横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

e-RT3について

製造装置の開発において、装置の制御の要となるコントローラの選択、特に開発時のコントローラのセットアップにかかる時間的・人的リソースはなるべく最小限に抑えることが理想です。しかし、PLCからソフトウェア資産の活用に向けたLinuxを導入し、汎用言語を採用したコントローラを用いた従来の開発環境はセットアップに時間がかかり、かつ限られた専門知識を持つ人材しか対応できないというのが現状でした。

e-RT3 Plusは、これらの課題解決に特化した、PLCの枠を超えた装置コントローラです。ユーザビリティに焦点を当て、誰でも簡単にLinux開発が可能な環境を提供します。e-RT3 Plusにより、装置のセットアップにかかる時間を大幅に削減し、お客様の開発効率向上に貢献します。

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Linux搭載により開発までのリードタイムを短縮

Linux搭載により開発までのリードタイムを短縮

通常のLinux開発環境では、OSやオープンソースソフトウェア(OSS)の選定からはじまり、インストールまでの手間がかかりますが、e-RT3 PlusにはLinuxシステムやオープンソースソフトウェア(OSS)があらかじめ搭載されています。これにより、従来のコントローラと比較してセットアップにかかる時間が大幅に短縮され、お客様の手元に届いてからすぐにアプリケーション開発をスタートすることができます。

 

属人性を回避し、誰でもLinux開発が可能に

 

属人性を回避し、誰でもLinux開発が可能に

通常のLinux開発環境では、OSやオープンソースソフトウェア(OSS)の選定・インストールに専門知識が必要でしたが、e-RT3 Plusでは事前にセットアップされたOSのイメージファイルが用意されており、専門的な知識不要で誰でもLinux開発が可能です。さらに、e-RT3 PlusはWindowsでのアプリケーション構築ができる環境も用意しており、Windows環境しかお持ちでないお客様でも開発が可能です。

 

PLCライクなLinuxコントローラ設定で簡単メンテナンス

 

PLCライクなLinuxコントローラ設定で簡単メンテナンス

当社独自のWebメンテナンスツールにより、PLCライクにLinuxコントローラの環境設定ができ、面倒で複雑な設定も簡単です。コマンド入力が不要なため、Windowsユーザでも容易に操作ができるのが特長です。

また、このツールはCPU本体にプリインストールされており、Webブラウザを使ってターゲットと接続するだけで、マウス操作で各種設定を変更、確認ができます。さらに、無線LAN(Wi-Fi)の環境を利用すれば、ワイヤレスでタブレットやスマートフォンからも簡単にアクセス可能です。

 

装置の差別化・競争力向上に貢献

オリジナルモジュール開発

お客様の独自のノウハウを組み込んだカスタムI/Oモジュールを開発できます。これにより、高速処理など独自の拡張機能を実現し、生産能力をあげることが可能です。それに加え自社のノウハウをコントローラに実装することで、自社オリジナルコントローラを構築できます。装置コントローラの差別化により、製造装置の競争力向上に貢献します。

 

一般的なLinuxコントローラとe-RT3 Plusの比較表

  一般的なLinuxコントローラ e-RT3 Plus
環境構築 OSやオープンソースソフトウェア(OSS)を選定、インストールして初めてセットアップが完了する LinuxシステムとOSSが既に準備されているので、選定作業が不要で、手元に届いてからすぐに開発をスタートできる
属人性

OSやOSSの選定・インストールには専門的な知識が必要

既にハードウェアに最適化されたOSイメージが準備されているので専門的な知識は不要
OSの縛り LinuxならLinuxでしか開発できない Windows環境でもLinux環境でも開発できる
メンテナンス性 デバイスのモニタリングや設定、マニュアル表示に専用のツールやプログラムが必要 搭載されているWebメンテナンスツールを使い、Webブラウザ上で環境設定や変更、確認が可能
カスタマイズ性 独自モジュールの政策について言及がないものが多い 専用ロジックを組み込んだカスタムI/Oモジュールが開発可能
用途 生産現場で使用 外部I/OやOSSの組み合わせでインフラ現場などでも活用可能

