「WEBFREX NV(ウェブフレックス エヌブイ)」は、50年以上の“厚さ測定と制御”技術開発と、2000システム以上の納入実績を背景に誕生したシート・フィルム装置向けのオンライン測定/制御/品質・生産管理システムです。シート・フィルムの厚さをオンラインで正確に測定し、厚さ分布グラフ(プロファイル)を表示するとともに、厚さが均一になるよう自動制御するシステムです。
多様なセンサラインナップ
幅広い物質を対象とするβ線式、金属系に感度の高いX線式、放射線を使わない赤外線式、そして多層フィルムの各層を同時測定可能な多層膜厚計をラインナップし、アプリケーションに最適なセンサの選択が可能です。サンプルテストのご依頼は随時ご相談ください。
実績豊富な制御機能
シートの流れ方向、幅方向に対し、測定データを元に制御演算を行います。多様なプロセスに対して実績があり、お客様の生産ラインに最適な制御方式をご提案させていただきます。導入をご検討の際は随時ご相談ください。
ネットワーク化されたシステム
WEBFREX NVは、複数の生産ラインの情報を統合することが可能です。複数ラインを一括管理することにより、生産効率を向上させることができます。お客様ご用意の上位情報系、品質・生産管理系、制御系の接続には汎用性・オープン性の高いEthernetを使用しており、容易に上位システムと接続できます。
アップグレード対応
前機種WEBFREX3からの部分的なアップグレードにより、システムを最新の状態に保ち継続的にお使いいただくことができます。WEBFREX II 以前のシステムにつきましてはご相談ください。システムのバージョンにより改造内容が異なりますので、詳細は次の「お問い合わせ」からご相談ください。
About OpreX
OpreXは、YOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を集約した、制御事業の包括ブランドで、カテゴリーとその配下のファミリーから構成されています。本製品はOpreX Control配下のOpreX Quality Control Systemに属します。
詳細
フレーム
フレームはセンサを搭載しフィルム・シート上を走査(SCAN)させる駆動装置です。センサの性能を100%発揮するため、フレームには高い剛性と高性能な駆動機構が要求されます。
高剛性・高耐久設計
筐体には、高剛性 I 形鋼やモノコック構造を採用し、高剛性・高耐久性を実現し、厳しい設置環境においても、搭載するセンサの性能を最大限に発揮し測定することを可能としています。
高性能インテリジェンス
自社開発の専用インテリジェンスCPUで高性能・高信頼性を実現しています。
多彩なラインナップ
測定対象や設置スペースにより、最適な選択ができるように多彩なフレーム形状をラインナップしています。様々な製造ラインの設置スペースに合わせ、これら以外のフレーム形状にも柔軟に対応できます。
O形フレーム
測定幅の広いアプリケーション向けのフレームです。複数のセンサを搭載することもできます。
C形フレーム
セラミックやシート端測定など設置スペースが小さく測定幅が短いアプリケーションに最適なフレームです。複数のセンサを搭載することもできます。
測定オペレータステーション
測定オペレータステーションには最も汎用性のあるWindowsを採用しています。プリンタなどの周辺機器との接続も容易です。
直感的な操作性、快適な操業オペレーション
フレーム・センサの状態や測定したプロファイルデータなどの画面をお客様が使いやすいように自由に組み合わせて表示できる操業画面、多種多様な銘柄管理や帳票管理のための操業管理画面、操作・設定がわからない時に各画面からボタンひとつで展開できるオンラインガイダンス画面など、操業・監視に必要な機能を凝縮し、使いやすさを追求した画面を用意しています。
品質・生産管理機能の一体化
従来はユーザご用意の専用PC上で動作していたプロファイルスタックサーバ機能を、測定オペレータステーションに同時搭載できるようになりました。
大規模システムにおいては、従来通りお客様ご用意の専用PCの導入も可能です。
長期保守可能な専用PCの採用
測定オペレータステーションに採用したPCは、メーカと契約した当社専用モデルです。市販品の同等機種と比べて供給期間が2倍程度になり、長期にわたって安心の保守対応が受けられます。
センサ
β線、X線、赤外線、可視光を用いた4種類のセンサから、測定対象に合わせて最適なセンサを選択することができます。いずれも非接触センサで測定対象を傷つけることなく高精度で連続測定します。
測定範囲
- β線式検出器(0~5000 g/m2@アルミニウム)
- X線式検出器 (0~1200 g/m2@アルミニウム)
- 赤外線式検出器(10~2000 μm@PP)
- 光学式塗工・多層膜厚計 (0.5~200 μm@ガラス基板上の酸化アルミニウム蒸着サンプル)
β線式検出器
測定物に放射線源から放出される放射線を照射し、測定物を透過させる時に減衰した放射線の量から厚さ(坪量)を測定します。β線式検出器は測定できる厚さ範囲であれば測定物を選ばず測定できます。
測定対象に最適な線源を選択
放射線源には147Pm(プロメシウム)、85Kr(クリプトン)、および90Sr(ストロンチウム)を用意しており、測定物により選択します。
高精度測定
透過方式のセンサは原理上、測定物の測定と同時に空気層も測定しますが、空気層の影響をキャンセルするために、空気層温度による補正機能・空気層の温度や密度を常に一定にするエアパージ機構を装備しています。また、放射線源の減衰を自動で補正する機能、放射線の統計ノイズを抑える演算処理機能など多彩な機能で常に安定した高精度測定をします。
X線式検出器
測定物にX線管から放出されるX線を照射し、測定物を透過させる時に減衰したX線の量から厚さ(坪量)を測定します。X線式検出器は測定物の原子量により感度が異なり、特に金属系元素に対する感度が高いことから、セラミックシート(MLCCなど)、電池電極などのIT系の素材測定によく用いられています。
