2012年5月23日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)の子会社であるヨコガワ・オーストラリアは、豪州のイクシスLNGプロジェクト向け制御システムの受注が内定しましたのでお知らせします。
イクシスLNGプロジェクトは、施設運営会社である国際石油開発帝石株式会社(権益比率76%)とトタル(同24%)のジョイントベンチャー(以下、イクシスJV)が進めるプロジェクトです。豪州北西部沖合200Kmに位置するブラウズ堆積盆のイクシスガス・コンデンセート※1田で採掘した天然ガスを、沖合で水分の除去やコンデンセートの抽出を行った後、海底パイプライン(889Km)を通じてダーウィンに建設する陸上プラント※2に輸送します。LNGを年間840万トン、LPGを同160万トン、コンデンセートを日量10万バレル(ピーク時)生産する計画です。
当社は、2009年にイクシスJVからイクシスLNGプロジェクトの制御担当会社(MAC)※3に選定され、プロジェクトの計画・基本構想段階から同プロジェクトの制御システムに関する基本設計に取り組んできました。今回、イクシスJVから注文内示書を受領しました。正式注文書は、陸上プラント※2、沖合生産・処理施設(CPF)※2、浮体式生産・貯蔵・積出施設(FPSO)※2など一連の施設の設計・調達・建設業務(EPC)を請け負う各プラントメーカが発注することになります。これらを全て受注できた場合、1プロジェクトの受注額としては当社として過去最高額になる見込みです。
当社が納入を予定している製品は、(1)統合生産制御システム「CENTUM®(センタム)シリーズ」、(2)プラント操業時の異常を検知してシャットダウンなどの緊急動作を安全に実行する安全計装システム、(3)プラント情報管理システム「Exaquantum™(エグザカンタム)」、(4)プラント設備の状況を遠隔監視し診断機能により故障の予兆を捉える統合機器管理ソフトウエアパッケージ「PRM®(ピーアールエム)」、(5)運転訓練シミュレータ「OmegaLand(オメガランド)」などです。さらに、これらの製品のエンジニアリング、据付、スタートアップ、運転員の操作訓練を行います。
当社は、LNG関連の制御システム市場において、天然ガス液化プラント25%(当社調べ)、LNG受入再気化基地41基、LNG船47隻と多数の実績があります。今回の大型プロジェクトを完遂しLNG関連分野における制御事業を加速いたします。
以上
※1 コンデンセート
天然ガスのうち、地下や海底ではガス状だが、産出時に減圧・降温されて自然に液化する化石燃料
※2 沖合生産・処理施設(CPF)、陸上LNGプラント、浮体式生産・貯蔵・積出施設(FPSO)
- CPF (Central Processing Facility):
海底油田・ガス田を開発・生産する際に洋上に建設する施設 - 陸上プラント:
今回は、天然ガス液化プラントや陸上貯蔵施設で構成される - FPSO (Floating Production Storage & Offloading):
原油・ガスなどを加工、貯蔵、出荷する洋上施設
※3 制御担当会社(MAC:Main Automation Contractor)
プラント建設の効率向上、コスト削減、納期短縮を図り、従来EPCが発注してきた制御システムを制御メーカに 直接発注する方式。通常MACに選定されると、プロジェクトの初期段階から参画して制御システムに関する 基本設計業務(FEED)を行い、プロジェクト実行が決定されると制御システムが発注される。
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横河電機株式会社 コーポレート・コミュニケーション室