 

詳細

e-RT3 Plusは、「Accessible」「Visible」「Applicable」の観点でユーザビリティを強化し、お客様の開発効率向上に貢献するPLCの枠を超えた装置コントローラです。e-RT3 Plusの特長の詳細をお伝えします。

1. 届いてすぐにLinux開発をスタート

お客様が即座にアプリケーション開発を始められるよう、Linuxシステムの構築作業をあらかじめ済ませてから製品(OSイメージ)をお届けします。通常は、搭載するOSやオープンソースソフトウェア(OSS)の選定から始めなければいけませんが、e-RT3 Plusの場合はお客様が各種ソフトウェアの組み合わせ環境設定等のセットアップ作業に無駄な手間をかける必要がなく、すぐに開発をスタートできます。

また、e-RT3 Plusには90種類以上のオープンソースソフトウェア(OSS)がインストールされており、お客様自身でゼロからソフトウェアを探す必要はありません。これにより、開発に費やす時間が大幅に短縮され、効率的な開発環境の構築が可能です。

アプリが起動しない、オープンソースソフトウェア(OSS)の追加方法がわからない、といった不明点があれば、テクニカルサポート(※)もご用意しています。
※テクニカルサポートは有料です。

 

2. 開発者の負担を軽減す「Webメンテナンスツール」

一般的には、デバイス値のモニタリングなどに専用のプログラムを作成する必要がありますが、e-RT3 Plusには「Webメンテナンスツール」が標準でプリインストールされており、このツールから環境設定を変更できます。

モニタリングだけでなく、CPUモジュールのIPアドレス、日付・時刻などの設定、各デバイスのコンフィギュレーション設定といったアプリケーションのセットアップが大幅に簡略化されます。

Webブラウザを使ってターゲットに接続するだけで、マウス操作でのコンフィギュレーションやI/Oのモニタリングが可能です。コマンド入力が不要なので、Linuxの専門知識がないWindowsユーザでも手軽にかつ短時間で設定できます。

また、SDメモリカードに格納したPDFマニュアルを埋め込みオブジェクトとして表示することが可能です。

 

3. 実装密度やパフォーマンスを向上できる独自モジュール開発

e-RT3 Plusでは、お客様は専用のI/Oモジュールを自由に開発でき、独自のノウハウを形にしてお客様固有の機能を追加することが可能です。これにより、実装密度とパフォーマンスが向上し、お客様独自のコントローラが構築でき、製造装置(お客様の製品)の競争力が高まります。これまでに数多くのお客様がI/Oオープンの仕組みを使って専用モジュールを開発されており、自社のノウハウを搭載したオリジナルコントローラが実現できます。

なお、ASIC、ケース、コネクタなど、モジュール開発に必要な特殊部品は横河電機が提供しますので、お客様はプリント基板を設計するだけです。

独自モジュールの実績例一覧

実績例一覧
・省配線システム ・氷蓄熱システム ・小電力発電システム
・位置センサ入力システム ・自動販売機 ・ビル空調システム
・半導体製造装置
(チラー制御、洗浄機、ハンドラなど)
・マウンタ、インサータ ・発電機制御システム
・成形機コントローラ ・F/V変換モジュール
・電子秤量システム ・洗車機 ・ガバナ制御
・電子加速器 ・音響通信システム ・AGV

この他にも数々の実績がございます。

 

4. 外部インタフェースやOSSの組み合わせでPLCの枠を超えたコントローラに

e-RT3 Plusでは、外部インタフェースやオープンソースソフトウェア(OSS)の組み合わせによって多様な外部機器との接続や大量データの管理・保存が可能です。これにより、組込み製造装置はもちろん、工場から産業・社会インフラまでアプリケーション領域を拡大できます。

