2014年10月23日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、差圧・圧力伝送器「DPharp(ディーピー・ハープ)シリーズ」の海外向けラインアップである「DPharp EJA-Eシリーズ」の低消費電力タイプ(1-5V HART出力)を開発しましたのでお知らせします。世界の石油・天然ガスの開発・生産工程(アップストリーム工程)市場ニーズに対応した製品で、国外向けに発売します。欧州以外の地域では12月15日から、欧州では2015年の発売を予定しています。
当社は、中期経営計画「Evolution 2015」の制御事業戦略で、差圧・圧力伝送器をセンサ分野でグローバルNo.1シェア獲得を目指す注力製品として位置付けています。また、市場の拡大が期待できる石油・天然ガスのアップストリーム工程を注力業種の一つに掲げています。当社は、本製品の発売を機に、中期経営計画の達成に向けて制御事業の拡大を目指します。
EJA-Eシリーズ 低消費電力(1-5V HART出力)型 差圧・圧力伝送器
開発の背景
差圧・圧力伝送器は、石油、石油化学、化学などの各種プラントや油田・天然ガス田で液体、気体、蒸気などの圧力、流量、液位を測定するために使用される代表的なセンサです。
世界的なエネルギー需要の高まりに伴い、石油・天然ガスの開発・生産が活況を呈しています。近年は開発・生産技術の進歩で、電力・通信などのインフラ未整備な場所にも採掘エリアが拡大しています。そのため、油田・ガス田に設置される開発・生産に必要な装置や機器には、太陽電池やバッテリーによる限られた電力供給で稼働できる性能が求められています。
製品の特長
- 業界最高クラスの低消費電力
今回当社は、電力回路設計を見直したことで、27mW(消費電流0.96 mA~3mA)と差圧・圧力伝送器として業界最高クラスの低消費電力を実現しました。 - 低消費電力型として業界最高クラスの測定精度と長期安定性
「DPharpシリーズ」の特長である、高い測定精度と長期に安定稼働する性能を踏襲しました。測定精度±0.055%、長期安定性±0.1%(7年間)と、一般的な低消費電力(1-5V出力)型差圧・圧力伝送器と比較して、業界最高クラスの性能を実現しました。 - 据付作業を容易に
通常、センサの調整・設定には専用器やPCを使用しますが、これらを現場に持ち込まずに、機器本体の設定用スイッチでも基本設定が行えるようにしました。
主な市場
石油・天然ガス、石油化学、化学、鉄鋼、紙パルプ、電力、水処理などプロセス製造業全般
用途
液体、気体、蒸気などの圧力、流量、液位などの測定
この分野における当社の取り組み
1961年、日本で初めて産業用差圧・圧力伝送器を発売しました。1991年、単結晶のシリコンレゾナントセンサ(伝送器の心臓部にあたる圧力検出部に微小電子機械システムMEMS技術を応用)を世界で初めて工業計測製品に応用したDPharp EJシリーズ、1994年、高性能で優れた安定性を特長とするDPharp EJAシリーズを発売しました。2004年には、DPharp EJAシリーズの上位機種として、差圧と静圧を同時に測定できるマルチセンシング機能、高速応答性能、IECの安全度水準SIL2の認証を取得したDPharp EJXシリーズを発売しました。また、石油・天然ガスのアップストリーム工程向けには2013年にDPharp EJXマルチバリアブルタイプ機能強化版(Modbus通信型)を発売しました。今後も当社は、お客様のニーズに対応した製品を継続的に投入し、センサ分野でグローバルNo.1シェア獲得を目指します
以上
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