2021年4月5日発表
横河計測株式会社(本社:東京都八王子市 代表取締役社長:山崎 正晴)は、世界最高クラスの電力測定精度を持つプレシジョンパワーアナライザ「WT5000」の機能を拡張し、外部電流センサー入力専用の「760903 電流センサーエレメント」を開発、4月6日に発売しますのでお知らせします。
当社は、本製品の発売により、持続可能な社会の実現に向け、電気自動車(EV)、再生可能エネルギー関連機器の性能向上と効率的な開発・評価を追求するお客様に最適なソリューションを提案し、電力測定分野でのビジネス拡大を図ります。
左から「760903 電流センサーエレメント」、プレシジョンパワーアナライザ「WT5000」
開発の背景
持続可能な社会の実現のため、2030年に実現すべき持続可能な開発目標(SDGs)に向けた取り組みが世界中で活発化しています。EVおよびその充電システム、太陽光発電や風力発電向けなどの再生可能エネルギー関連機器の開発が加速しています。これらの自動車や再生可能エネルギー関連機器は省電力化と高効率化が常に要求されるため、製品開発では消費電力測定や電力利用効率の評価を正確に行いたいというニーズがあります。
こうした評価においては、高精度な電力計に大電流を直接入力して測定することができないため、大電流を小電流に変換する外部電流センサーとそのセンサー用外部電源が必要でした。
当社の「WT5000」は、2018年10月に発売して以来、世界最高クラスの精度を持つ電力測定器(交流(50/60Hz)の電力基本確度±0.03%)として世界各国のお客様に広く活用されています。今回当社は、大電流を扱う機器の電力測定を精度良く、より効率的に測定したいというお客様の要望と最先端の技術開発に取り組むお客様の要望に応える機能を開発しました。
製品の特長
- 大電流を扱う機器の電力測定に最適
「WT5000」の入力エレメントとして、従来の電流直接入力が可能なエレメント760901(最大30A)、760902(最大5A)に加え、大電流を小電流に変換する外部電流センサー入力専用の「760903 電流センサーエレメント」を新たに開発しました。センサー用電源供給機能を搭載しているため外部電源が不要になり、評価システムの構成がシンプルになります。外部電流センサーとして、当社のAC/DC電流センサー「CTシリーズ」を利用すると、最大2000Armsの大電流測定が可能です。
また、専用ケーブル(3m/5m/10m)を用いることで、厳しいノイズ環境でも高精度に測定ができるようになります。特に、外部電流センサーを用いた測定では、センサー入力出力間に存在する位相差で測定精度に影響をする場合がありましたが、「WT5000」に搭載されている補正機能により、より一層高精度な電力測定が可能になります。
左から「760903」を装着したプレシジョンパワーアナライザ「WT5000」(背面)、AC/DC電流センサー「CTシリーズ」
主な市場
- 電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV/PHEV)、燃料電池車などの自動車メーカおよびその車載電池や充電器関連の機器メーカ
- 太陽光発電、風力発電、水力発電など再生可能エネルギー関連の機器メーカ
用途
製品設計や最終試験における、消費電力の測定や電力利用効率の評価試験
電力測定器分野における当社の取り組み
YOKOGAWAは、1970年から電子式電力測定器の開発・販売を始めた、この分野における先駆的メーカです。現在では、世界の高精度な電力測定器市場でトップクラスの地位(2021年3月現在 当社調べ)を確立し、お客様の製品開発や生産現場における消費電力測定、電力変換の効率測定などを通じて省エネルギー化への取り組みを支援しています。プレシジョンパワーアナライザ「WT5000」はフラッグシップ製品で、2019年、英国のCIE誌が主催するElectronics Industry Awardsで「Power Product of the Year」を、同国のElectronics Weekly誌が主催するElektra Awards で「Test Product of the Year」を受賞するなど業界でも高く評価され、省エネルギー化に取り組む世界各地のお客様に採用されています。
以上
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