例えば、生産管理システムのゲートウェイコントローラとして使用することで、堅牢な脱PC・脱Windowsシステムを構築したり、プリインストールされているオープンソースソフトウェア(OSS)を活用してWebサーバとして使用することで、リアルタイム遠隔監視システムを構築することができます。用途とオープンソースソフトウェア(OSS)の組み合わせ例を表に示しています。

ロガー モニタリング プロセス制御
  • Clean water system
  • Fluid measurement system
  • Energy management
  • Environment monitoring system
  • Operating management
インライン計測 インテリジェントゲートウェイ マシンコントロール
  • Bearings
  • Engine test bench
  • Motor and Inverter test bench
  • Wind farm
  • Smart grid
  • Micro grid
  • Cell controller (management)
  • Semiconductor Production Equipment
  • Robots
  • Cutting Tools
  • Machine Tools
  • Molding Machines
  • Bearing etc.

 

5. 装置にマッチしたコントロールを実現できる小型サイズ

e-RT3 Plusは、面積比サイズでコンパクトPCI(3U)の2分の1、VME(ダブル・ハイト)の4分の1という小型サイズです。同一サイズのモジュールを追加するだけのシンプル設計で、製造装置内および制御盤内に十分な余裕を残して実装することができ、全体の構成をコンパクトにまとめることができます。

活用事例

エッジコンピューティングを活用した設備の予兆監視

エッジコンピューティングを活用した設備予兆監視ソリューション

装置の中に診断ロジックを組み込んだエッジコントローラ(e-RT3 Plus)を装着し、そこで解析処理を行うことで装置が自身の状態を判断し、整備が必要な時には自分で申告することができるようになります。 既設設備に少し手を加えるだけで異常診断できる仕組みを構築できるため、インフラ投資を抑える・・・続きを読む

検査の自動化とデータの有効活用 ~設計や保守への応用~ 

検査の自動化とデータの有効活用

検査工程において、計画~運転~解析の作業を自動化することで効率的に検査業務を行ったり、検査に関する情報をクラウドで共有することで、さまざまな場面で検査データを活用することができます。例えば、次製品の開発のバックデータとして活用したり、不具合発生時のトレーサビリティ・・・続きを読む


生産管理ゲートウェイへの活用

生産管理ゲートウェイへの活用

e-RT3 Plusを生産管理システムなどのゲートウェイコントローラ(セルコントローラ)として使用することができます。
e-RT3 Plusをゲートウェイとして使用することで、脱PC・脱Windowsの堅牢なシステムを構築できます。e-RT3 Plusをクライアントとし、Microsoft SQL Serverにダイレクトに接続できますので、各設備の製造データを上位の生産管理用サーバ・・・続きを読む

Webサーバによる遠隔監視システム

Webサーバによる遠隔監視システム

e-RT3 Plusにプリインストールされている"Apache2"(OSS)を使えば、e-RT3 PlusをWebサーバとして使うことができます。Webアプリケーションを作成してe-RT3 Plusに組込めば、Ethernet接続しているPCのブラウザからWebアプリにアクセスできます。例えば、各設備のトレンドデータをWeb上に表示するアプリを作成すれば、温度や圧力などのリアルタイムデータを・・・続きを読む


PLCでCAN通信

PLCでCAN通信

e-RT3のCANインタフェースモジュールを使用すると、プロトコル変換器を介さずにCANインタフェースを持つ機器と直接接続することが可能です。自動車のモータ、インバータや二次電池の性能・耐久試験を行うための評価システムの構築が容易になり、お客様の開発スピード向上に貢献します。・・・続きを読む

その他アプリケーション事例

FA-M3/e-RT3 アプリケーション事例集

FA-M3/e-RT3 アプリケーション事例集
製造工程管理コントローラ(セルコントローラ)、分類機/テーピング装置(インデックステーブル)、ベアリング検査設備、エネルギー監視システム、フィルム工程一括制御、溶剤回収設備制御システム等
→ ダウンロード

