ライフ事業は、人々の命を支え、健康と安全を守る事業です。YOKOGAWAは、2050年に向けて目指す社会の姿をサステナビリティ目標「Three goals」として掲げています。本事業は、Three goalsのうちWell-being(すべての人の豊かな生活)にフォーカスした事業です。
持続可能な開発目標(SDGs)の「目標3. すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-being)」では、あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進することが掲げられています。しかし、世界的に人口の増加と高齢化が進む今、食料・水はもとより、医薬品の重要性が増しています。一方、将来にわたってすべての人に必要な医療と安全な食料・水を安定的に供給することは困難であると見込まれています。
このような環境のなか、食品業界では、消費者から求められる高い品質を満たすため、安全・安心の取り組みを強化するとともに、生産性向上によるコスト低減に向けた取り組みを進めています。水の分野では、安定供給のための水源開発や漏水の防止を含む配水管理、環境を守るための排水処理の改善に加え、地域や国ごとに異なる水に関する課題に取り組んでいます。人々が健康な生活を営む上で欠かせない医薬品の分野では、従来の化学合成による医薬品に加え、生物由来の原料から生産し、薬効が高く副作用が少ないバイオ医薬品の開発・生産が拡大するとともに、病気の予防や診断・治療に生かすために、ゲノム解析・編集、細胞培養加工などのバイオテクノロジーの研究が日々進化しています。
事業概要
ライフ事業は人々の命を支え、健康と安全を守る事業です。YOKOGAWAは、医薬品、医療に加え、誰もが安心して口にできる安全な水と食料の供給に貢献します。長年培ってきたセンシングや制御の技術で新製品の創出や生産プロセスの革新を支え、医薬品、食品分野のバリューチェーン全体の生産性向上を目指します。水分野では、遺伝子解析や科学機器で培った計測技術を用い、新しい価値を創出していきます。
本事業は、「ライフサイエンス」、「バイオプロセス」、「医薬生産」、「食品生産」、および「水」の5つのビジネス領域で事業を展開しています。ライフサイエンス領域では、生きた細胞の観察を可能にする共焦点スキャナユニットの納入累積台数は3,000を超え、顕微鏡と組み合わせてグローバルに使用されています。バイオプロセスや医薬食品生産の領域では、現場から経営まで幅広く支援するソリューションを、水の領域では、上下水道向け監視制御システムを、ともに日本国内を中心に提供して経験・知見を蓄積してきました。本事業では、これらを生かし、2030年度に向けた本事業の目指す姿として「私たちは世界に先駆け“Bio Industrial Autonomy (BIA)”を実現し笑顔で暮らせる社会の発展に貢献し続けます」を掲げてビジネスを展開しています。BIAの実現で、バイオ分野のバリューチェーンにおいても人間が関与する作業は最小限化され、オペレータや研究者はより高度なレベルの研究や生産現場の最適化に専念できるようになります。
目指す姿の実現に向けて、必要な技術や販路、製品・サービス、人財獲得のために、M&Aやアライアンス活動を積極的に展開しています。YOKOGAWAは、バイオプロセス分野向けにソフトウェアの開発やサービスを提供しているインシリコ バイオテクノロジー社(Insilico Biotechnology AG)の全株式の取得をはじめ、細胞の代謝や機能変化に影響を与える糖鎖の人工合成において、先進的な技術で世界をリードする株式会社糖鎖工学研究所、さらには医薬品原薬・中間体の連続生産技術の開発並びに同技術を用いた開発製造受託事業のPharmira株式会社への出資も行いました。ライフ事業は、YOKOGAWAの強みである計測・制御・情報の技術や知見と、M&Aやアライアンス活動を通して得た新しい技術・サービスを応用して、実行可能なソリューションとして提案し、お客様の新たな知の探究やイノベーションを支援します。
課題解決型ソリューション「1細胞解析ソリューション」
YOKOGAWAは、課題の可視化や最適化を実現することで、お客様がスピードと柔軟性を持った経営を実現できるよう支援し、お客様の価値創出に貢献しています。
個々の細胞を個別に解析する1細胞解析は、がん研究・免疫学研究等の分野において、病気の原因や病気の状態などを解明する新たな解析方法として、創薬研究や個別化医療、再生医療の分野に貢献できると期待されています。しかし、従来の解析手法では細胞にダメージを与えたり、狙った細胞に薬品などを正確に注入できないなどの課題がありました。YOKOGAWAの1細胞解析ソリューション「Single Cellome」 は、細胞へのダメージを抑えながら、特定の細胞の目標箇所へ外来物質を直接注入したり、特定の細胞や1細胞内の成分を正確に採取(サンプリング)します。YOKOGAWAは、生きた状態での1細胞解析を可能にするソリューションの提供を通じて、新たな治療法や医薬品開発に貢献します。
1細胞解析ソリューション「Single Cellome」
左 Single Cellome System SS2000
右 Single Cellome Unit SU10
医薬品の量産化に向けたYOKOGAWAの支援
ライフ事業では、創薬研究分野に、ライブセルイメージングの共焦点スキャナや細胞の培養プロセスの安定化と効率化のためのバイオ抗体薬ソリューションを提供してきました。医薬業界では、ラボラトリーでの研究を終えると、量産に向けたプロセス開発に入り、生産へ移行します。YOKOGAWAは、40年以上にわたり幅広い産業のお客様のプラントとともに成長し、技術・製品・知見を蓄積してきました。バイオの世界でもYOKOGAWAのエンジニアリングテクノロジーを生かすことで、製品の市場投入期間の短縮に貢献したいと考えています。特に、需要が拡大しているバイオ医薬品は、細胞培養工程は複雑で、大量生産が難しいという課題があります。YOKOGAWAは、国内で実績を重ねた医薬品生産系ソリューションと、ヨコガワ・インシリコ・バイオテクノロジー社(Yokogawa Insilico Biotechnology GmbH)のバイオプロセス向けデジタルツイン技術により、プロセス開発期間の短縮と品質を確保したバイオ医薬品の効率的な大量生産の実現に貢献していきます。
Well-beingな社会実現に向けて
YOKOGAWAは、2050年に向けて目指す社会の姿をサステナビリティ目標「Three goals」として掲げています。ライフ事業は、Three goalsのうちWell-being(すべての人の豊かな生活)にフォーカスした事業であり、人々の命と健康を守る医薬、誰もが安心して口にできる安全な水と食料の供給に貢献していきます。YOKOGAWAは、Well-beingな社会実現を目指し、人々の幸せなくらし、社会、地球の未来に責任を果たしていきます。
詳細
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医薬品
変化の激しい現代では、今迄以上に経営判断には、スピードと正確性が求められています。
医薬品業界においても、ICT技術を活用したパラダイムシフト(QbD、連続生産)が起き、そうした潮流の中で如何に情報をキャッチアップしていくかが企業の課題です。
YOKOGAWAは、原薬・製剤・バイオ領域への1000を超えるシステムの導入実績を礎に、これからも医薬品産業の更なる発展に貢献して行きます。 -
食品
食品製造業の皆様は、「食の安心・安全の確保」と「コストダウン」の両立といった従来の課題に加え、感染症や省力化への対応などに取り組まれていることと思います。
YOKOGAWAは、お客様が抱える課題に寄り添い、お客様の運用に適した工場のあるべき姿をご提案していくことで、働きやすい現場づくりを支援いたします。
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