2022年11月30日発表
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、子会社のヨコガワ・オーストラリア(本社:シドニー 社長:ラッセル・パルマ―)が、Technip Energies(テクニップ・エナジーズ)からオーストラリア最大の商用グリーン水素プロジェクトの初期フェーズでの統合制御システムサプライヤーに選定され、グリーン水素プロジェクト「ユリ」の同システムを受注しましたのでお知らせします。
グリーン水素プロジェクト「ユリ」の完成予想図
手前がYPF社の既存アンモニアプラント (提供:エンジ―)
グリーン水素プロジェクト「ユリ」は、仏電力大手Engie S.A.社の100%子会社であるEngie Renewable Australia(エンジ―・リニューアブル・オーストラリア社)と三井物産株式会社が出資する豪州事業会社、Yuri Operations Pty Ltd(ユリ・オペレーションズ社)が運営します。EPCC(設計・調達・建設・試運転)を手掛けるテクニップ・エナジーズとオーストラリア大手建設会社のMonford Group(モンフォード・グループ)のコンソーシアムは、再生可能エネルギーである18メガワットの太陽光発電設備と8メガワットの定置用蓄電池システム(BESS:Battery Energy Storage System)を利用して、水素を製造する10メガワットの電解槽を西オーストラリア ピルバラに建設します。これにより、生産過程でもCO2を排出しないグリーン水素が年間最大640トン作られます。隣接する、大手窒素系肥料メーカーであるYara International ASA社の100%子会社であるYara Pilbara Fertiliser Pty Ltd社(ヤラ・ピルバラ・ファ―ティライザー社、以下「YPF社」)の既存アンモニア製造プラントの原料となり、グリーンアンモニア※1が製造されることになります。グリーン水素からアンモニアを生産するのはオーストラリアで初の試みとなります。操業開始は2024年を予定しています。
ヨコガワ・オーストラリアはこのプロジェクト向けに、統合情報サーバ(Collaborative Information Server : CI Server)を中核とする統合制御システムを構築します。本プラントでも、多様な設備が組み合わされますが、さまざまな通信規格に対応している統合情報サーバは、各設備が扱う大量のデータを集約し一元管理を実現することで、操業の迅速な意思決定を支援します。また、将来の生産拡大にも対応する拡張性と、YPF社のアンモニアプラントとのデータ統合も可能とする点も、評価されました。また、当地で長年にわたり、さまざまな産業に最先端のソリューションを提供してきた実績をもつヨコガワ・オーストラリアが、パースに置くヨコガワ・テクニカル・エクセレンスセンターから提供する技術サポートとエンジニアリングサービスも選定のポイントとなりました。
横河電機執行役員 エネルギー&サステナビリティ事業本部長 中岡 興志は次のように述べています。「今回テクニップとパートナー企業とこのようなプロジェクトに参加できることを誇りに思います。ビジネス環境の大きな変化の中で、多くの企業が既存事業の転換や、これまでになかったパートナーとの連携を通じて価値を産み出そうとしています。そのために、プラント間のみならず会社間での操業データ統合も求められています。YOKOGAWAはSystem of Systemsの実現を通じて、本プロジェクトでもその価値を提供します。水素やアンモニアといった新しいエネルギーに対しても、コアコンピタンスである測る力とつなぐ力を生かして、その普及に貢献していきます」。
※1 再生可能エネルギーを用い、CO2を排出しない方法で生成されたグリーン水素と窒素を合成して製造するアンモニア。
以上
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