2012年11月27日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、安全計装システム「ProSafe®-RS(プロセーフ アールエス)」の機能を強化した「ProSafe-RS R3.02.00」を開発、11月28日から販売を開始しますのでお知らせします。
今回の機能強化では、砂漠などの高温の環境に対応できる入出力モジュールを開発しました。また、オープンな通信プロトコルへの対応を強化し他社の分散形制御システム(DCS)との連携機能が充実しました。
安全計装システム「ProSafe®-RS」
開発の背景
石油や天然ガス、石油化学、鉄鋼などのエネルギー・素材産業では、事故の防止、地球環境保全、企業の社会的責任などの観点から、プラント操業時の安全確保がますます重視されるようになっています。そのため、操業時の異常を検出し、シャットダウンなどの緊急動作を安全に実行する安全計装システムのニーズが高まっています。
石油・ガスの井戸元やパイプラインを監視制御する制御機器や安全計装システムの多くは屋外に設置されているため、砂漠などの高温環境下でも稼働することが求められています。
また、多くのプラントで、リプレースを検討する場合、生産性・安全性を高めるために、DCSとの連携は保ちながらも既設DCSメーカにしばられずに最適な安全計装システムを採用したいというニーズがあります。
今回当社は、こうしたニーズに応え、高温環境下においても特別な配置が不要な入出力モジュールを開発しました。また、他社DCSとの連携機能を充実させ、お客様の自由な選択を可能にしました。
機能強化の概要
- 高温環境対応モジュールを追加
高温環境下に対応したデジタル入出力とアナログ入力モジュールを開発しました。これまでは入出力モジュールを一定の間隔を空けて実装することで熱のこもりにくい構造にする必要がありました。新しいモジュールは、周囲温度70℃までの環境で使用する場合にも室内などの常温環境と同様に実装できるので、省スペース化を実現します。 - Modbus/TCP対応でオープンネットワーク
プラントでは、DCSと安全計装システムを異なるタイミングでリプレースする場合が多くあります。ProSafe-RSは他社のDCSと柔軟に接続できるオープンな通信をサポートしています。今回は、Ethernet接続により大規模なシステムの構築も容易にする通信プロトコルModbus/TCP※に対応しました。他社DCSとの連携機能が充実したことで、DCSメーカにしばられずProSafe-RSへのリプレースが容易になります。
※ Modbus/TCP
米国Modicon社が策定した産業用電子機器用通信プロトコル
主な市場と用途
石油、天然ガス、石油化学などのプロセス産業各種プラントにおける緊急プラント遮断システムや、防消火システムの構築
「ProSafe-RS」について
「ProSafe-RS」は、2005年2月に発売した安全計装システムで、プラント操業時の異常を検出し、シャットダウンなどの緊急動作を実行することで、事故を防ぐ役割を担います。統合生産制御システムCENTUM®シリーズと組み合わせて使用することにより、それまで機能や役割が違うため個別にシステムを構築していたプロセス制御システムと安全計装システムを統合できるという特長を持っています。さらに、国際安全規格IEC61508に適合し安全度水準SIL3レベル※を実現する機器として、第三者機関による認証を取得しています。その結果、「ProSafe-RS」はユーザから高く評価され、発売開始から全世界で1,000以上のプロジェクトで採用されています。当社は、安全計装に対するお客様の最新のニーズに対応して「ProSafe-RS」の機能を継続的に強化しています。
※ 国際安全規格IEC61508は、国際電気標準会議 ( IEC : International Electrotechnical Commission )が制定した電気・電子機器の機能安全に関する規格です。SILは、国際安全規格IEC61508で規定された安全度の水準です。SIL3は、プラントに安全対策を施さない場合と比較して、リスクの度合いを1/1000から1/10000の範囲に低減できます。
以上
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