横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

OpreXブランドのラインアップ 産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」第二弾 無線圧力センサ・無線温度センサを用いた設備監視ソリューションを開発・発売

2019年7月12日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ブランドのラインアップである産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor(スシセンサ)」の第二弾として、無線圧力センサと無線温度センサを用いた設備監視ソリューションを開発、本日より国内で発売しますのでお知らせします。

 当ソリューションにより、従来の振動・表面温度データに加え、圧力と広範囲の温度データをオンラインで容易に収集できるようになります。プラント内の多様なデータに基づく設備の状態監視が実現し、設備の点検工数の削減、設備異常の早期発見が可能になります。当社ではSushi SensorのデータとAI・機械学習を組み合わせることで、お客様の設備の故障予知、保全業務の判断支援などのソリューション提供を予定しています。当社は「Sushi Sensor」でプラント保全に貢献します。

左:無線圧力センサ 右:無線温度センサ
左:無線圧力センサ
右:無線温度センサ

開発の背景

 プラントにおいては、生産性向上や設備保全の効率向上に対する意識の高まりから、より多くのデータをオンラインで収集したいというニーズは高まっており、配線が困難な場所にも容易に設置でき、有線センサに比べ敷設コストを抑えられる無線センサの需要が増加しています。当社は、プラントに設置できる耐環境性に優れた無線センサを導入して、保全効率を高めたいというお客様のニーズに対応し、産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」を2018年3月に発売し、実績を重ねてきました。第一弾は、LoRaWAN™※1に対応した、振動・表面温度センサ機能を備えた小型無線センサ「XS770A」を用いた設備監視ソリューションでしたが、より多様な測定データに基づいて設備の状態監視をしたいというお客様のニーズに応え、無線圧力センサと広範囲の温度を測定できる無線温度センサを新たに開発しました。

※1 LoRaWAN
産業用IoTの通信インフラとして注目されている、省電力・長距離の通信を実現する広域無線通信方式LPWA(Low Power Wide Area)の1つ

センサの特長

  1. センサを設備に取り付けたまま簡単に電池交換が可能
    電池を内蔵した無線通信モジュール「XS110A」に圧力測定モジュール「XS530」もしくは温度測定モジュール「XS550」と熱電対を組み合わせることで、無線圧力センサ、無線温度センサとして動作します。プラントでの導入に要求される耐環境性(防爆対応は現在申請中)を確保し、10年間と寿命が長い電池(データ更新周期が1時間の場合)を採用したことで、メンテナンスの頻度が下がりライフサイクルコストが低減します。また、無線通信モジュール「XS110A」のみ取り外すことで、電池交換が簡単に行えます。
  2. 高い信頼性で圧力を測定
    配管やタンク内の気体及び液体のゲージ圧(大気圧を基準とした圧力)を測定します。液体に接する部分に耐腐食性の素材を採用し、高圧に耐える高強度と低圧に対する高感度を両立しており、バルブの漏れや配管・フィルターの詰まりを監視できます。
  3. 広範囲な温度を測定
    IEC 規格の熱電対(Type B、E、J、K、N、R、S、T、Cの9種類)の2点入力に対応し、低温から高温まで測定可能です。多段連結構造の熱交換器における故障箇所の特定やスチーム漏れに伴うエネルギーロスの監視、タンクや耐火隔壁の温度監視ができます。

主な市場

石油、石油化学、化学、鉄鋼、ガス、電力、紙パルプ、薬品、食品、上下水道などのプラント

用途

  • 上記プラントで使用される熱交換器、ポンプ、タンクなどの設備や機器の圧力と温度の測定
  • 高温で物質を加熱する炉の壁面の温度監視

産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」

 通信機能と振動、温度、圧力センサ機能を備えた小型無線センサのデータがクラウド上に共有され、AIや機械学習を使った設備の故障予知を可能にするソリューションです。プラント保全やエネルギー管理に貢献する、新たな価値を創出します。
 産業用IoT(Industrial IoT: IIoT)の分野では、センサ、クラウド環境、データ分析を行うアプリケーションソフトなどが複数のベンダーによって提供、構築されるのが一般的です。当社は、無線センサ、無線ネットワーク機器で構成する無線ソリューション「Sushi Sensor」に加え、クラウド環境も提供しています。将来は、AIや機械学習を使った故障予知、保全業務の判断支援に至るまで、トータルで提供する予定です。また、海外でも順次発売する予定で、第一弾の振動・温度センサ「XS770A」は2019年3月から欧州で販売を開始しました。
 今回開発した無線通信モジュール「XS110A」は、一体形の「XS770A」を除き、「Sushi Sensor」共通で使用できるモジュールです。今後当社は、さまざまな物理量に対応した測定モジュールを開発し、「XS110A」と組み合わせて「Sushi Sensor」のラインアップを拡充していきます。

YOKOGAWAの無線ソリューションのラインアップ

 当社は無線ソリューションとして、「Sushi Sensor」に加え、フィールド無線通信規格ISA100 Wireless™※2に準拠したフィールド無線システムを、高信頼・高機能を特長とするプラント操業の監視・制御向けの無線ソリューションとして提供しています。フィールド無線システムで収集したデータは、有線のフィールド機器の測定データと同様に制御システム上で監視することができます。一方「Sushi Sensor」は、クラウド上に共有され、モバイル端末や汎用PCなどからでも監視でき、主にプラントの設備保全用途でご提供しています。

※2 ISA100 Wireless
ISAが推進するインダストリアル・オートメーション用無線通信規格ISA100.11aに基づく通信技術とそれを実現するアプリケーション

OpreXとは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control 、OpreX Measurement 、OpreX Execution 、OpreX Lifecycle の5つのカテゴリーから成り立ち、産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」は、OpreX Transformationのソリューションの一つであるOpreX Asset Management and Integrityに属します。OpreX Transformationは、企業活動全体を俯瞰し、生産からサプライチェーン、リスク管理や経営までの領域を含む卓越したオペレーションを実現する包括的ソリューションを意味します。
YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。

以上

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