横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

優れた操作性と拡張性で記録計の概念を変える次世代のデータ収集制御システム「SMARTDAC+」を開発

2012年10月30日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市、社長:海堀周造)は、これまでにない優れた操作性と拡張性を実現した次世代のデータ収集制御システム「SMARTDAC+™」(スマートダックプラス)を開発、第1弾としてパネル取り付け型ペーパレスレコーダ「GXシリーズ」2機種、ポータブル型ペーパレスレコーダ「GPシリーズ」2機種を発売しますのでお知らせします。発売日は、GXシリーズ「GX20」が10月31日、同シリーズ「GX10」、GPシリーズ「GP20」「GP10」が1月下旬です。
 当社は、この製品を2012年10月31日(水)から11月2日(金)まで大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で開催される計測展2012 OSAKAに出品します。

SMARTDAC+ペーパレスレコーダ 左からGP10、GP20、GX20、GX10
SMARTDAC+ペーパレスレコーダ
左からGP10、GP20、GX20、GX10

開発の背景

 レコーダ(記録計)は、さまざまな産業の生産現場や開発現場等において、温度、電圧、電流、流量、圧力などのデータの収集・表示・記録に使用される機器で、当社が世界トップクラスのシェアをもつ製品の一つです。かつては記録紙にデータを記録する方式が主流でしたが、近年では、電子媒体にデータを記録するペーパレスレコーダが主流になりつつあります。また、ネットワーク化が進み、広域に分散したレコーダのデータを一元管理したり、遠隔監視したりできるようになってきています。
 昨今、タブレット端末やスマートフォンなどの情報端末のユーザインタフェースが格段に進歩しており、レコーダなどの工業計器にも操作性の向上が求められています。さらに、レコーダにおいては、測定対象の変化に対応できるモジュール形式の採用や、ネットワークへの接続性向上のニーズが高まっています。
 「SMARTDAC+™」ペーパレスレコーダ「GXシリーズ」「GPシリーズ」は、このようなニーズに対応し、携帯情報端末のような優れた操作性、システム構築の柔軟性と拡張性を備えた、レコーダの新ラインアップです。まず第1弾として、パネル取り付け型のペーパレスレコーダ「GXシリーズ」と、ポータブル型のペーパレスレコーダ「GPシリーズ」を開発、発売します。

新製品「GXシリーズ」「GPシリーズ」の特長

  1. 直感的な操作を実現
    タッチパネルの採用により、タブレット端末やスマートフォンのような感覚で操作を行えます。記録紙を引き出すような感覚で波形をスライドさせ過去データを表示させたり、データを読み取りたい箇所にスケールを移動させデジタル値を表示させたりすることが可能です。また、2点同時タッチにより拡大や縮小も行えます。タッチパネルには抵抗膜式を採用していますので、手袋をしたままでの操作も可能です。
  2. 柔軟性・拡張性に富んだシステム構築が可能
    入出力をモジュール形式で選択でき、測定対象に応じて柔軟にシステムを構築、変更できます。大型ディスプレイの「GX20」「GP20」では最大10モジュール100チャネル、小型ディスプレイの「GX10」「GP10」では最大3モジュール30チャネルまでの入出力が可能です。
  3. オープンなネットワークに対応
    世界で普及しているLANの技術規格であるEthernetに対応し、汎用のWebブラウザであるInternet Explorerでモニタリングやレコーダの設定を行えるほか、FTP※1への対応によりファイルサーバを用いてデータを一元管理することが可能です。また、Modbus※2にも対応しておりModbus対応機器とデータ通信を行えます。
    さらに、表示されているデータをスナップショット画像としてプリンタで直接印刷する機能や、レポートを指定したフォーマットに従ってPDFで出力できる機能も装備しました。

※1 FTP (File Transfer Protocol)
Ethernet経由でファイル転送を行うための通信プロトコル。

※2 Modbus
Ethernetなどで産業用電子機器を接続する通信プロトコル。米国Modicon社が策定。

主な仕様

  GXシリーズ GPシリーズ
構造 パネル取り付け型 ポータブル型
表示器 GX20:12.1型TFTカラーLCD
GX10:5.7型TFTカラーLCD
GP20:12.1型TFTカラーLCD
GP10:5.7型TFTカラーLCD
接続モジュール数 GX20:10個(最大入出力100チャネル)
GX10:3個(最大入出力30チャネル)
GP20:10個(最大入出力100チャネル)
GP10:3個(最大入出力30チャネル)

※外部記憶メディアとしてSDカードを採用

主な市場

  • GXシリーズ:鉄鋼、石油化学、化学、紙パルプ、食品、薬品、上下水道、電気・電子をはじめとする幅広い産業の生産現場
  • GPシリーズ:家電、自動車、半導体、新エネルギーをはじめとする幅広い産業の開発部門、大学及び研究機関

用途

温度、電圧、電流、流量、圧力などのデータの収集・表示・記録

今後の取り組み

 データ収集制御システム「SMARTDAC+™」は、SMART Data Acquisition and Controlの略です。このたび発売するペーパレスレコーダ「GXシリーズ」「GPシリーズ」に加え、今後、新たなシリーズや、多彩な信号源に対応した各種入力モジュール、制御用出力モジュールなどを提供し、製造プロセス監視や性能評価試験といったデータ収集制御アプリケーションを幅広くサポートします。
 レコーダ市場は、今後も、ペーパレスレコーダを中心に拡大していくと予想されています。当社は「SMARTDAC+™」のラインアップを充実させ、レコーダ市場のトップメーカとしてお客様の多様なニーズにお応えしていきます。

※本文中に使われている会社名及び商品名称は、各社の登録商標または商標です。

以上

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