2015年11月10日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)の子会社で国内の制御事業を担う横河ソリューションサービス株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、バッチ管理制御パッケージ「VizBatch(ビズバッチ)™」を開発、11月11日より発売しますのでお知らせします。業界で初めて汎用オフィスソフトウエア上でユーザーが直感的な操作により製造手順の変更や設定値の登録をすることを可能にし、バッチプロセス※における頻繁な制御プログラム変更の効率向上に貢献します。
VizBatch画面例
開発の背景
バッチプラントでは、同一設備を活用し、制御方法を変更することで複数の種類の製品を製造します。このような場合、制御プロセス等の変更を伴うため、特殊なエンジニアリングスキルを身に着けた人による、制御プログラムの変更が必要になります。また、変更した制御プログラム構造の複雑さから、再利用性が低く、構造をよく知る人しか手を加えられない、あるいは少しの変更でも影響を受けるプログラムが多く、膨大な工数がかかることがある、などの問題があります。
より多くの製品を制御プログラムの変更により同一プラントで生産することは、新製品開発サイクルの短期化、期間限定製品などの短期間生産への対応など、企業の経営効率を向上させることにつながります。一方で、企業にとってプラントの制御プログラム変更の頻度を増加させることは、エンジニアリングの負担がますます増大することになります。
バッチ管理制御パッケージ「VizBatch」はこれら制御プログラムの変更にかかる負担を軽減し、お客様のプラント運営の効率化に貢献します。
新製品の特長
「VizBatch」は、Windows PCと、プラント制御用コントローラを用いてバッチプロセスの管理制御を行うソフトウエアパッケージです。業界で初めて汎用的なオフィスソフトウエア(Microsoft Excel、Visio)を用いた、直感的な操作による、制御プログラムの構築・変更を可能にしています。主な特長は以下のとおりです。
- 特殊なプログラミングスキルが不要
汎用的なオフィスソフト上での直感的な開発環境を提供しているため、お客様自らが、特殊なエンジニアリングスキルを持っていなくても制御システムの変更をすることが可能です。制御に必要な設定値などは表計算ソフト上でわかりやすく登録できます。また描画ソフト上で提供するシステム構築環境を用い、モジュール化された機能を選択し接続することで制御機能を構築・変更できます。 - 制御機能変更における効率と品質を向上
モジュール化された機能を接続した図がそのままプログラム構造を示すため、変更範囲が明確になるとともに、お客様のプロセスノウハウを機能モジュール化し、再利用することが可能となるため、エンジニアリング効率が大きく向上します。汎用オフィスソフト上で構築した図や表はそのままソフトウエアの仕様書としても使用できます。ドキュメント・イコール・プログラミングですので、ドキュメントからプログラミング言語への変換作業が不要となり、ソフトウエアの品質も向上します。 - 手作業、手計量を含む工程との高い親和性
バッチプラントの管理、制御に必要な機能からデータベース/解析機能までを標準搭載したオールインワンパッケージとなっており、MES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)の機能も包含するため、手作業や手計量などを含む工程にも容易に適用できます。
主な市場
- 多品種生産/マルチパス運用が必要となるバッチプラント
例)食品業種:乳業、油脂、飲料、砂糖、発酵物など
薬品業種:原薬、中間体、治験薬など
化学業種:ファインケミカル、塗料、インクなど
用途
- バッチプラントにおける製造管理、設備制御/操作監視
製造手順変更や複雑な移送ラインの形成、洗浄工程におけるマルチパス管理や、手作業・手計量を必要とするバッチプラントに特に適しています。
※ バッチプロセス:
同一設備や装置を使用し、多品種の製品を製造する製造工程。品種ごとに、複数ある原料等の移送経路(マルチパス)の変更やレシピ切替え、工程組替えなどが必要
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