横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

統合処方マネージャ

統合処方マネージャとは?

バッチシステムにおける基本処方の統合管理

近年、機能性化学・医薬品・食品業種のバッチプラントでは製品のライフサイクルが短く、かつ市場への投入スピードが重視される傾向があり、頻繁に処方の変更が必要になっています。合理的な設計には、既存設備の活用が必要となりますが、既設のモデルを適切に管理できないとその運用が煩雑になります。

統合処方マネージャは、このような課題を解決するために、作図用のツールや再利用可能なテンプレートモジュールを用いて基本処方を統合管理できるエンジニアリング環境です。バッチプロセス(*1)制御に関する国際標準規格「ANSI/ISA-88.01」に準拠しており、多くのバッチプロセスの多品種生産効率化と品質の均一化に貢献します。

統合処方マネージャの特長

1. 製品の市場投入までの時間を短縮化

バッチプラントにおけるバッチ制御とバッチ管理の両方で扱われる「基本処方」(*2)の統合管理が可能となり、お客様は新製品向けの基本処方を簡単に構築できます。 通常、基本処方はバッチ制御システムとバッチ管理システムの両方で扱われますが、これまでは別々に管理されていました。近年のバッチプラントでは多品種生産が求められ、基本処方の変更が多く発生する傾向があり、このようなシステムでは基本処方の構築と管理が複雑化するといった課題がありました。統合処方マネージャは、基本処方の統合管理によりこの課題を解消することで作業工数を削減し、市場への製品の投入スピード向上に貢献します。

2. 要求仕様の早期作成を支援

バッチプロセスのハードウェアの構成が確定する前に、モデル図から単位シーケンス(*3)を設計することで要求仕様の早期作成が可能です。 統合処方マネージャでは、ハードウェアの構成とは切り離して単位シーケンスを設計できます。選択式のユーザーインターフェースを利用することで、単位シーケンスのアクションをプログラミングせずに作成可能です。またプレイバック機能により、お客様はYOKOGAWAのエンジニアと共同で動作を確認しながらバッチシステムを構築できます。要求仕様の作成は負荷の高い作業ですが、このような手順により効率よく作成を進めることが可能となります。

3. バッチシステム構築の効率と品質を向上

統合処方マネージャは、再利用可能なモジュールのテンプレートを構築する機能を提供します。バッチシステムの構築では、類似のプロセスの設計を何度も行う場合があり、一度構築したモジュールを再利用することでバッチシステムの品質の均一化、および構築作業時間の短縮が可能となります。

Batch system image

統合処方マネージャの導入により、生産上の課題を解決

設計とエンジニアリングから実際の運用、変更、さらには拡張に至るまで、プラントのライフサイクル全体にわたってサポートします。

  • 設計とエンジニアリングの段階で、直感的な設計環境、ペーパーレスのエンジニアリング手法、再利用可能なアプリケーション、およびノウハウへのアクセスを提供し、コストの削減とシステム全体の実装作業の最小化に貢献します。
  • 変更およびプラント拡張フェーズでは、直感的な設計環境を使用し、再利用可能で実績のあるモジュールを利用することで、エンジニアリング作業を大幅に削減します。

バッチシステムで成功するための重要な3つのポイント

費用対効果

効率的なプラント/プロセスの設計、実装、および運用を可能にして、費用対効果を向上させます。

市場投入時間の短縮

市場投入までの時間を短縮して新製品をより早く提供し、製品ライフサイクルを短縮するという要件に対応します。

生産品質の向上

周囲の状況が変化している場合でも、生産品質を向上させます。


(*1) バッチプロセス:同一設備や装置を使用し、多品種の製品を扱う製造工程。品種ごとに、複数ある原料などの移送経路(マルチパス)の変更やレシピ切り替え、工程組替えなどが必要です。

(*2) 基本処方:プラントのバッチプロセス作成イメージを元に製造する上で使用する装置の種類や手順を定義したもの。具体的には処方の情報を管理するヘッダ情報、原料の種類と量などを定義するフォーミュラ、使用する装置の種類を定義した設備要件、実行手順を定義したプロシジャで構成されています。

(*3) 単位シーケンス:バッチプロセスを実行するための一単位の手順です。例えば、洗浄、冷却、移送、攪拌(かくはん)などの手順の事を指します。

 


About OpreX

OpreXは、YOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を集約した、制御事業の包括ブランドで、カテゴリーとその配下のファミリーから構成されています。本製品はOpreX Control配下のOpreX Control Improvement Softwareに属します。

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