 

仕様

製品仕様の詳細はこちらよりご確認お願いいたします。
Linux対応CPUモジュール(F3RP71-□□)仕様書ダウンロード

規格認定/適合モジュール

規格認定・適合情報につきましては、ページ下部のドキュメント&ダウンロードよりご確認ください。

ドキュメントタイトル ドキュメント番号
FA-M3/e-RT3 規格認定/適合モジュール一覧 GS 34M06C11-21

安全・設置に関する一般事項につきましては、ページ下部のドキュメント&ダウンロードよりご確認ください。

ドキュメントタイトル ドキュメント番号
ハードウェア取扱説明書 IM34M06C11-01

e-RT3の交換周期

e-RT3の推奨交換周期

10年(設計上の耐用年数)

有寿命部品使用モジュールの推奨交換周期

  • アルミ電解コンデンサ使用モジュール
  • リレー使用モジュール
    ​​​​
  • 一部のフォトカプラ使用モジュール
  • 内蔵電池推奨交換周期

 

8年
電気的寿命 10万回
機械的寿命 2,000万回
5年 ※高温環境(約45℃以上)で使用する場合
:【F3RP7*】5年~10年(目安)

故障時の症状と現象

部品種類 アルミ電解コンデンサ リレー フォトカプラ 内蔵電池
耐用年数
(動作回数)
8年 10万回 5年(高温使用時) 【F3RP7*】5年~10年(目安)
症状 容量減少/電解液漏れ 接点部接触不良 動作不良 電池寿命
現象 誤動作/システムダウン 信号誤確認 通信異常/AD変換異常など CPUモジュールの「BAT LED」点灯
使用モジュール 電源モジュール
アナログモジュール
温調モジュール
位置決めモジュール
電源モジュール
リレー出力モジュール
FAリンクモジュール
FAリンクHモジュール
高速カウンタモジュール
アナログ入力モジュール
温調モニタモジュール
温度調節・PIDモジュール
RTOS-CPUモジュール*1
交換方法 モジュール毎の交換 電池交換*2

*1 : 電池交換が可能なモジュールはRTOS-CPUモジュール(F3RP7□シリーズ)のみです。
シーケンスCPUモジュールの電池交換はできません。モジュール単位での交換となります。
*2 : 電池交換方法はRTOS-CPUの取扱説明書を参照ください。

注意

「推奨交換周期」とは、有寿命部品に対する予防保全を実施する推奨時期であり、保証期間ではありません。
「推奨交換周期」は、あくまで目安であり、使用状態によって異なります。

 

有寿命部品使用モジュール一覧

アルミ電解コンデンサ使用モジュール

推奨交換周期 8年
使用モジュール 電源 F3PU01-0N, F3PU10-0N, F3PU10-0S, F3PU16-0N, F3PU20-0N, F3PU20-0S,
F3PU26-0N, F3PU30-0N, F3PU30-0S, F3PU36-0N, F3PU36-0S
F3SP05-0P, F3SP08-0P, F3SP08-SP (電源+CPU一体型)
アナログ入力 F3AD04-0N, F3AD04-0V, F3AD04-0R,
F3AD08-1N, F3AD08-1V, F3AD08-4V, F3AD08-1R
アナログ出力 F3DA02-0N, F3DA04-1N, F3DA08-5N
温度調節・モニタ F3CT04-0N, F3CT04-1N, F3CR04-0N, F3CR04-1N
PID制御 F3CV04-1N
位置決め F3NC51-0N, F3NC52-0N, F3NC61-0N

