横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

2線式電磁流量計「ADMAG AXRシリーズ」に新機能追加

2012年8月8日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 社長:海堀周造)は、2線式の電磁流量計「ADMAG(アドマグ) AXRシリーズ」に新機能を追加し、8月17日から発売しますのでお知らせします。
 今回は、国際電気標準会議(IEC)が規定した安全度水準SIL2※1の認証を取得、最新のオープンなHART通信プロトコルであるHART 7※2に対応しました。
 当社は、高機能の4線式の電磁流量計ADMAG AXFシリーズと、設置コスト・ランニングコストを低減する2線式の電磁流量計「ADMAG AXRシリーズ」の2シリーズで、電磁流量計市場でグローバルNo.1シェアを目指します。

2線式電磁流量計「ADMAG AXRシリーズ」
2線式電磁流量計「ADMAG AXRシリーズ」

※1 安全度水準SIL(Safety Integrity Level)
SILは、電気・電子機器の機能安全に関して策定した規格IEC61508に準拠し、IECが規定した安全度水準です。SIL1からSIL4まで4段階定められ、SIL4が最高水準です。SIL2は、プラントに安全対策を施さない場合と比較して、リスクの度合いを1/1,000から1/10,000の範囲に低減できる水準です。

※2 HART 7
HART通信協会(HART Communication Foundation)が推進する制御用フィールドネットワークの通信規格HARTの最新版。HARTは、4-20mAのアナログ信号にデジタル信号を重畳した通信方式。

開発の背景

 水や薬品などの導電性液体の流量を測定する電磁流量計には、信号出力用一対、電源用一対の計4本のケーブルを使用する、高機能で測定精度の高い4線式と、信号出力と電源供給を一対のケーブルで共用するコストパフォーマンスに優れた2線式があります。従来の2線式は、測定精度や安定性で劣るといわれていましたが、当社の2線式の電磁流量計「ADMAG AXRシリーズ」は、世界で初めて二周波励磁方式を採用し4線式に匹敵する測定精度や低ノイズを実現した画期的な2線式の電磁流量計として2009年に発売して以来、着実に販売実績を重ねてきました。
 今回当社は、プラント操業の安全性の向上を重要視するお客様のニーズに対応して「ADMAG AXRシリーズ」の機能を強化しました。

※ 二周波励磁方式
流量計内のコイルに電流を流して磁界を発生させる(励磁)ときに、低周波と高周波ふたつの周波数成分をもつ電流を流す当社独自の励磁方式です。低周波励磁の安定性と高周波励磁の耐ノイズ性という長所をあわせ持ち、単一周波での励磁よりも高精度かつ安定した測定を実現できます。

製品の特長

  1. 安全性の向上
    IECの安全度水準SIL2の認証取得により、石油、石油化学、化学など、機能安全が求められるアプリケーションにも2線式電磁流量計の導入が可能になります。「ADMAG AXR」を2台設置(二重化)することで、リスクの度合いをSIL3に向上させることができます。
  2. HART 7に対応
    HART対応の制御システムの多くが採用しているHART 5に加え、HART通信プロトコルの最新バージョンのHART 7に対応しました。HART 7への対応により、より多くの情報を一気に送信できるようになり(バースト通信)、機器の設定変更や自己診断の変化を自発的にアラーム送信することが可能になりました。

「ADMAG AXRシリーズ」について

2線式として世界で初めて二周波励磁方式を採用しました。低周波励磁による流量測定の安定性、高周波励磁による高い耐ノイズ性を実現し、流体条件の変動に強い安定した測定が可能です。監視用途はもちろん、制御用途でも安心して導入できる高性能な2線式の電磁流量計です。専用の電源盤が不要で、配線本数が2分の1で初期費用や工事費を大幅に削減できる2線式のメリットに加えて、「ADMAG AXRシリーズ」は、低消費電力なのでランニングコストも削減できます。今回、防爆仕様の機種を増やしたので、ラインアップしている口径25mmから200mmまで全機種を防爆エリアに導入できるようになりました。

主な市場

化学、鉄鋼、水道、食品などの各種産業

用途

水や薬品などの導電性液体の流量測定

以上

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