2016年5月20日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、差圧・圧力伝送器「DPharp EJX®(ディーピーハープ・イージェーエックス)シリーズ」のラインアップとして、圧力センサ2台を電気ケーブルで接続し、離れた場所の差圧測定を可能にしたディジタルリモートセンサ「EJXC40A」を開発、本日より販売を開始しますのでお知らせします。
「EJXC40A」は、大型タンクの液位測定や、高圧流体などの圧力差が大きい2点の差圧の測定に適した差圧伝送器です。今回のラインアップ拡充により、お客様の幅広いご要望に対応していきます。
ディジタルリモートセンサ「EJXC40A」
開発の背景
差圧・圧力伝送器は、石油、石油化学、化学などの各種プラントや油田・天然ガス田で使用される代表的なセンサです。タンクや配管内の異なる2点の圧力差から液体、気体、蒸気の液位、流量、密度を測定します。お客様のアプリケーションによって、伝送器の受圧部にタンク内の液体・気体や配管内の流体を導入できない場合には、チューブ(キャピラリ)でつながれた2つの受圧部(ダイアフラムシール部)と伝送器本体で構成された、ダイアフラムシール式の圧力伝送器を用います。ダイアフラムシール式は、高い圧力がかかったタンクでも高精度に測定できるという長所がありますが、キャピラリの長さに制限があるため、大型タンクの液位測定が困難だったり、ダイアフラムシール部と伝送器本体が離れていることで周囲温度の影響を受け、温度変化の厳しい環境下では微小圧力測定には適さなかったりという課題がありました。
製品の特長
専用の電気ケーブルで接続された圧力センサ2台で構成され、各センサが測定した圧力差から液体、気体、蒸気の液位、流量、圧力を測定します。
- 大型タンクの液位測定に最適
「EJXC40A」の圧力センサ2台を接続する電気ケーブルは、最長45メートルです。大型タンクや高い蒸留塔の液位の測定が可能になります。 - 微小圧力の測定に最適
圧力センサ2台を電気ケーブルで接続しているため、原理的に周囲温度の影響を受けません。ガスタンクなどの微小圧力測定が必要なアプリケーションでも、温度影響の補正演算が不要になり、安定した測定が可能になります。 - 高圧流体の圧力差が大きい2点の差圧測定に最適
「EJXC40A」は、2台の圧力センサで構成されており測定レンジを個別に設定できるため、1台では測定が難しい、大きな差圧(最大50Mpa)の測定が可能です。
※海外向けには、最大70Mpaに対応するモデルがあります。
横河電機IAプラットフォーム事業本部プロダクト事業センター長 齋藤洋二は、発売にあたり次のように述べています。「フィールド機器の主力製品である差圧・圧力伝送器『DPharpシリーズ』は、小型で汎用の差圧・圧力伝送器として、1991年の発売以来650万台の納入実績を重ねてきました。現在は、差圧・圧力伝送器市場で世界第2位のシェアを占めています(当社調べ)。『EJXC40A』は、DPharpシリーズの高精度高安定のシリコンレゾナントセンサを搭載し、優れた性能を有しています。当社が注力している、アップストリーム市場やLNG市場、石油化学、化学、電力などの幅広い分野でご使用いただける製品として開発しました。今後も当社は、お客様のニーズに対応した製品を開発し、フィールド機器ビジネスを拡大していきます。」
主な市場
石油・天然ガス、石油化学、化学、電力などプロセス製造業全般
用途
タンクや配管内の液体、気体、蒸気の液位、流量、圧力などの測定
この分野における当社の取り組み
当社は、1961年、日本で初めて産業用差圧・圧力伝送器を発売しました。1991年、単結晶のシリコンレゾナントセンサ(伝送器の心臓部にあたる圧力検出部に微小電子機械システムMEMS技術を応用)を世界で初めて工業計測製品に応用した「DPharp EJシリーズ」を発売しました。1994年には、高性能で優れた安定性を特長とする「DPharp EJA®シリーズ」を、2004年には、「DPharp EJAシリーズ」の上位機種として、「DPharp EJX®シリーズ」を、2013年には、石油・天然ガスのアップストリーム工程向けに「DPharp EJXマルチバリアブルタイプ」を、2014年には、海外向けラインアップである「DPharp EJA-Eシリーズ」の低消費電力タイプ(1-5V HART出力)を発売しました。
以上
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横河電機株式会社 フィールド機器カスタマーサポートセンター - 本プレスリリースに関するお問い合わせ先
横河電機株式会社 コーポレート・コミュニケーション室