横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

OpreX Asset Management and Integrityのラインアップ 産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」の設備監視向け高圧レンジの無線圧力センサを発売

2020年12月3日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ Asset Management and Integrityに属する産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor(スシセンサ)」のラインアップの一つとして、35MPa(メガパスカル)までの圧力測定が可能な高圧レンジの無線圧力センサを開発、12月4日(金)より国内で発売しますのでお知らせします。
 すでに販売している振動・表面温度のセンサ、タンク内や炉内などの設備内部を測定する温度センサ、5MPaまでの圧力センサに当センサを加えることでより広範囲の設備の状態監視を可能にし、安全で効率的な設備保全の活動に貢献します。

開発の背景

 プラントにおいては、生産性向上や設備保全の効率向上のため、より多くのデータをオンラインで収集したいというニーズは高まっており、配線が困難な場所にも容易に設置でき、有線センサに比べ敷設コストを抑えられる無線センサの需要が増加しています。
 また、プラント内に張り巡らされたパイプラインの詰まり検知、ガスを充填しているボンベやタンクの圧力監視が必要な設備などにおいては、これまで防塵・防水・防爆の耐環境性が備わった生産設備監視を目的とした産業用IoT向けの圧力センサは普及しておらず、巡回して各現場計器を一つひとつ点検する必要がありました。

製品の特長

  1. あらゆる保全用圧力監視に対応した高圧用のセンサで安全性・効率性の向上に貢献
     化学や鉄鋼などのプラントでは、当センサが許容する35MPaまでの高圧仕様でお客様が求める大部分の測定箇所の保全用圧力監視が可能です。液体や気体に接する部分には耐腐食性の素材を採用し、高圧に耐える高強度を実現しています。
     今まで巡回点検による圧力監視が必要だった設備にSushi Sensorを導入することで定期的な圧力データの収集が自動化されます。巡回点検をSushi Sensorによるデータ監視に置き換えることで点検頻度が減り、保全活動の効率性が向上します。また、防爆エリアや高所などの危険な場所での点検機会を削減できれば安全性の向上にもつながります。
  2. 通信部とセンサ部の分離構造、電池の長寿命化でライフサイクルコストを低減
     販売中の圧力センサ、温度センサと同様、電池を内蔵した無線通信モジュール「XS110A」に高圧用の圧力測定モジュール「XS530」を組み合わせることで動作します。設備に据え付けられた高圧用の圧力測定モジュールから無線通信モジュールのみ取り外すことで簡単な電池交換が可能です。また、プラントでの導入に要求される耐環境性(防塵・防水・防爆)を確保し、10年間(常温環境設置でデータ更新周期が1時間の場合)の電池寿命を実現したことで、電池交換の頻度が下がり、防爆エリアや高所などの危険な場所での作業やライフサイクルコストの低減に貢献します。

    Sushi Sensor 無線通信モジュール「XS110A」(上部)と圧力測定モジュール「XS530」(下部)
    Sushi Sensor 無線通信モジュール「XS110A」(上部)と圧力測定モジュール「XS530」(下部)
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  3. 操業改善の活動やアプリケーションでもデータを活用可能に
     Sushi Sensorで収集されたデータは設備保全だけでなく、生産効率向上や品質改善などに活用することが可能です。例えば、原料の品質と設備の健全性が製品の品質に深く関わっているプロセス産業では、それらのデータをAI(Artificial Intelligence:人工知能)で解析することでこれまでに発見されなかった新たな相関関係や重要な評価指標を特定することが可能になり、品質トラブルの低減や生産力の維持・向上に役立たせることができます。

主な市場

  • 石油、石油化学、化学、鉄鋼、食品、薬品、紙パルプ、ガスなどのプラント

用途

  • プラントなどの設備の状態監視
  • 素材の漏れ監視

産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」

 通信機能と振動、温度、圧力センサ機能を備えた小型無線センサのデータをオンプレミスのサーバもしくはクラウド上に保管し、AIや機械学習を使った設備異常の予兆検知を可能にするソリューションです。プラント保全やエネルギー管理に貢献する、新たな価値を創出します。
 産業用IoT(Industrial IoT: IIoT)の分野では、センサ、クラウド環境、データ分析を行うアプリケーションソフトなどが複数のベンダーによって提供、構築されるのが一般的です。当社は、これらを一括で提供するベンダーとして、無線センサ、無線ネットワーク機器で構成する無線ソリューション「Sushi Sensor」に加え、クラウド環境も提供しています。

OpreXとは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control 、OpreX Measurement 、OpreX Execution 、OpreX Lifecycle の5つのカテゴリーから成り立ち、産業用IoT向け無線ソリューション「Sushi Sensor」は、OpreX Transformationのソリューションの一つであるOpreX Asset Management and Integrityに属します。OpreX Transformationは、企業活動全体を俯瞰し、生産からサプライチェーン、リスク管理や経営までの領域を含む卓越したオペレーションを実現する包括的ソリューションを意味します。
 YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。

以上

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