※一部商品が販売終了となっています。販売終了品情報は「FA-M3 / e-RT3 販売終了品一覧(TI34M06Z40-01)」でご確認ください。

リレー使用モジュール

電気的寿命 10万回
機械的寿命 2,000万回
使用モジュール 電源 F3PU01-0N, F3PU10-0N, F3PU10-0S, F3PU16-0N, F3PU20-0N, F3PU20-0S, F3PU26-0N, F3PU30-0N, F3PU30-0S, F3PU36-0N, F3PU36-0S
F3SP05-0P, F3SP08-0P, F3SP08-SP (電源+CPU一体型)
リレー接点出力 F3YC08-0N, F3YC08-0C, F3YC16-0N

※一部商品が販売終了となっています。販売終了品情報は「FA-M3 / e-RT3 販売終了品一覧(TI34M06Z40-01)」でご確認ください。

フォトカプラ使用モジュール

推奨交換周期 5年(高温環境(45℃以上)で使用する場合)
使用モジュール FAリンク F3LP01-0N
FAリンクH F3LP02-0N
高速カウンタ F3XP01-0H, F3XP02-0H
アナログ入力 F3AD04-0N, F3AD04-0V, F3AD04-0R,
F3AD08-1N, F3AD08-1V, F3AD08-4V, F3AD08-1R
温度モニタ F3CX04-0N
温度調節・PID F3CU04-0N, F3CU04-1N

※一部商品が販売終了となっています。販売終了品情報は「FA-M3 / e-RT3 販売終了品一覧(TI34M06Z40-01)」でご確認ください。

内蔵電池使用モジュール

推奨交換周期 F3RP7* 5年~10年(目安)
使用モジュール RTOS-CPU F3RP70-2L, F3RP71-1R, F3RP71-2L

旧商品販売終了について

FA-M3/e-RT3は、新しいコンセプトのもと毎年高機能な新商品を発売し、お客様にご提供してまいりました。しかしながら、FA-M3/e-RT3も発売以来、20年以上経過し、従来の電子部品の入手が困難になり、さらには各種規格指令対応により、今後さらなる電子部品の生産中止が予想されております。

これまで生産中止部品を多数在庫するなど、お客様への安定継続販売と保守サービスに努めてまいりましたが、在庫部品も残り少なくなり、今後の生産体制維持、品質確保、および保守サービスが困難な状況になっておりますことから、FA-M3/e-RT3の一部旧商品を販売終了とさせていただきます。

誠に恐縮ではございますが、代替設計等の準備をご計画いただきたくお願い申し上げます。

 

販売終了商品一覧

FA-M3/e-RT3 販売終了商品につきましては、ページ下部のドキュメント&ダウンロードよりご確認ください。

ドキュメントタイトル ドキュメント番号
FA-M3/e-RT3 販売終了品一覧 TI34M06Z40-01

 

e-RT3製品メーカ保証について

横河電機株式会社(以下当社)製e-RT3のメーカ保証(以下本保証といいます。)の内容について以下の通りご説明いたします。なお、お客様が購入されたe-RT3の保証内容は下記と異なる場合もございますので、お客様の保証内容の詳細およびその他ご使用上の条件などにつきましては、当社営業窓口または販売店に別途ご確認をいただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。

1. 保証対象

1.1 保証対象となるもの

本保証の対象は、当社が製造販売するe-RT3の各種モジュール、ケーブル、コネクタ、端子台などハードウェア製品(標準ハードウェア製品およびカスタムハードウェア製品)とします。
ここでいう、「標準ハードウェア製品」とは、当社が製造者であることが表示され、当社のカタログ、または一般仕様書(“General Specifications”以下GSといいます。)に記載されている製品をいいます。
また、「カスタムハードウェア製品」とは、お客様と当社との協議により当社が作成した機能仕様書に基づき当社が製作するハードウェア製品で、当社の商標が表示される製品をいいます。

