2021年7月26日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、千葉県市原市五井地区のコンビナートにおけるカーボンニュートラルの実現に向けて、同地区の異業種の複数の事業所の協力を得て産業間連携調査を開始しましたのでお知らせします。複数の事業所のエネルギーバランスや排出される二酸化炭素(CO2)の回収・再利用等について現状調査を行い、産業間連携によるカーボンリサイクル事業の実現の可能性を調査するもので、2050年の同地区におけるコンビナート全体でのCO2排出量実質ゼロを目指します。本調査は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)受託事業※として行われます。
産業間連携を活用したカーボンリサイクル事業のイメージ
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国際社会の気候変動への取り組みとして、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定では、今世紀後半までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることが合意されました。国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、2070年の排出量実質ゼロを達成するためには、産業活動や発電により排出されるCO2や大気中のCO2を分離・回収し、回収したCO2を資源として有効利用もしくは地中に貯留するCCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)が、世界のCO2累積削減量の約15%を担うとされています。日本は、2050年のカーボンニュートラルを宣言し、経済産業省により2020年12月に発表された「グリーン成長戦略」では、カーボンリサイクルは重要分野の一つとされ、官民連携によるイノベーションの推進が掲げられています。
横河電機は、NEDOが公募した「コンビナート等における産業間連携を活用したカーボンリサイクル事業の実現可能性調査」のうち「千葉県五井地区産業間連携調査」を2021年2月に受託し、五井地区およびその周辺地域でCO2排出量の多い事業所への本調査への協力要請や、CCUS技術の調査などを行ってきました。2021年7月からは、同地区およびその周辺地域の異業種の事業所群の協力を得て、コンビナート全体の物質とエネルギーの有効利用、CO2回収・有価物転換、水素マネジメントの3つを軸としたカーボンリサイクル事業の実現可能性調査を行います。
本調査では、子会社である横河ソリューションサービス株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:八橋 弘昌)、KBC Advanced Technologies Limited(本社:英国ウォルトン・オン・テムズCEO:上原 茂義)とともに、当社グループのノウハウを結集して取り組みます。具体的には、国内外の様々なコンビナートの製造領域で培ってきたプロセス知識、単独事業所のプロセス改善やエネルギー効率改善および異業種連携に関するコンサルティングノウハウ、地域レベルでの需給制御を可能にするバーチャル・パワー・プラント技術、需給に応じた最適制御を可能とする地域エネルギー・マネジメント・システム、最適な生産計画の実行を支援するシミュレーション技術などを活用します。
横河電機は、本調査に協力頂くパートナー会社との業種を超えた連携により、コミュニティ全体でのCO2排出量実質ゼロの実現に取り組み、当社の2050年に向けたサステナビリティ目標「Three goals」の達成およびカーボンニュートラルな社会への貢献を目指します。
【注釈】
※ NEDO受託事業
事 業 名:カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/コンビナート等における産業間連携を活用したカーボンリサイクル事業の実現可能性調査/千葉県五井地区産業間連携調査
事業期間:2020年度~2022年度
事業概要:https://www.nedo.go.jp/koubo/EV3_100222.html
以上
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