2017年10月25日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)と、当社の子会社である横河ソリューションサービス株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、公益社団法人計測自動制御学会(SICE)※1が設けている学会賞のうち「論文賞」、「技術賞」、および「国際標準化功績賞」を9月21日に受賞しましたのでお知らせします。
論文賞
「論文賞」は、前年12月までの2年間に「計測自動制御学会論文集」「英文論文集(SICE JCMSI)」に掲載された論文(ショート・ペーパーを含む)のうち、学問技術の発展に大きく寄与する論文の著者に贈られる賞です。
- 受賞者
林 尚典(横河電機株式会社) - 受賞論文名
「無線水素センサの防爆対応」 - 受賞理由
本論文では、水素ステーションや水素製造設備の水素漏えい検知システムに、水素センサを適用するにあたって防爆対応の検討を行いました。センサ信号の通信に工業用無線通信規格ISA100. 11a※2を採用し、測定時に高温での動作が不要となる水晶振動式の無線水素センサと組み合わせることにより、防爆対応が容易になることを提案し、実用化への可能性とその有効性を示しました。また、産業界で実績のあるISA100. 11aと組み合わせることで実用性が高いと評価されました。
技術賞
「技術賞」は、前年12月までの5年間に公表された技術や業績のうち、SICEが関与する科学技術や産業分野の発展に貢献が大きいと認められる技術的業績に対して贈られる賞です。
- 受賞テーマ
「東日本大震災でのDCS復旧対応」(横河ソリューションサービス株式会社) - 受賞論文名
東日本大震災からのプラント復旧対応を通じて、分散形制御システムの有効な復旧対策手法やライフサイクル保全の視点から得られた今後の対応策について、学会誌や講演で広く情報発信し、啓発を行いました。災害被害を軽減し早期に復旧するためには事前の対策の検討が重要であり、工場における今後の保全活動への活用が期待できると評価されました。
国際標準化功績賞
国際標準化功績賞は、SICEが関与する分野における国際標準規格の制定に貢献した個人または団体に対して贈られる賞です。
- 受賞者
長谷川 敏(横河電機株式会社) - 対象国際標準規格
- ANSI/ISA-100.11a-2011 - Wireless systems for industrial automation: Process control and related applications
- ISA-TR100.00.02-2009 - The Automation Engineer’s Guide to Wireless Technology: Part2 - A Review of Technologies for Industrial Asset Tracking
- ISA-TR100.14.01-Part I-2011 Trustworthiness in Wireless Industrial Automation: Part 1, Information for End Users and Regulators
他
- 受賞理由
長谷川 敏は、工業用無線通信規格ISA100.11aの成立から啓発、普及に尽力し、石油、石油化学、化学分野への無線センサネットワークの普及に貢献してきました。また、ISA100 Wireless Compliance Institute※3の設立を主導し、啓発のための講演会やセミナーの開催、認証テストプログラムの整備にも尽力しました。今回、これらの功績が評価され、受賞に至りました。
※1 公益社団法人計測自動制御学会(SICE):
計測と制御、システムの情報化などに関して、石油・石油化学、鉄鋼、化学、通信などの産業分野で発生する課題を横断的に解決するために技術者、研究者の交流を図る場として1961年に設立。SICEは設立以来一貫して日本の先端学術の発展を支えている。
※2 工業用無線規格ISA100. 11a:
国際計測制御学会(ISA: International Society of Automation)のISA100委員会が策定し、2009年9月にISA規格として発行されたインダストリアル・オートメーション用無線通信規格
※3 ISA100 Wireless Compliance Institute:
ISA100 Wirelessの商業的普及を進める団体。ISA100 Wirelessとは、ISAが推進するインダストリアル・オートメーション用無線通信規格ISA100.11aに基づく通信技術とそれを実現するアプリケーション
以上
本件に関するお問い合わせ
- 本プレスリリースに関するお問い合わせ先
横河電機株式会社 コミュニケーション統括センター 広報室