、フィールドセンサ選択の自由度も向上します。 - ベーシック版を無料公開
フィールドセンサの設定や調整、管理といった基本機能のみのベーシック版を2011年3月から当社ホームページで無料ダウンロードできます。
なお、有償のベーシック版拡張パッケージには、各種フィールドセンサとのインタフェースを揃えたソフトウエアを付属します。また、アドバンス版にはベーシック版拡張パッケージの機能に加え、データベース機能や当社の統合機器管理ソフトウエアパッケージとの同期が可能な機能が加わるため、多数のフィールド機器を効率的に保守することができます。
主な市場
石油、石油化学、化学、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼などのプロセス産業における設備の保守管理部門
用途
プラント等の現場での各種センサの設定や調整、点検、機器情報の管理
フィールドメイトについて
FieldMateは、パソコン上で動作する機器調整・設定ソフトウエアです。フィールド機器を設置するための初期設定、プラント操業中の保全作業、機器交換作業等を直感的な画面表示と簡単な操作手順により行うことができます。業界標準となっている主要通信プロトコル(FOUNDATION™ フィールドバス、BRAIN、HART)とオープンなソフトウエア実行フレームワークであるFDT/DTM技術に対応しており、通信機能を持つフィールド機器であれば、どのメーカ、通信規格でも、設定や調整を行うことができます。さらに、今回フィールド無線規格であるISA100.11aへも対応したことで、プラントで使用する主要なフィールド機器の調整・設定・管理が行えます。
以上
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