2012年7月10日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、プラントなどの製造現場で使用される各種センサの調整・設定・管理を行うソフトウエア「FieldMate™ (フィールドメイト) R2.04」を改良した「FieldMate R2.05」を8月6日に発売します。
今回のバージョンアップでは、新たにドイツ語、フランス語、ロシア語に対応するとともに、センサの機種交換を容易にする機器交換ツールを用意するなど機能を拡張しました。
開発の背景
プラントの中央監視制御システムとフィールドセンサなどを結ぶフィールド通信で、デジタル通信規格の採用が広がっています。デジタル通信によって、従来のようにセンサの測定値を中央監視制御システムに送るだけでなく、各センサの設定状況やメンテナンス情報を中央監視制御 システムに送ったり、逆に中央制御室など離れた場所から各センサの遠隔設定・調整をしたりという操作が可能になっています。
プラントでは、複数メーカのセンサが使われていることは珍しくありません。また、通信規格が統一されていない場合も多くあります。このため、センサメーカや通信規格の違いに関係なく、一括してセンサの設定や調整を行える機器設定ソフトウエアが必要とされています。
FieldMateは、このような要求に応えるオープンなソフトウエアで、当社のみならず他社のセンサ、FDT/DTM※をはじめとするさまざまなフィールド通信規格に対応します。今回のバージョンアップにより、対応言語を増やすととともに、機種交換を容易にするツールを用意するなど機能を拡張し、保守市場でのシェア拡大を目指します。
※ FDT/DTM
FDT(Field Device Tool)は、圧力センサや流量計などのフィールドセンサと制御システムの間の共通通信インタフェース技術。DTMは、FDTの規格に基づいて、制御システムやフィールドセンサメーカが自社製品用に用意するドライバソフト。
特長
- ドイツ語、フランス語、ロシア語に対応
標準仕様は従来日本語、英語、中国語のみでしたが、新たにドイツ語、フランス語、ロシア語を追加しました。欧州市場や、成長しているロシア市場でのシェア拡大を狙います。 - センサの機種交換を容易にする機器交換ツールを用意
既設のセンサを交換する際、古い機器の設定データを保存し、新しい機器の設定を容易に行えるツールを開発しました。現場での稼働数の多い差圧・圧力伝送器からの置き換えに対応します。 - ISA100.11a無線対応機能を拡張
「FieldMate」は、ISA100.11aに対応した当社の無線フィールド機器のゲートウェイ(中継器)を経由してセンサの調整・設定・管理を行えます。「FieldMate R2.05」では、7月下旬に発売を予定している当社の新しいISA100.11a対応ゲートウェイである「フィールド無線用管理ステーション」に対応し、接続できるセンサ数を従来の50台から200台に拡大しました。
また、接続台数が増加しても効率的に操作が行えるよう、検索機能を充実したほか、従来はセンサ1台ごとに登録していた機器保全情報を、複数のセンサを選択して一括登録できるようにするなど使い勝手を改善しました。
主な市場
石油、石油化学、化学、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼などのプロセス産業における設備の 保守管理部門
用途
プラント等の現場での各種センサの設定や調整、点検、機器情報の管理
「FieldMate」について
FieldMateは、パソコン上で動作する機器調整・設定・管理ソフトウエアです。フィールド機器を設置するための初期設定、プラント操業中の保全作業、機器交換作業等を直感的な画面表示と簡単な操作手順により行うことができます。業界標準となっている主要通信プロトコル(FOUNDATION™ フィールドバス、BRAIN、HART®)とオープンなソフトウエア実行フレームワークであるFDT/DTM技術に対応しており、通信機能を持つフィールド機器であれば、どのメーカ、通信規格でも、設定や調整を行うことができます。また、フィールド無線規格であるISA100.11aへも対応しており、プラントで使用する主要なフィールド機器の調整・設定が行えます。
以上
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