2014年2月25日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、ネットワークベース生産システム「STARDOM™(スターダム)」の低消費電力・自律型コントローラ「FCN-RTU※」の機能強化版を、2月26日に発売しますのでお知らせします。
今回は、主として、活況な海外の石油・天然ガスの採掘など上流工程に向けた機能の強化を行いました。
※RTU:Remote Terminal Unit
ネットワークベース生産システム STARDOM
開発の背景
天然ガスの開発現場では、多数の井戸が広域に分散しています。これらの井戸はそれぞれ独立しており、それを監視・制御するには、井戸ごとにコントローラを設置し、監視制御を行っていました。
近年、シェールガスの採掘技術の進歩で、複数の井戸の出口を一か所にまとめる、多分岐型の水平坑井(Well pad)という方式が採用される例が増加しています。この場合は、井戸元に1台のコントローラを設置し、多数の井戸を一括で監視制御します。このため、コントローラの入出力点数がより多く必要になりました。
また、天然ガス井は過酷な気象環境の場所にあることが多いため、耐環境性をさらに向上させました。
製品の特長
- 入出力モジュールの実装可能数を増加(海外市場向け)
海外市場向けに、天然ガス井戸元制御など入出力点数の多いアプリケーションに対応するため、自律型コントローラ「FCN-RTU」に実装可能な入出力モジュールの枚数を従来の3枚から8枚に増やしました。1台のFCN-RTUで、最大256点の入出力に対応します。 - 耐環境性の向上(海外市場向け)
石油や天然ガス採掘現場は、過酷な気象条件の場所も多くあります。そこで、設置環境の温度条件-20~70℃対応の入出力モジュールを10種類増やしました。 - Windows7 64bitパソコンへの対応
64bitパソコンの利用が増加していることから、「STARDOM」の監視・制御ソフトウエア(SCADAソフトウエア)である「ASTMAC VDS」を含んだ各種関連ソフトウエアのWindows 7 64bit対応を行いました。最新のOS環境でエンジニアリング・操作・監視が可能になります。
STARDOMについて
「STARDOM」は、制御、操作、監視などの機能別コンポーネントで構成するオープンネットワーク制御システムです。分散形制御システム(DCS)の信頼性とPLC(プログラマブルコントローラ)を使用したPLC計装の汎用性・経済性を両立させたシステムとして高い評価を得ています。STARDOMの中核をなす自律型コントローラ「FCN」「FCJ」は、既存のPLCがもつ制御・監視機能に加え、情報発信機能を付加し、インテリジェント RTU(Remote Terminal Unit)として、石油・ガス井戸元をはじめとした分散型アプリケーションに広く導入されています。自律型コントローラ「FCN」「FCJ」と、ネットワーク経由でどこからでも現場にアクセスできるWebベースHMIのSCADAソフトウエア「ASTMAC VDS」を組み合わせることにより、各種分散型アプリケーションに対して、より柔軟な対応が可能となります。
主な市場
油田・ガス田、上下水道、パイプラインなどの広域に分散する設備
石油、化学、鉄鋼、紙・パルプ、食品、薬品などの中小規模プロセス系プラント
中小型発電設備(風力発電・蒸気タービン・水力発電)
用途
中小規模の生産設備の監視、操作、制御、データ収集、記録保存など
以上
本件に関するお問い合わせ
- 製品に関するお問い合わせ先・資料請求先
横河電機株式会社 IAプラットフォーム事業本部制御機器事業部PLC計装ビジネス部ソリューション課 - 本プレスリリースに関するお問い合わせ先
横河電機株式会社 コーポレート・コミュニケーション室
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中小規模向け計装システム (STARDOM)
中小規模向け計装システム STARDOMはコントローラやHMI等のオープンなコンポーネント群を、ネットワーク上で統合する計装システムです。柔軟性あるエンジニアリング環境により 高信頼の二重化システムからタッチオペレーションパネルを用いた現場での操作監視まで、各種PLC計装システムを実現します。