2012年10月16日発表
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都立川市 社長:金子 洋)は、デジタルオシロスコープ市場で唯一アナログ入力を8チャネル持つ500MHz帯域のミックスドシグナルオシロスコープの最新機種「DLM4000シリーズ」を10月17日に発売します。
「DLM4000シリーズ」は前モデル(DL7480) に比べ、大幅な小型軽量化を実現するとともに表示画面を大型化したことで波形がさらに見やすくなります。また、エントリーモデルとして周波数帯域350MHzのモデルも用意しました。
高速サンプリングから長時間測定まで1台でこなす、YOKOGAWAの歴代オシロスコープの長所を引き継いだ製品です。
当社は、この製品を2012年10月31日(水)から11月2日(金)まで大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で開催される計測展2012 OSAKAに出展します。
「DLM4000 ミックスドシグナルオシロスコープ」
開発の背景
電気・電子機器の開発現場では、多数のアナログ信号とデジタル信号を同時に測定したいというニーズが高まっています。例えば、モータやインバータ、パワーデバイスなどの高効率化や省電力化のためには、三相電源の各相の電圧・電流など複数の高速アナログ波形と制御信号や通信データなどのデジタル信号を同時に測定、解析することで、問題点や改善点を探します。
自動車の制御用マイクロコントローラ(ECU)開発や産業機械、精密機械のコントローラの開発などでも、同様の多点測定が必要になります。
「DLM4000シリーズ」は、このような測定ニーズに対応するため、多点同時測定に加え、小型軽量化、大画面化によりユーザの使い勝手の向上を図りました。
新製品の特長
- YOKOGAWAだけのアナログ入力8チャネル
オシロスコープはアナログ入力4チャネルまでが一般的であるなかで、YOKOGAWAは1993年から8チャネルモデルを投入しています。 DLM4000では、アナログ8チャネル、またはアナログ7チャネル+ロジック8bitを切り替えて使用する機能を追加しました。多数の測定箇所を同時に測定できるため、開発効率の向上に寄与します。 入力チャネルが多い分、組み合わせる測定用端子(プローブ)の数も増えるため設置スペースが必要になりますが、先行発売した高電圧差動プローブPBDH0150をはじめとしたコンパクト設計のプローブ製品群との組み合わせで、限られたスペースを有効に活用できます。 また、ロジック入力をさらに16bit追加するオプションを将来追加発売する予定です。 - 大幅な小型軽量化と見やすい大型LCDディスプレイ
従来の当社のアナログ8チャネルモデルと比べ、奥行きを約50%小さくし、重量も約35%削減、他社の4チャネル入力モデル並みのコンパクト設計としました。実験ベンチなど限られたスペースでも使いやすく、移動も簡単になります。また、波形表示画面を従来比2倍の12.1インチLCDにしたことで、多くの波形を表示した際も見やすくなります。 - 大容量メモリと豊富な解析機能で長時間測定が可能
メモリ容量は標準で1.25M(メガ)ポイント(連続測定時)、オプションで最大125Mポイントまで拡張できます。125Mポイントの場合、1.25GS/s(ギガサンプリング/秒)の高速サンプリング時でも100ミリ秒の長時間観測が可能です。
主な仕様
DLM4038 | DLM4058 | |
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周波数帯域 | 350MHz | 500MHz |
最大サンプルレート | 1.25~2.5GS/s(ギガサンプリング/秒) ※ | |
入力Ch数 | 8Chまたは7Ch+ロジック8bit | |
メモリ長 | 標準 1.25M~12.5Mポイント ※ | |
オプション時最大 12.5M~125Mポイント ※ |
※測定モードにより異なる
主な市場
モータ、インバータ、パワーデバイス、電源・エネルギー変換機器、カーエレクトロニクス、精密機械などのメーカ
用途
電気、電子製品の開発における電圧・電流・通信データの波形測定や解析、トラブル解析、品質検査など