2021年5月11日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、社会共通の課題の解決によって持続的な成長を実現するために、長期経営構想を抜本的に見直し、また2023 年度を最終年度とする中期経営計画「Accelerate Growth(アクセラレート グロウス)2023」を策定しましたのでお知らせします。
当社は2018年度に中期経営計画「Transformation 2020」を発表し、既存事業の成長と収益性向上、新事業創出による新たな成長分野の確立、それらを支える事業基盤の最適化による生産性の向上など、さまざまな変革に取り組んできました。新しい中期経営計画「Accelerate Growth 2023」では、社会共通課題を軸とした事業構造を確立し、社会や環境への貢献を拡大しながら成長を目指します。
1.長期経営構想
当社は2015年度の中期経営計画「Transformation 2017」策定時に、10年先のありたい姿とその実現に向けた考え方を長期経営構想として定め、「Transformation 2017」の次の中期経営計画「Transformation 2020」策定時に、一部内容を見直しました。今回の中期経営計画「Accelerate Growth 2023」の策定にあたっては、改めて10年後に考えられる大きな環境変化を鑑み、社会共通価値の提供を通じた持続的な成長を目指すために抜本的な見直しを行いました。
<Vision statement>
10年後のYOKOGAWAのありたい姿を端的に表現したVision statementを以下に変更しました。
YOKOGAWAは、自律と共生によって持続的な価値を創造し、
社会課題の解決をリードしていきます。
<お客様への提供価値>
世界は今、あらゆるものが複雑につながり合う時代となっています。運用や管理に独立性のあるシステムが連携し、単独では実現できない目的をシステム全体として実現する「System of Systems(SoS)」が進む世界において、当社は、効果的な「つながり」を進め、統合化・自律化・デジタル化による「全体最適」の価値を生み出していきます。当社は「IA2IA※1」と「Smart Manufacturing※2」によるアプローチでこれを実現し、社会全体が「SoS」となる世界をリードするインテグレーターになることを目指します。
(※1)IA2IA(Industrial Automation to Industrial Autonomy)
ロボティックスやブロックチェーンなどのDXトレンドを取り込み、Industrial Automation(自動)からIndustrial Autonomy(自律)へと進化させる活動です。
(※2)Smart Manufacturing
DXやIA2IAによって生産現場、エンタープライズ、およびサプライチェーンにおける自律を実現し、革新的な生産性向上を達成することです。
<事業セグメント>
事業環境の変化を踏まえ、YOKOGAWAが磨き上げてきた技術・ノウハウや強みを生かせる事業領域を成長させていくために、従来の製品・機能別組織から業種軸の組織に再編し、ビジネス拡大とソリューションビジネスへの転換のスピードアップを図ります。
- エネルギー&サステナビリティ
多様化するエネルギーの生産・供給・利用・廃棄・リサイクルのバリューチェーン全体にわたり安全かつ最適な運用を支えます。 - マテリアル
素材産業のお客様との強固な関係を生かして変革に貢献するとともに、環境対策、エネルギーマネジメント、開発・生産へのデジタル技術活用などの強みを生かし、快適さとサステナビリティを両立させる社会を支えていきます。また、自らがマテリアルを生産し市場を開拓する事業にも展開していきます。 - ライフ
人々の命と健康を守る医薬、誰もが安心して口にできる安全な水と食料の供給に貢献します。前中期経営計画で医薬品・食品産業のバリューチェーン全体の生産性向上に寄与するために立ち上げた、ライフイノベーション事業の取り組みを強化していきます。
測定器事業、新事業他(amnimo、航機事業など)は、製品や商流の特性などから、独立した事業運営を維持する必要があるためセグメントを分けていますが、10年後の提供価値についての方向性は共有します。
2.中期経営計画「Accelerate Growth 2023」
長期経営構想で定めた10年後のありたい姿を実現するために、2023年までの3年間で取り組むべきこととして、4つの基本戦略とその重点施策を策定しました。それぞれの基本戦略の概要は以下のとおりです。
「Accelerate Growth 2023」の4つの基本戦略
拡大
- IA2IA/Smart Manufacturingの実行と存在価値の変革
IA2IAの構想を実行フェーズに移行します。また、Smart Manufacturingの鍵となる上位系基幹システムビジネスのグローバル展開を図ります。 - 業種対応力の強化と非業種依存のビジネス拡大
変わりゆくエネルギー産業のお客様に新しい価値を提供しつつ、多種多様なお客様に価値を提供します。 - 収益性の確保と健全な成長
販管費率の改善など健全な収益構造に向けて、一層の改善を図ります。 - 社内オペレーションの最適化とマインドセットの変革
グループ構造や機能の最適化と変革に向けた社員一人ひとりの能力向上を図ります。
3.経営目標と財務戦略
- 中期経営計画「Accelerate Growth 2023」で目指す経営目標
中長期的視点での企業価値及び株主価値の最大化を基本方針とし、1株当たり純利益(EPS)成長、営業キャッシュフローの創出、自己資本利益率(ROE)の向上を目指すべき指標とします指標 目標値 受注高成長 8~10%/年 売上高成長 4~6%/年 1株当たり純利益(EPS)成長 16~18%/年 営業利益率(ROS) 10%(2023年度) 自己資本利益率(ROE) 10%以上(2023年度) 営業キャッシュフロー 1,400億円以上(3年間累計) - 資本政策・財務戦略
「Accelerate Growth 2023」では、持続的な企業価値およびTotal Shareholders Return(TSR)の向上を実現するために、成長を支える財務基盤の維持、成長投資、株主還元への最適なキャッシュフロー配分を行いながら、将来的かつ累積的なキャッシュフロー創出力を強化していきます。- 資本性成長投資(戦略投資)枠を3年間累計で700億円とします。リスク総量、自己資本増減、およびリスク投資実行に伴うリスク量の増加想定を織り込んだ上で最適資本構成を維持します。
- 株主還元方針(利益処分に関する基本方針)は、中長期的な企業価値向上の最大化に向けた投資に優先的に配分していくものの、一定の財務基盤の確保を前提に、積極的な配当による株主還元の向上を図るものです。配当性向による期間利益の一定比率を還元する考え方に加え、株主資本配当率を踏まえた安定的な配当の維持の考え方を維持します。
- 非財務目標
当社が社会に価値を提供し続けるためには、ESG(環境・社会・ガバナンス)の3つの視点で経営を行うことが大前提であり、長期経営構想ではこの点を重視しています。「Environment」と「Social」の2つについては、当社のサステナビリティ目標「Three goals」の達成に向けて、「サステナビリティ中期目標」を設定し、「Accelerate Growth 2023」の取り組みと連携させて進めていきます。
4.Yokogawa's Purpose
今回の長期経営構想の見直しと中期経営計画の策定にあたり、改めて企業としての存在意義(パーパス)を問い直し、「Yokogawa’s Purpose」を制定しました。これは、お客様や社会にとっての当社の存在意義を端的に表現したものです。
<Yokogawa's Purpose>
測る力とつなぐ力で、地球の未来に責任を果たす。
YOKOGAWAの原点である「測る力」と、情報や組織、産業を結び付けて価値を生み出してきたYOKOGAWAの「つなぐ力」は、今後も決して失うことのないコアコンピタンスです。その力を今日の社会課題の解決に生かし、人と地球が共生する未来をかなえるという強い思いを込めています。
YOKOGAWAの長期経営構想、中期経営計画の全体像
拡大
以上
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