2019年8月1日発表
横河ソリューションサービス株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:村井 哲也)は、プラントの安定した運転に必要な技能を習得したい技術者向けに、サイバー・フィジカル・システム※1環境で行う運転安定化トレーニングコースを開発、2020年3月に開講しますのでお知らせします。
新トレーニングコースは三井化学株式会社と共同で開発したもので、三井化学技術研修センター(千葉県茂原市)で提供します。三井化学の有するプラント操業・安全管理に関するノウハウと、横河ソリューションサービスの有するプラント制御に関する知識とソリューション提案のノウハウを合わせた、新しいトレーニングサービスです。
※1 サイバー・フィジカル・システム(Cyber Physical System:CPS)
フィジカル空間(実世界)にあるさまざまデータをセンサー等により収集し、サイバー空間でデータの解析や分析を行って得られた価値を実世界にフィードバックする仕組みのこと。産業界の活性化や社会問題の解決に有効で、プラントの安定化や生産性の向上に生かすことができます。
トレーニングコースの概要
分散形制御システム(DCS)に設定するPIDパラメータ※2のチューニングはプラントを安定して運転するために欠かせない作業です。チューニングには、豊富な経験や知識が必要なことから、経験が浅い運転員でもチューニング技術が身に付く実践的なトレーニングプログラムが求められています。
このたび当社は、三井化学と共同で、三井化学技術研修センターで提供するコースの一つとして、PIDパラメータのチューニングを中心とする運転安定化トレーニングコースを開講します。三井化学技術研修センターは、DCSを備えたメタノール蒸留訓練プラントとそのシミュレータシステム、各種の安全体験設備を有しています。運転安定化トレーニングコースでは、シミュレータシステムのサイバー空間に、稼働中の訓練プラントと同等のプロセスデータを保持したデジタルツイン※3環境を構築し、PIDチューニングのシミュレーションを行います。シミュレーション結果を稼働中の訓練プラントに適用し、訓練プラントで再現させ、動作を確認することができます。また、シミュレータシステムで、トラブルを発生させて原因究明及び対処法について演習を行います。その後、訓練プラントで類似のトラブルを実際に発生させて、実プロセスの挙動の確認とその対処を行い、トラブルシューティングを習得します。
※2 PIDパラメータ
PID(P:比例、I:積分、D:微分)制御に必要なパラメータのこと。PID制御は、フィードバック制御の一種で、現在値と設定値の偏差に対し所定の演算をして得た値をバルブなどの駆動装置に出力し、設定値に近づくように制御する。
※3 デジタルツイン
実世界で収集したさまざまなデータの統計的分析やデータ解析により実世界の状況を再現したモデル(デジタル上の双子)のこと。このモデルが実世界と連動する。
コース名・研修期間・定員 | 運転安定化コース(2日コース、定員:8名) |
---|---|
対象 | 中堅の製造運転者・製造スタッフ、保全(計装系)担当者 |
研修内容 |
|
研修コースの詳細は三井化学WEBサイト をご参照
三井化学技術研修センター
今後の取り組み
2015年から、三井化学はこのセンターで行うプラント操業・安全に関する研修カリキュラムを社外に開放し研修者を受け入れてきました。横河ソリューションサービスは、三井化学と提携し、研修カリキュラムの一部を自社のトレーニングサービスとして提供してきました。
三井化学と横河ソリューションサービスは、今後も、プラント運転や運転員教育に関する三井化学のノウハウと、横河ソリューションサービスのプラント制御に関する豊富な知識および制御システムやシミュレータの能力を最大限に引き出すノウハウを生かし、既存トレーニングサービス商品の改善を進め、製造業の効率的かつ安全な操業の実現に貢献してまいります。
以上
本文中で使用されている会社名、団体名、商品名、サービス名およびロゴ等は、横河電機株式会社、各社および各団体の登録商標または商標です。
本件に関するお問い合わせ
- 製品に関するお問い合わせ・資料請求先
横河ソリューションサービス株式会社 ソリューションビジネス本部 トレーニングセンター - 本プレスリリースに関するお問い合わせ先
横河電機株式会社 コミュニケーション統括センター 広報室