2018年8月24日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、ノルウェーの子会社でケミカルインジェクションメータリングバルブを手掛けるYokogawa TechInvent AS(本社:スタヴァンゲル、CEO:Alf Egil Stensen(アルフ エーゲル ステンセン))が、ノルウェーの石油開発企業Equinor ASA(エクイノール)向けに高機能のケミカルインジェクションメータリングバルブ「FluidCom」(フルイドコム)59台を受注しましたのでお知らせします。これらは、北海の大型油田であるJohan Sverdrup(ヨハン スヴェルドラップ)油田とバレンツ海の油田Johan Castberg油田(ヨハン カスバーグ)で使用される予定で、それぞれのプロジェクトのケミカル・インジェクション・パッケージ・サプライヤから受注しました。
FluidCom
Johan Sverdrup 油田は、スタヴァンゲルの西160kmの北海に位置する推定埋蔵量21~31億の大型油田で、ノルウェー大陸棚で上位5位に入る埋蔵量を誇ります。また、Johan Castberg油田は、ハンメルフェストの北西240 kmに位置するバレンツ海の油田で、推定埋蔵量は4.5~6.5億バレルであり、FPSO(Floating Production, Storage and Offloading system: 浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)のプロジェクトです。今回受注したのは、Johan Sverdrup 油田のフェーズ2プロジェクトと、Johan Castbergの新設プロジェクトで、ともに2022年に稼働する予定です
石油の採掘現場や輸送パイプラインにおいては、配管内のつまりや腐食を防止するためにケミカルインジェクション(薬剤注入)が行われています。薬剤注入の作業では、バルブ等の機械の操作を自動化している例もあるものの、アップストリームでは一般的には手作業で行われており、作業者は厳しい環境下で頻繁な開閉や調整を行っています。このため、高価な薬剤の過剰投入を防止することによる薬剤コストの最適化、自動化による生産性の向上、厳しい環境下での作業の回避が課題になっています。
Yokogawa TechInventが開発・販売するケミカルインジェクションメータリングバルブ「FluidCom」は、流量計測機能と流量調節機能を備え、1台で薬剤注入の自動化を実現します。小流量の薬剤を安定して注入できる、機械機構が少なく故障のリスクが低い、セルフクリーニング機能がありメンテナンスが不要などの特長を有しており、石油・ガス産業のアップストリームからミッドストリームにおける操業効率の改善、運用コストの低減、およびHSE(health, safety, environment: 健康・安全・環境)の改善に貢献します。こうした特長が評価され、このたび、エクイノールの2つの油田向けに採用されました。
今回の受注にあたり、横河電機 IAプロダクト&サービス事業本部長の上原茂義は次のように述べています。「高い技術力を有し持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け先進的な取り組みを進めているEquinorにFluidComの特長が高く評価され、今回の受注に至りました。FluidComは薬剤注入の自動制御を可能とし、過酷なオフショアプラットフォームでの労働時間を削減します。また、薬剤量を最適化できることから環境への負荷を低減します。これらの特長によりFluidComはお客様のOPEX削減とSDGs達成の双方に大きく貢献します。YOKOGAWAはFluidComを含むアップストリーム分野のソリューションのさらなる拡充により、お客様に新たな価値を提供します」。
Equinorの概要
エクイノールは、2018年にノルウェーの国営会社であるStatoil AS(スタトイル)が社名変更して発足。世界最大級の石油・ガス企業で、石油・天然ガスのアップストリームからダウンストリームまでを手掛け、生産、運搬、販売を一貫して行っている。
Yokogawa TechInventの概要
ノルウェー スタヴァンゲルのベンチャー企業であるTechInvent ASの100%出資子会社として2017年4月に設立されたTechInvent2が前身で、TechInventの事業を継承してFluidComの開発、販売を行っている。2017年7月に、アップストリームビジネスの強化の一環として横河電機が買収し、2018年8月に社名をTechInvent 2 ASからYokogawa TechInvent ASに変更した。
以上
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