1.2 保証対象とならないもの

標準ハードウェア製品およびカスタムハードウェア製品の補用品につきましては本保証の対象外とさせていただきます。
さらに、当社または当社が委託した者以外による改造、修理、調整または部品交換された当社製品も本保証の対象外とさせていただきます。
その他、下記「4. 製品使用時の注意事項」に照らして本保証の対象外とさせていただく場合があります。

2. 標準ハードウェア製品の保証

2.1 保証期間

標準ハードウェア製品の保証期間は、お客様指定場所への納入の時から12ヶ月、もしくは当社の製造日から18ヶ月のうちいずれか早く到来したときまでとさせていただきます。
なお、e-RT3の製造日は、主銘板上の製造日(DATE)により特定されます。
ただし、2001年11月以前の製造品(製造日(DATE)の記載が無い場合)につきましては、シリアル番号(NO.)により以下のとおり特定されます。

例)シリアル番号:H0J230045の場合

先頭1文字(H) 製造工場コード
次1文字(0) 製造年コード(西暦下一桁)
次1文字(J) 製造月コード(A=1月、B=2月、…、H=8月、J=9月、…、M=12月 なお、Iは欠番)
次2文字(23) 製造日コード(1~31)
以下の文字 製造データ

シリアル番号:H0J230045は、H工場で2000年9月23日に製造されたことを示します。

2.2 保証内容

保証期間内に当社の責による故障が生じた場合には、2.3項の定めに従い、製品を引取り無償で交換させていただきます。
ただし、保証期間内であっても、次の事由に起因する故障の場合は、有償とさせていただきます。
(1) 主銘板が消失、汚損したことにより、シリアル番号などの製造情報が判別できない場合
(2) お客様、または当社以外の者による不適当な取扱いまたは使用による場合
(3) 取扱説明書に記載されている設計仕様、設置条件を超えた過酷な環境下における取扱い、保管若しくは使用の場合(結露等)
(4) 火災、風水害、地震、落雷その他天災事変、公害、煙害、ガス害、異常電圧等の不可抗力事由による場合
(5) 指定外の電源使用や接続している他の機器による場合等、その他外部要因による場合
(6) 部品若しくは消耗品の自然減耗または費消による場合(ケーブル、コネクタ、EEPROMなどの書替寿命があるメモリ素子、有接点リレー類)
(7) その他当社の責任とみなされない故障の場合

2.3 保証期間内の対応

保証期間内に当社責任による故障が生じた場合には、その旨を遅滞なくお申し出いただくことにより、以下のとおり対処させていただきます。
(1) 故障現品を故障症状、お客様にて故障と判断された事象などと共に、ご購入いただきました当社営業窓口または販売店までお申し付けください。無償で製品を引取り交換させていただきます。
この時、故障現品は必ず当社にご返却くださるようお願いいたします。なお、この場合でも、交換品の保証期間は、故障前の保証期間を超えることなく、引き取り前の故障現品の保証期間と同一になります。
(2) 故障の原因調査、および調査報告書作成は、原則としてお受け致しかねます。特にご要求のある場合は、その実施の可否を含め別途協議させていただきます。なお、これにより原因調査等を行う場合は、別途有償とさせていただきます。
(3) ご返却品が調査の結果、良品であった場合、またはお客様の責任による製品の故障の場合には、その修理若しくは作業にかかった費用は、別途有償とさせていただきます。

