2011年11月15日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀周造)は、業界最高の演算処理速度※1のレンジフリーコントローラ「FA-M3V(エフエー-エム3ヴィテス)」の機能強化版を開発、本日から発売しますので、お知らせします。
今回は、CPUモジュール(2種)の入出力信号や演算値を記録するサンプリングトレース機能を強化したほか、プログラムを演算式で記述するスクリプト言語に対応しました。
当社は、システムコントロールフェア2011(期間:11月16日から18日、会場:東京ビッグサイト)に、今回発売する製品を出展します。
(右)FA-M3V F3SP71-4S,F3SP76-7S
(左)WideField3 リリース2
開発の背景
生産工程が複雑化するにともない、電子部品/電子機器組立装置や半導体製造装置に組み込まれるコントローラのプログラムが複雑な内容となり、装置メーカにとっては設計・開発からメンテナンスに至る一連の工程が煩雑な作業になる傾向があります。
今回当社は、レンジフリーコントローラ「FA-M3V」のCPUモジュール(2種)の入出力信号や演算値を任意のタイミングで記録するサンプリングトレース機能を強化して、100回分のサンプリングトレースを取得できるようにしました。豊富なデータを比較検討することで、プログラムのデバッグやトラブル解析の精度が向上します。また、FA-M3プログラム開発ツール「WideField3」に、ラダー言語に加え、演算式で記述するスクリプト言語で記述できる機能を追加しました。従来のラダー言語は入出力制御には適していますが、複雑な演算を行う制御の場合はプログラム内容が一目ではわかりにくく修正や検証が難しいという課題がありました。
「FA-M3V」は、装置の高速化を追求すると同時に、装置の早期立ち上げやメンテナンス効率の向上に貢献します。
製品の特長
- サンプリングトレース機能の強化
サンプリングトレースの回数を最大100回まで設定できるようにしました。また、サンプリングトレース用設定ファイルを格納したSDメモリカードを「FA-M3V」のCPUモジュールに挿入するだけで、専用のパソコンを接続しなくても入出力信号や演算値を取得することができます。設定用ファイルやサンプリングトレース結果ファイルを電子メールで送受信することで遠隔地からのメンテナンスも可能になります。 - スクリプト言語対応
FA-M3専用ソフトウエア「WideField3」に、演算式を用いるスクリプト言語でも記述できる機能を追加しました。従来はラダー言語だけでしたが、ラダー言語では難しい多項式や文字列処理も簡単に記述できるほか、プログラム内容を一目で把握することができるので高度なアプリケーションでも修正や検証が容易になります。
FA-M3シリーズについて
PLCは、電子部品・電子機器組み立て装置や半導体製造装置など、産業機械・装置の組み込みコントローラです。当社は1989年9月、中~大規模機種としてFA500を発表、これを機にPLC市場に参入しました。1992年12月には小~大規模までカバーするレンジフリーコントローラFA-M3シリーズを発売しました。1999年10月に発売した高速のシーケンスCPUを搭載したFA-M3Rを経て、フランス語でスピードを表すVitesse(ヴィテス)をサブタイトルとしたFA-M3Vを2010年11月に発売しました。
主な市場
電子部品/電子機器組立装置、半導体製造装置などの製造会社
用途
上記装置への組み込みコントローラとして使用
※1 100キロステップのプログラムを1ミリ秒で演算する。2011年11月15日現在、当社調べ。
以上
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本件に関するお問い合わせ
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横河電機株式会社 システム事業部 国内販売推進部 オープンシステム販売推進Gr. - 本プレスリリースに関するお問い合わせ先
横河電機株式会社 広報・IR室