横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

統合プラント運転管理パッケージ「Operations Management」を発売

2018年2月13日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、プラントにおいて人の介在が必要な作業を電子的に記録・管理する統合プラント運転管理パッケージ「Operations Management(オペレーションズマネジメント)」を開発、2月14日に販売を開始しますので、お知らせします。当社は、サプライチェーンと操業の最適化を実現し、理想の操業への変革を図るOperational Excellence Transformationを推進し、コンサルティングサービスやソリューションのさらなる拡充に努めます。

 今回発売する「Operations Management」は、Operational Excellenceを実現するためのソリューションの一つとなります。プラント操業にかかわる運転員や管理者で共有が求められる、運転中の気づき、作業の進捗や、作業時の業務フローを電子化し、定型化することで、作業の信頼性、安全性、効率性を向上させ、お客様の企業価値向上に貢献します。モバイル対応の機能を追加した製品は6月に発売する予定です。

開発の背景

 市場環境が変化しグローバル競争が激化するなか、製造業のお客様においては、いかにコストを最小限に抑え、高利益率を確保するかが課題となっています。とくに生産現場では、安全を確保しつつ作業効率や設備稼働率を高め、生産性をさらに向上させることが求められています。

 当社は、デジタル技術を活用してお客様のビジネスのプロセスを最適化、自動化し、これらの課題を解決するソリューションのさらなる拡充に注力しています。これらのソリューションは安全かつ信頼性、収益性の高いオペレーション実現に向けて、サプライチェーンの最適化、工場設備の最適な運転、組織のリスクマネジメントの強化、設備効率の最適化などを行うとともに、設備管理の面でもお客様を支援しています。

 今回発売する「Operations Management」 は、組織における人の作業を効率化するソリューションです。IoTが進展し、ビッグデータやAIの活用が進むなか、集めた情報を分析して価値のあるものに変化させ、早期の問題発見、高効率な操業、マネジメントプロセスの革新、サプライチェーンの最適化、迅速な意思決定などを実現するデジタライゼーションが注目されており、運転員の作業の内容やノウハウも電子化し、定型化することで、操業効率を高めたいというニーズが高まっています。

 プラントにおける、緊急停止や操業効率低下の多くは人の介在する作業に起因すると言われており、運転業務における作業指示や進捗管理は、紙や口頭などで行われる場合が多く電子化されていないことから、作業の進捗がリアルタイムで確認できない、次の運転員に交代する際の引継ぎ簿作成のための情報収集に時間がかかる、情報の転記ミスが発生する、過去の作業実績の検索が容易にできないなどの課題があります。また、ヒヤリハットの伝達ミスや対処漏れ、現場作業許可に対する現場作業員と運転員の認識の違いなどのヒューマンエラーに起因する安全上の問題もあります。日本国内では熟練運転員の退職に伴い、運転知識・ノウハウの喪失など、ナレッジの伝承が課題となっています。また、海外においても効率性向上や安全性向上という側面のみならず、事業継続性の観点から、運転管理の重要性に対する認識が高まっています。

 そこで、当社はプラント操業にかかわる運転員やその管理者で共有されている運転中の気づきなどの事象、作業の進捗や、作業時の業務フローを電子化し、定型化するソフトウエアパッケージ「Operations Management」を開発しました。プラント運転にかかわる人の作業全般の信頼性、安全性を高め、作業効率の向上に貢献します。安全で確実な運転管理をサポートするとともに、さまざまな事象や作業指示に対する行動、動作を記録でき、熟練運転員の運転知識、ノウハウの検索、活用も可能にします。

