2021年12月15日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ Control Improvement Softwareのラインアップとして、バッチプロセス※1向けに基本処 方※2の管理および構築を支援する「OpreX Integrated Recipe Manager(統合処方マネージャ)」を開発、国内販売を2021年12月16日に開始しますのでお知らせします。
機能性化学・医薬品・食品業種で採用されているバッチプラントにおける多品種生産の効率化と品質の均一化に貢献します。
開発の背景
近年、機能性化学・医薬品・食品業種のバッチプラントでは製品のライフサイクルが短く、かつ市場への投入スピードが重視される傾向があり、頻繁に処方の変更が必要になっています。合理的な設計には、既存設備の活用が必要となりますが、既設のモデルを適切に管理できないとその運用が煩雑になります。
当社は、このような課題の解決に向け、作図用のツールや再利用可能なテンプレートモジュールを用いて基本処方を統合管理できるエンジニアリング環境として統合処方マネージャを開発しました。バッチプロセス制御に関する国際標準規格「ANSI/ISA-88.01」にも準拠しており、多くのバッチプロセスの多品種生産効率化と品質の均一化に貢献します。
新製品の特長
- 製品の市場投入までの時間を短縮化
統合処方マネージャの導入により、バッチプラントにおけるバッチ制御とバッチ管理の両方で扱われる基本処方の統合管理が可能となります。お客様は新製品向けの基本処方を簡単に構築できるようになり、市場投入までの時間を短縮することが可能となります。
基本処方はバッチ制御システムとバッチ管理システムの両方で扱われるものの、これまでは別々に管理されていました。近年のバッチプラントでは多品種生産が求められることから基本処方の変更が多く発生する傾向があり、このようなシステムでは基本処方の構築と管理が複雑化するといった課題がありました。統合処方マネージャは、基本処方の統合管理によりこの課題を解消することで作業工数を削減し、市場への製品の投入スピード向上に貢献します。 - 要求仕様の早期作成を支援
バッチプロセスのハードウェアの構成が確定する前に、モデル図から単位シーケンス※3を設計することで要求仕様の早期作成が可能です。
統合処方マネージャでは、ハードウェアの構成とは切り離して単位シーケンスを設計することができます。選択式のユーザーインターフェースを利用することで、単位シーケンスのアクションをプログラミングせずに作成可能です。またプレイバック機能により、お客様はYOKOGAWAのエンジニアと共同で動作を確認しながらバッチシステムを構築することができます。要求仕様の作成は負荷の高い作業ですが、このような手順により効率よく作成を進めることが可能となります。
統合処方マネージャのバッチプロセス作成イメージ
拡大
- バッチシステム構築の効率と品質を向上
統合処方マネージャは、再利用可能なモジュールのテンプレートを構築する機能を提供します。バッチシステムの構築では、類似のプロセスの設計を何度も行う場合がありますが、一度構築したモジュールを再利用することでバッチシステムの品質の均一化、および構築作業時間の短縮が可能となります。
※1 バッチプロセス:
同一設備や装置を使用し、多品種の製品を扱う製造工程。品種ごとに、複数ある原料などの移送経路(マルチパス)の変更やレシピ切り替え、工程組替えなどが必要です。
※2 基本処方:
プラントのバッチプロセス作成イメージを元に製造する上で使用する装置の種類や手順を定義したもの。具体的には処方の情報を管理するヘッダ情報、原料の種類と量などを定義するフォーミュラ、使用する装置の種類を定義した設備要件、実行手順で構成されています。
※3 単位シーケンス:
バッチプロセスを実行するための一単位の手順です。例えば、洗浄、冷却、移送、攪拌(かくはん)などの手順の事を指します。
OpreXとは
OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control、OpreX Measurement、OpreX Execution、OpreX Lifecycleの5つのカテゴリーから成り立ち、OpreX Integrated Recipe Manager はOpreX Control の製品・ソリューション群の一つであるOpreX Control Improvement Softwareに属しています。OpreX Controlは、お客様の経営、操業、業務の変革に迅速に対応し、高効率、高品質、安全で安定した操業基盤を支える高信頼の制御テクノロジーを意味します。
主な市場
機能性化学・医薬品・食品業種などのバッチプラント、製造業全般
用途
- バッチシステムにおける基本処方の統合管理
- バッチシステムの処方のエンジニアリング
- バッチシステムの単位シーケンスの設計
以上
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本件に関するお問い合わせ
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横河電機株式会社 デジタルソリューション本部 システム事業センター 国内システム営業推進部 - 本プレスリリースに関するお問い合わせ先
横河電機株式会社 コミュニケーション統括センター 広報課