2012年5月30日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、ネットワークベース生産システム「STARDOM™(スターダム)」の機能強化版を開発、5月31日に発売しますのでお知らせします。
今回の機能強化では、STARDOMの自律型コントローラ「FCN」を産業用通信プロトコルPROFIBUS-DP、CANopen※に対応させました。また、監視・制御ソフトウエア(SCADAソフトウエア)「ASTMAC VDS(アストマック ブイディーエス)」の操作・監視画面をマイクロソフト株式会社のVisual Studio®(Visual Studio 2010)でも開発できるようにしました。
STARDOM
開発の背景
「STARDOM」は、自律型コントローラ「FCN」および「FCJ」とSCADAソフトウエア「ASTMAC VDS」で構成されるネットワークベースの制御システムです。中小規模の生産設備、石油・ガス田などの広域に分散した設備などに導入されており、近年では再生可能エネルギーとして注目されている風力発電システムのメインコントローラとしても採用されています。
導入されるアプリケーションが広がるにつれ、他社製PLC(プログラマブルコントローラ)やモータ制御機器など周辺機器と接続するケースが増えています。機器によって通信プロトコルが異なるため、多種類の通信プロトコルに対応したコントローラが求められていました。
また、当社のSCADAソフトウエア「ASTMAC VDS」は、Webベースのヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)を採用しており、お客様は汎用PCで操作・監視が行え、操作・監視画面の開発も容易です。WebベースのHMIを採用したSCADAソフトウエアは、プロセスオートメーション(PA)分野の生産ライン監視向けであったことから、FA分野を含めたさまざまなアプリケーションを簡単に開発できる開発環境が求められていました。
製品の特長
- 「FCN」のPROFIBUS-DP、CANopen対応
産業用通信プロトコルPROFIBUS-DPとCANopen用の通信インタフェースモジュールを開発しました。これらの通信プロトコルに対応した機器とSTARDOMが変換器を介さず、直接接続できるようになりました。また、PROFIBUS-DPとCANopenに対応したエンジニアリングツールを利用することで、機器とFCN間の通信環境を容易に設定できます。 - 「ASTMAC VDS」に Visual Studio用部品を搭載
汎用のソフトウエア開発環境Visual Studioで使用できるSTARDOM用のグラフィック部品や機能部品を搭載しました。これらの部品を活用することで、生産指示や生産管理など任意のアプリケーション開発が可能になります。WebベースのHMIのSCADAソフトウエア「ASTMAC VDS」が、PA分野からFA分野まで幅広いお客様固有の要求に応えます。
STARDOMについて
「STARDOM」は、制御、操作、監視などの機能別コンポーネントで構成するオープンネットワーク制御システムです。分散形制御システム(DCS)の信頼性とPLC(プログラマブルコントローラ)を使用したPLC計装の汎用性・経済性を両立させたシステムとして高い評価を得ています。STARDOMの中核をなす自律型コントローラ「FCN」「FCJ」は、既存のPLCがもつ制御・監視機能に加え、情報発信機能を付加し、インテリジェントRTU(Remote Terminal Unit)として、石油・ガス井戸元をはじめとした分散型アプリケーションに広く導入されています。自律型コントローラ「FCN」「FCJ」と、ネットワーク経由でどこからでも現場にアクセスできるWebベースHMIのSCADAソフトウエア「ASTMAC VDS」を組み合わせることにより、各種分散型アプリケーションに対して、より柔軟な対応が可能となります。
主な市場
- 石油、化学、鉄鋼、非鉄、紙・パルプ、食品、薬品などにおける中小規模のプロセス系プラント
- 油田・ガス田、上下水道などの広域に分散する設備
- 中小型発電設備(風力発電・蒸気タービン・水力発電)
用途
中小規模の生産設備の監視、操作、制御、データ収集、記録保存など
以上
※ PROFIBUS-DPとCANopen
通信プロトコルの標準規格。PROFIBUS-DPは、主に欧州・南米・中国で普及している規格で、PLC、モータ制御機器、インバータなどに広く採用されています。CANopenは、主に産業機械に採用されています。
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