Operational Excellenceを実現する4つの領域
Operational Excellenceを実現する4つの領域

製品の特長

主な特長は以下のとおりです。

  1. 中央制御室の運転員の主要な作業指示や作業実績を電子化し効率向上を実現
    当社は、プラント運転業務の作業指示や進捗状況などを電子化し管理、共有できるソフトウエアパッケージを提供してきました。「Operations Management」では、このソフトウエアパッケージの運転記録や作業指示、引継ぎ簿作成支援の機能を継承するとともに、以下の①インシデント管理、②変更管理、③現場作業許可管理の機能を追加することで、業務プロセスの周知、業務負荷の低減、作業効率向上に貢献します。
    ①ヒヤリハットなどの事象の発生時における記録から処置、検証までの業務フローを一元管理する機能
    ②プラント設備や運転プロセスに変更の必要が生じた際にリスクアセスメントを実施し、変更内容を関係者に周知し、運転条件を変更するまでの業務フローを一元管理する機能
    ③現場作業許可を取得する業務フローの電子化機能
  2. 直感的なユーザインターフェース(UI)でお客様の操作性を向上
    お客様へのヒアリングをもとにUIの専門デザイナーとともに操作画面を開発しました。一目で運転作業の状態が分かり、必要な情報にすぐたどり着けるなど、直感的な操作が可能です。また、お客様が従来作業指示などで使用されていたExcel形式のチェックリストを容易にデータベースに統合することが可能で、導入がしやすいことも利点です。
  3. モバイル対応により、現場での作業効率向上を実現
    プラントでは中央制御室以外の場所でも保守点検などの作業が行われます。製造現場でも容易に作業指示・許可・履歴を閲覧したいという要望に合わせ、タブレットなどのモバイル端末に対応した製品を2018年6月に発売する予定です。中央制御室と現場は、これまで紙やトランシーバーなどでコミュニケーションをとりながら運転を行ってきましたが、必要な情報を、製造現場で迅速かつ容易に閲覧できるようにすることで作業の効率化、作業漏れの防止を実現します。

Operations Managementの機能
Operations Managementの機能
Operational Excellenceを実現するOperational Risk Managementのためのソリューション

主な市場

石油・天然ガス、石油化学、化学、電力、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼、上下水道、非鉄、金属、セメントなどのプラント

用途

運転記録、作業予実管理、交代の際の引継ぎ、帳票作成、ヒヤリハット管理、変更管理、作業許可管理など、プラントの操業にかかわる方の作業支援

今後の展開

 当社は、2016年4月に買収したKBCの操業効率向上や収益性改善のコンサルティングと、YOKOGAWAのシステム構築、ライフサイクルサービスを統合することで両者の強みを融合し、課題発掘から改善、効果維持まで、お客様のライフサイクル全体にわたり事業を支援しています。今回発売する「Operations Management」は、コンサルティングで改善された運転プロセスを確実に実行するためのソリューションの一つです。今後、YOKOGAWAが蓄積してきたプラント運転のノウハウと、KBCが多くの企業でコンサルティングを実施し、蓄積してきたノウハウを生かしながら、プラント運転の高度化や効率の一層の向上に貢献する機能を強化していきます。

 当社はお客様の理想のビジネスを示す制御事業のコンセプトとして、Synaptic Business Automationを提唱しています。経営レベルから生産現場に至るまで、長年培ってきたOT(Operational Technology)、すなわちプラントマネジメント、オペレーション、業種やプロセスなどに関する知識、オートメーション技術、ソリューションと、コンサルティング、ITとを組み合わせることでお客様の事業変革を支援し、コーポレート・ブランド・スローガンであるCo-innovating tomorrow®のもと、お客様とともに新しい価値を創造してまいります。

以上

本文中で使用されている会社名、団体名、商品名等は、各社又は各団体の登録商標または商標です。

本件に関するお問い合わせ

関連製品&ソリューション

  • Operations Management (統合プラント運転管理パッケージ)

    運転実行管理パッケージは全ての業務をタスクとして管理できる現場向けのグループウェアで、タスク情報共有による部門間のコミュニケーション改善 、引継ぎ簿によるシフト引継ぎ品質の向上 やベストプラクティスの抽出と標準テンプレート化による業務効率改善 が図られ、確実で効率的なプラント運転管理を実現できます。

    さらに見る

トップ