2016年9月6日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、プラントで使用されている大量の監視制御用機器や製造装置の情報を集中管理する、統合機器管理ソフトウエアパッケージ「PRM® R3.31」を開発、9月7日に発売しますのでお知らせします。
現行製品「PRM R3.30」をバージョンアップした「PRM R3.31」は、保全業務を管理する設備保全管理システムとの連携機能や、不具合の原因特定や必要な処置を検討する際に参考になる集計データを閲覧できる機能を追加しました。これにより、当社は保全業務効率向上に貢献し、メンテナンス市場でのさらなるシェア拡大を図ります。
開発の背景
製造業各社の保全部門では、プラントで使用している大量の監視制御用の機器や製造装置の状態を機器管理システムで一元管理しています。当社は、機器管理システムを活用して、機器の不具合の情報を迅速に把握してプラントの安全運転につなげたいという恒常的なニーズに対応して「PRM」の機能を継続的に強化しています。
今回は、保全計画や作業進捗などの保全業務を管理する設備保全管理システムと「PRM」を連携させることで、PRMが機器の故障を検知してから保全員による処置完了までの作業進捗をシームレスに管理できるようにしました。また、保全業務の現場で、これまで主に管理者層に活用されてきた、機器に関するデータを稼働率などの指標別に集計したレポート(KPI※レポート)を不具合の原因の特定や必要な処置を検討する際の参考データとして容易に参照できるようにしました。
※KPI(Key Performance Indicators): 重要業績評価指標
機能強化の特長
- 機器・装置の状態情報と保全業務情報の連携
「PRM」は、これまでもIBM®の設備保全・保守メンテナンスソリューションMaximo®(マキシモ)と連携しており、「PRM」が機器の故障を検知すると、保全業務を管理しているMaximoに作業指示をします。指示を受けたMaximoは、作業計画を立案し、作業の進捗を管理します。今回当社は、保全員が故障の検知から作業完了までの進捗をシームレスに管理できるように、「PRM R3.31」上で機器に貼り付けるメンテナンスマークにMaximoが管理している進捗状況を反映できるようにしました。
今回はさらに、Maximoの最新バージョンMaximo 7.5/7.6にも対応しました。 - KPIレポートの有効活用
機器の稼働率、異常や警告など状態別の機器数、アラームやイベントの発生数とランキングなどをまとめたフィールドアセットKPIレポート※は、主に管理者層によって活用されていました。今回当社は、「PRM R3.31」からKPIレポートを閲覧できるようにしました。これにより、保全に携わる保全員が、機器の潜在的な異常の発見、不具合の原因の特定や解析、および必要な処置を検討する際の参考データとしてKPIレポートを容易に活用できるようになります。
※フィールドアセットKPIレポート:
KPIレポートを作成する専用ソフトウエアで作成されます。このソフトウエアは、当社のプラント設備効率改善サービス「InsightSuite®AE(インサイトスイート・エーイー)」で使用しているものです。
「PRM R3.31」フィールドアセットKPIレポート - 新しい入出力(IO)装置に対応
当社は、2016年6月に、統合生産制御システム「CENTUM® CS(センタム・シーエス)」、「CENTUM CS 1000」、「CENTUM CS 3000」からのスムーズなシステムアップグレードを可能にする、統合生産制御システム「CENTUM VP R6.03」の入出力(IO)装置を発売しました。「PRM R3.31」はこのIO装置に対応しています。「PRM R3.31」と新しいIO装置との組み合わせでHART通信を利用して、フィールド機器の故障などの状態を迅速に把握できます。
※HART通信: HART通信協会が推進する制御用フィールドネットワーク通信
「PRM(Plant Resource Manager)」について
プラントで使用されている大量の監視制御用の機器や製造装置の状態や保全情報を集中管理するソフトウエアパッケージです。「PRM」を使うことによりネットワークを介して機器・装置の状態監視やオンライン診断を行うことができます。また、「PRM」は個別機器の機器台帳、メンテナンスなどの情報をデータベースで一元管理し、保全員に対してプラントを構成する機器・装置の保全情報を提供します。
主な市場
石油・天然ガス、石油化学、化学、鉄鋼、紙パルプ、電力、水処理など製造業全般
用途
プラントのフィールド機器の保全業務、プラントの運転業務
以上
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本件に関するお問い合わせ
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