2011年6月30日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)の子会社であるヨコガワ・サウス・アフリカ(本社:南アフリカ ヨハネスブルグ 社長:ハーマン ファンデンブルグ)は、南アフリカ共和国の国営電力会社エスコム※から、ツツーカ(Tutuka)石炭火力発電所の屋外設備(水処理、石炭貯蔵・運搬、灰処理等)向け制御システムを受注しました。エスコムからは、これまで差圧・圧力伝送器で3,000台以上の受注実績がありますが、制御システムを一括で受注したのは今回が初めてです。
ツツーカ石炭火力発電所はヨハネスブルグから南東約200kmに位置し、1985年に操業を開始した総出力365万4千キロワット(60万9千キロワットの発電ユニット6基)の、南アフリカ国内でも有数の大型火力発電所です。今回受注したのは、老朽化した伝送器などのフィールド機器、および制御システム等を更新するプロジェクトで、納入完了は2013年6月を予定しています。
当社が受注した製品は、屋外設備の制御を行なう統合生産制御システム「CENTUM® VP(センタムブイピー)」、プラント設備の状態監視やオンライン診断を行う統合機器管理ソフトウエアパッケージ「PRM®(ピーアールエム)」、プラント情報管理システム「Exaquantum®(エグザカンタム)」、および差圧・圧力伝送器「DPharp™(ディーピーハープ)シリーズ)」です。これらの納入、エンジニアリング、機器据付、試運転など、プロジェクト全体の遂行はすべてヨコガワ・サウス・アフリカが行います。
このプロジェクトを受注できた主な要因としては、これまでエスコムに納入してきた差圧・圧力伝送器への高い評価、およびヨコガワ・サウス・アフリカの優れたエンジニアリング能力と顧客視点のサービス対応がユーザから高く評価され、信頼を得たことがあげられます。本プロジェクト契約締結の調印式で、ツツーカ石炭火力発電所のリョノ・ラコック所長は「YOKOGAWAの最先端の制御技術および技術サポートによるプラント運転効率の向上に大いに期待している」とコメントしています。
南アフリカは、金やレアメタル等の活発な鉱物資源開発による対外貿易の拡大などを背景に、高度経済成長を続けており、それに伴う電力供給不足への対応が急務となっています。そのため同国では、2030年までに電力供給量を現在のおよそ2倍の約9,000万キロワットに拡大する計画で発電設備の改修や新設が進められています。今回の受注を機に、当社はアフリカでの電力ビジネスを拡大し、アフリカにおける電力の安定供給に貢献していきます。
以上
※ エスコム(ESKOM)
1923年に設立された南アフリカの国営電力会社。発電容量や販売電力量において世界でも有数の規模を誇る。南アフリカの国内電力需要の約95%を供給し、電力事業をほぼ独占する。また周辺諸国へも電力を供給しており、アフリカ大陸全体では約45%の電力供給シェアを占める。