安全・安定操業や事故防止のためのアラームシステムの構築・運用・維持によってプラントの安全性を高めます。
近年、石油コンビナートなどの事業所で、非定常運転に関する不十分なリスク対策に起因する重大事故が発生しています。同様な事故を防ぐことを目指して、経済産業省などの報告書では、異常反応等の早期通知の実現や熟練運転員の技能継承に向けた暗黙知の見える化のために有効なアラームマネージメントの導入を検討することが提言されています。
アラームマネージメントとは、有効的なアラームシステムの構築・運用・維持を目的として、下図の10個のステージを繰り返し実施する活動です。大きく5つのフェーズに分かれています。
- DCSなどのアラームの定義・設定方法・使い方などに関する各種活動を明確にする(方針決定)
- 決定したアラーム方針に基づき、個別のアラームの有無や優先度を決定する(アラーム設計)
- 設計したアラームを利用して運転員にプラント状況の視認性を伝える(アラーム運用)
- 発生したアラーム状況を測定し、不要なアラームの削減など検討する(アラーム評価)
- アラームに関する設定変更を管理を実施し、アラームの健全性を維持する(アラーム管理)
「アラームマネージメント構築支援サービス」は、お客様の具体的な装置やプロセスを対象にしたワークショップ活動を通して、お客様のアラームマネージメントに関する各種取り組みや課題の解決をご支援するサービスです。
詳細
お客様の課題
- アラームマネージメントを導入するために、製造、計装、生産技、安全など関係者の理解を深めたい
- 自主保安スーパー認定事業所※を目指して、アラームマネージメントを導入したいが、海外ガイドラインにはどのようにするか (HOW)?が書かれておらず進め方がわからない
- アラームに関する方針を作成したいが、何を決めれば良いかわからない
- 既存のアラームを優先度分けしたいが、分け方がわからない
- CAMS for HIS を使ってみたい。効果的な使い方を教えて欲しい
- 自分の装置のアラームの状況を第三者の観点で評価してほしい
- 運転員による不用意なアラーム設定変更を監視・管理したい
※ 認定のための要件の一つとして「IoT、ビッグデータ等の新技術の導入などの先進的な取組を行っている事業所」があり、アラームマネージメントは新技術の一つに記載されている。
YOKOGAWAのソリューション(サービス実施事例)
A社様のご要望は、自主保安認定更新を目指してアラームマネージメントを導入すると共に、重要なアラームを見逃さないようにするためにアラームを優先度付けしたいということでした。
YOKOGAWA では、アラームマネージメント導入のために必要な事業所内共通のアラーム方針作成と、アラーム優先度決定ワークフローの作成をご支援しました。また、実際のアラーム精査活動を支援するためにお客様とワークショップ活動を実施し、さらに、その後のアラームシステムの維持・向上の取り組みに向けてのロードマップを作成しました。
アラームマネージメント構築支援サービスの利点
- アラーム方針を作成することで、これまで部署毎にバラバラだったアラームに関するルールや設定について、事業所内での意識の共有が図れた。
- アラームの重要度付けが実施され、重要度に応じたメリハリのついた運転が可能になった。また、優先度の低いアラームをサプレスすることで、緊急時のアラーム洪水の緩和が可能になった
- 個々のアラームの意味や対応操作が明確になり、運転員の誤認識や誤操作を防ぐと共に、これまで無関心だったアラームに関する意識が高まり、さらに改善していきたいという要望も出た
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