2013年11月5日発表
横河メータ&インスツルメンツ株式会社(本社:東京都立川市 社長:金子 洋)は、オシロスコープとデータレコーダの長所を併せ持ったスコープコーダ「DL850E」(標準モデル)と、自動車開発用途向け機能を付加した専用モデルスコープコーダ ビークルエディション「DL850EV」を開発、11月6日に発売しますのでお知らせします。
リアルタイムに電力を演算する機能の追加やPCとの連携強化など、メカトロニクス、エレクトロニクス分野で開発や実験に携わるお客様の最新ニーズに対応した機能を盛り込みました。当社は、本製品を11月6日から8日まで東京ビッグサイトで開催される「計測展2013 TOKYO」に出品します。
左:スコープコーダ「DL850E」
右:スコープコーダ ビークルエディション「DL850EV」
開発の背景
環境保護・省エネルギー意識の高まりなどを背景に、電気・電子機器、家電製品、電子化の進む自動車の開発等において、一層の省エネルギー設計が求められています。省エネルギー化の鍵を握るインバータやモータの効率をさらに高めるため、開発段階における測定・評価項目が増える傾向にあります。そのため、電力測定器と記録計など複数機器の組み合わせが必要になるなど、評価・解析作業が複雑化しています。
今回当社は、2010年に発売したDL850/DL850Vの後継機種として、電力のリアルタイム演算機能や不具合解析に有用な長時間連続記録機能などを追加した「DL850E/DL850EV」を開発しました。
新製品の特長
- 電力のリアルタイム演算機能
捕捉中のアナログ信号やデジタル信号の波形と同時に、最大126種類の電力パラメータを使って演算した値をトレンド波形で表示できるようになりました。これにより、電力の変動をリアルタイムに観測できます。また、「DL850E/DL850EV」用に、幅広い測定ニーズに対応する豊富なプラグインモジュールをラインアップしています。これを用いることで、電力パラメータ演算値と、温度、ひずみ、周波数などとの複合観測が可能です。 - 長時間・大容量データ収集
測定データを連続してPCにリアルタイム転送できるようになりました。測定・評価項目が増えても、PCのハードディスクを利用した長時間の連続データ記録と記録中のデータ確認が可能です。PCに記録することで、PC上で簡単にデータの処理や演算もできるようになり、製品性能評価における耐久試験や製品の不具合解析作業、生産ライン、電力系統の監視が容易になります。 - GPSを使った時刻同期計測
高精度原子時計を搭載したGPS(全地球測位システム)を使った時刻同期測定が可能になりました。広域の配電系統内の複数地点に「DL850E/DL850EV」を配置し、時刻を同期させた連続測定ができるため、スマートグリッドの実証試験などに適しています。
主な市場と用途
- モータやインバータ、家電、自動車・自動車部品、鉄道、産業機器、その他電子部品等メカトロニクス、エレクトロニクス分野における製品開発と実験
- 電力会社における電力の監視・保守・検査
- 新エネルギー関連の研究開発
スコープコーダについて
スコープコーダは、耐ノイズ性能が重視されるメカトロニクス分野の開発現場で、多チャネルの物理信号を長時間観測できることが最大の特長です。瞬時の現象を捕捉するオシロスコープと、長時間に及ぶトレンドを高分解能で記録するデータレコーダの長所を併せ持っています。
以上
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