2018年7月5日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、データを収集・制御するOpreX™ Data Acquisitionのラインアップとして高耐圧アナログ入力モジュール「GX90XA-10-V1」を開発、7月9日より発売しますのでお知らせします。
本モジュールの追加により、高耐圧環境で多チャネル測定が必要な、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド自動車※やそれら向けの車載電池の開発および生産ラインにおける性能評価試験に用途が拡大しました。
OpreX Data Acquisitionラインアップ
(左)高耐圧アナログモジュール「GX90XA-10-V1」
(右)上から タッチスクリーン ペーパレスレコーダ「GXシリーズ」
ペーパレスレコーダ ポータブルモデル「GPシリーズ」
データロガー スケーラブル・モジュラー・モデル「GM10」
開発の背景
レコーダならびにデータアクイジションシステム(データロガー)は、さまざまな産業の生産現場や開発現場等において、温度、電圧、電流、流量、圧力などのデータの収集・表示・記録に使用される機器です。レコーダやデータアクイジションシステムから成るデータ収集制御機器群をOpreX Data Acquisitionとしてラインアップしており、各種業界の求める要件や規格などを含めたさまざまな市場のニーズに合わせて、入出力モジュールのラインアップ拡充や機能強化を図ってきました。レコーダについては、当社は世界トップクラスのシェアをもっています。
現在、開発や生産が盛んな電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド自動車やそれら向けの車載電池の性能評価試験では、電圧データをセル単位で測定したいという要求があります。車載電池では、数百のセルを連結した状態で使用するため、個々のセルのデータを収集するとなると何百点ものデータを同時に測定する必要があります。また、車載電池としての出力電圧は数百ボルトになるため、アースと測定端子間に高い電圧(高コモンモード電圧)がかかっても十分に耐えうる高耐圧性能が求められます。今回当社は、二次電池を搭載した自動車や車載電池関連のお客様をはじめとする、高耐圧・多チャネル測定が必要なお客様に最適な測定環境を提供するために、OpreX Data Acquisitionのラインアップに高耐圧アナログ入力モジュールを開発しました。
新製品の概要
「GX90XA-10-V1」は、OpreX Data Acquisitionのラインアップであるタッチスクリーン ペーパレスレコーダ「GXシリーズ」、ペーパレスレコーダ ポータブルモデル「GPシリーズ」、データロガー スケーラブル・モジュラー・モデル「GM10」に挿入して活用する、アナログ入力モジュールです。
- 高耐圧・多チャネル
「GX90XA-10-V1」は、二重絶縁構造で、そのコモンモード電圧は、600V ACrmsまたは600V DCです。また、「GXシリーズ」「GPシリーズ」に装着すると最大入力450チャネル、「GM10」に装着すると最大入力420チャネル、最短測定周期100ms(ミリ秒)の高速サンプリングが可能です。高耐圧・多チャネル測定が要求される車載電池関連の開発・生産ラインにおける性能評価試験や、高耐圧の電圧測定が要求される、電解槽による電気分解工程の評価試験に適しています。 - オープンなネットワーク機能
「GXシリーズ」、「GPシリーズ」、「GM10」は、LAN規格であるEthernetや産業用ネットワークに広く採用されている通信プロトコルModbusに対応し、上位の制御システムや他社品との接続ができます。これらに「GX90XA-10-V1」を装着することで、高耐圧環境での測定データを上位システムから監視したり、収集したデータをデータベースに格納して共有したりすることが可能です。
主な市場
- 電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド自動車メーカの開発・生産
- 二次電池、燃料電池などの車載電池メーカの開発・生産
- 幅広い産業の電解槽を活用する現場
用途
温度、電圧、流量、圧力などの測定
OpreXとは
OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation 、OpreX Control 、OpreX Measurement 、OpreX Execution 、OpreX Lifecycle の5つのカテゴリーから成り立ち、新製品の高耐圧アナログ入力モジュール「GX90XA-10-V1」は、OpreX Measurement を構成する製品・ソリューション群の一つであるOpreX Data Acquisitionに属します。OpreX Measurementは、高精度な測定、データ収集、分析を可能にする現場機器やシステムを意味します。
YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。
※ プラグインハイブリッド自動車
Plug-in Hybrid Vehicle(PHV)またはPlug-in Hybrid Electric Vehicle(PHEV)
以上
本文中で使用されている会社名、団体名、商品名等は、各社又は各団体の登録商標または商標です。
関連ページ
本件に関するお問い合わせ
- 製品に関するお問い合わせ・資料請求先
横河電機株式会社 IAプロダクト&サービス事業本部 プロダクト営業センター エッジソリューション営業統括部 - 本プレスリリースに関するお問い合わせ先
横河電機株式会社 コミュニケーション統括センター 広報室
関連製品&ソリューション
-
データアクイジション システム GM
SMARTDAC+ データアクイジションシステム GM は、簡単に必要なモジュールを自由に組み合わせられるYOKOGAWA独自のブロック構造を採用した、汎用性と拡張性に優れたデータロガーです。設置後もすべてのモジュールが独立して着脱できるため、メンテナンス性にも優れています。
-
ペーパレスレコーダ(記録計) GP10/GP20
SMARTDAC+ GP10/GP20は、直感的なタッチパネル操作を実現した、ポータブルタイプ、のペーパレスレコーダです。入出力はフレキシビリティの高いモジュール構造で、さまざまな測定対象に対応します。AIを活用したレコーダです。
-
記録からAIによる予兆検知までペーパレスレコーダ(記録計) GX10/GX20
SMARTDAC+ GX10/GX20は、直感的なタッチパネル操作を実現した、パネル取付タイプのペーパレスレコーダです。入出力はフレキシビリティの高いモジュール構造で、さまざまな測定対象に対応します。AIを活用したレコーダ(記録計)です。熱処理や医薬規制 データインテグリティなどの厳しい規格にも対応した機器です。