安定性と高出力を実現した独自のX線管
X線管には、“優れた安定性”と“大出力”の特徴を兼ね備えたX線式検出器専用の反射式3極管構造を開発し、安定化と高出力化の両方を実現しました。
高精度測定
空気層の影響を最小限に抑える、空気層温度による補正機能・空気層の温度や密度を常に一定にするエアパージ機構を装備しており、常に安定した高精度測定をします。
赤外線式検出器
測定物に赤外線光源からの赤外線を照射し、測定物を透過させる時に減衰した赤外線の量から厚さ(坪量)を測定します。赤外線式検出器はCH基に感度が高く、多くのフィルム・シートに適用できます。
交換不要の光源
赤外線発光部は赤外線式検出器専用の電熱線を採用し、半永久的な寿命を有します。測定物の厚さに感度が高い波長帯フィルタを選択して使用します。
高精度測定
測定物の厚さに感度がある波長帯フィルタの他にも、数種類の波長帯のフィルタを使用することにより、ヘイズ・色・環境温度の変化を最小限に抑え、安定した高精度測定をします。
光学式塗工・多層膜厚計
測定対象の各界面から反射した光を分光し、反射スペクトル周波数を求めることにより、最大で5つの層の厚さを同時に測定します。
光学式塗工・多層膜厚計は、可視光が通過する光学フィルムであれば、各層の膜厚をそれぞれ測定できます。
薄物にも強い
他の透過式センサに比べ、より薄い膜厚測定を得意としています。多層膜厚のみならず、単層薄物の膜厚測定も可能です。
パスライン変動に強い
フィルムが上下に変動するとフィルムから戻ってくる反射光量が増減します。しかし、反射光の干渉縞を周波数変換することで膜厚を測定するので、パスライン変動に強い方式です。
制御
流れ方向(MD)制御、幅方向(CD)制御を行います。無延伸機・二軸延伸機などの製膜装置種類や応答時間の違いなどにより、仮想操作端対応サンプル値PI 制御、エキスパートファジィ制御、有限制定モデル予測制御から最適な制御を選択できます。
その他にもCD 制御中にプロセスの状態を常時監視し、制御端位置とプロファイル位置対応を自動で把握・修正するCD 適応制御、お客様のノウハウを理論化し、局所的なピークをなくすように制御をすることでロール巻き取り姿をフラットにする巻姿制御などを用意しています。
MD制御
「サンプル値PI制御」または「有限整定応答制御」の制御方式を選択できます。測定オペレータステーション1台で、最大4ループ実装できます。
仮想操作端対応サンプル値PI最適化CD制御
実在するボルト上に加え、各ボルトの中間でもプロファイルを作成し、それが平らになるように最適化制御演算を行ないます。これにより、ボルト上のプロファイルのみを制御対象とした従来の操作端対応制御ではしばしば問題になった、ボルト間のプロファイルの山谷の発生を防ぐことができます。(Yokogawa patents)
仮想操作端対応プロファイル制御
エキスパートファジィCD制御
マシン特性を熟知した、熟練オペレータの手動によるボルト操作方法を、ファジイ理論を用いてアルゴリズム化した制御です。ボルト操作によるプロファイル応答の再現性の少ないマシン(主に二軸延伸機)において従来制御に比べて安定性の高い制御を実現します。
サンプル値PI最適化制御と同様に、仮想操作端対応です。
エキスパートファジィルール
有限整定モデル予測CD制御
サンプル値PI制御における有限整定応答法をプロファイル制御に応用した制御です。むだ時間+一次遅れ系の内部モデルを持ち、むだ時間が長いマシンでも、最短時間で目標値に整定させることができます。ラインが非常に長く、むだ時間を持つマシンで効果を発揮します。
有限整定応答
自動マッピング制御(CD適応制御)
マッピングはCD制御で最も重要なパラメータですが、延伸率やマシンスピードなど、操業条件によって変化します。このため、最適な制御を維持するためには、銘柄によってパラメータを切り替えたり、チューニングをやり直す必要がありました。
CD適応制御は、CD制御中にプロセス状態を常時監視して最急下降法とニューラルネットワークを組み合わせた独自のアルゴリズムにより、ヒートボルトなど操作端と、プロファイルの位置対応を自動把握・修正します。
CD適応制御
巻姿制御
ユーザノウハウを理論化し、CD制御に応用しました。極所的なピークをなくすようにCD制御をすることにより巻姿を改善します。
巻姿制御
品質・生産管理
品質・生産管理機能として「プロファイルスタックサーバ」、「3次元プロファイル表示・解析機能」をオプションソフトウェアとして用意しています。製品のプロファイルデータを長期に渡り保存・表示・解析でき、効率的な品質・生産管理が可能となります。
プロファイルスタックサーバ機能
プロファイルスタックサーバ機能は、お客様ご用意の上位PC、または測定オペレータステーション上で動作します。
製膜したフィルム・シートのプロファイルデータをリアルタイムで自動保存できます。長期間のプロファイルデータを保存することができ、出荷後の製品の品質なども容易に確認できます。また、オープン性の高い接続性・データベース構造なので、上位システムでデータ参照・管理しやすいようにデータを加工することが容易にできます。格付け裁断システムと統合することにより、効率的に安定した品質の製品が製造可能となります。
3次元プロファイル表示・解析機能
3次元プロファイル表示・解析機能は、プロファイルスタックサーバで収集したプロファイルデータを3次元で表示・解析できます。クロスカーソルで指定した任意の場所のプロファイルや流れ方向のトレンドを表示することができます。また、特に解析したい場所を拡大して表示することもでき、品質管理・解析に威力を発揮します。
ドキュメント&ダウンロード
カタログ
- オンライン厚さ計 WEBFREX NV (4.3 MB)
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