2.4 当社以外の製造者が製造した機器

当社以外の製造者が製造した機器の保証期間、保証範囲は、本保証の規定にかかわらず、その機器の製造者または供給者が定める条件によるものとします。

3. カスタムハードウェア製品の保証

標準ハードウェア製品と同一の保証条件を適用させていただきます。ただし、保証サービスの履行のためにお客様による予備品のご購入を条件とさせていただくことがあります。

4. 製品使用時の注意事項

(1) 当社製品および当社製品で制御するシステムの保護・安全のため、当社製品を取り扱う際は、当社が別途有償にてご提供いたします製品の取扱説明書を必ず入手いただき、その安全に関する指示事項その他の注意事項に従ってください。なお、これらの指示事項に反する扱いをされた場合には、当社製品の保護機能が損なわれる等、その機能が十分に発揮されない場合があり、この場合、当社は一切、製品の品質・性能・機能および安全性を保証いたしません。
(2) 当社製品および当社製品で制御するシステムでの落雷防止装置や機器などの、当社製品や制御システムに対する保護・安全回路の設置、または当社製品や制御システムを使用するプロセス、ラインのフールプルーフ設計やフェールセーフ設計その他の保護・安全回路の設計および設置の場合は、お客様の判断で、適切に実施され、また当社製品以外の機器で実現するなど別途検討いただき、また用意するようお願いいたします。
(3) 当社製品の部品や消耗品を交換する場合は、必ず当社の指定品を使用してください。
(4) 当社製品は原子力および放射線関連機器、鉄道施設、航空機器、舶用機器、航空施設、医療機器などの人身に直接かかわるような状況下で使用されることを目的として設計、製造されたものではありません。人身に直接かかわる安全性を要求されるシステムに適用する場合には、お客様の責任において、当社製品以外の機器・装置をもって人身に対する安全性を確保するシステムの構築をお願いいたします。

e-RT3のトレーニング講座は、横河電機トレーニングセンターで行っています。
日程・開催場所の詳細・お申込み等につきましては下記ページをご覧ください。

 

e-RT3 Plus入門

e-RT3 Plus(F3RP71)の入門コースです。
コンベア制御をはじめとした簡単なプログラムをC言語で作成する実習を通して、F3RP71の機能、使い方などを学んでいただけます。
また、プリインストールされているOSSを使いプログラムを作成することで、従来の装置制御の枠を超えたアプリケーション開発の可能性を体感していただけます。 

東京会場への申し込み
大阪会場への申し込み

関連情報

概要:

2015年の梶田博士のノーベル賞受賞で注目が集る素粒子物理学。2008年には小林博士、益川博士がノーベル賞を受賞しています。そのとき実証実験が行われたのが高エネルギー加速器研究機構のKEKBという施設です。
物質を構成する基本粒子クォークが6種類あれば「CP対象性の破れ」が説明できる、という小林益川理論の実証に貢献しました。この施設では20年以上も前から横河のPLCを採用いただいています。

概要:

装置の中に診断ロジックを組み込んだエッジコントローラ(e-RT3 Plus)を装着し、そこで解析処理を行うことで装置が自身の状態を判断し、整備が必要な時には自分で申告することができるようになります。
既設設備に少し手を加えるだけで異常診断できる仕組みを構築できるため、インフラ投資を抑えることができます。

概要:

e-RT3 Plusにプリインストールされている"Apache2"(OSS)を使えば、e-RT3 PlusをWebサーバとして使うことができます。
Webアプリケーションを作成してe-RT3 Plusに組込めば、Ethernet接続しているPCのブラウザからWebアプリにアクセスできます。

例えば、各設備のトレンドデータをWeb上に表示するアプリを作成すれば、温度や圧力などのリアルタイムデータを遠隔監視できます。設定値を超えたらアラームを出したり、あるデータの時系列変化を見て設備の劣化診断を行ったり、といった使い方ができます。

概要:

e-RT3 Plusを生産管理システムなどのゲートウェイコントローラ(セルコントローラ)として使用することができます。
e-RT3 Plusをゲートウェイとして使用することで、脱PC・脱Windowsの堅牢なシステムを構築できます。

アプリケーションノート
概要:

e-RT3のCANインタフェースモジュールを使用すると、プロトコル変換器を介さずにCANインタフェースを持つ機器と直接接続することが可能です。自動車のモータ、インバータや二次電池の性能・耐久試験を行うための評価システムの構築が容易になり、お客様の開発スピード向上に貢献します。

ドキュメント&ダウンロード

本件に関する詳細などは下記よりお問い合わせください

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