化学プロセス向け製造管理パッケージ「OpreX Batch MES C1-T1」(以降、本パッケージ)は、YOKOGAWAが持つバッチ製造管理のノウハウをベースに、お客様固有の製造ノウハウや管理ノウハウを簡単に融合できるMESパッケージです。
OpreX Batch MES C1-T1とは
化学プロセス向け製造管理パッケージ「OpreX Batch MES C1-T1」(以降、本パッケージ)は、YOKOGAWAが持つバッチ製造管理のノウハウをベースに、お客様固有の製造ノウハウや管理ノウハウを簡単に融合できるMES(*1)パッケージです。 本パッケージは、お客様の製造ノウハウや管理ノウハウの進化や製造現場に求められる変化に対応して、画面やロジックを修正することができます。
*1:Manufacturing Execution System (製造実行システム)
本パッケージは、機能性化学品工場におけるMES機能です。上位システム(ERP・スケジューラー)が作成した製造計画を受信し、その情報をもとに製造にかかわる指図を作成します。作成した指図を製造部門責任者が承認を行い、担当者が指図に従った製造作業を実施します。作業終了後、指図単位に実績が集計され、責任者が承認を行います。承認された製造実績を上位システム(ERP・スケジューラー)に送信します。
詳細
特長
- 生産プロセスの素早い改善
- 業務管理項目を柔軟に定義できるマスター設計と、お客様特有のビジネスロックをローコードで表現できる仕組みを組み込み、お客様による構築・改修を可能にします。これにより、製造現場に求められる管理や条件の変化やお客様のノウハウである業務プロセス、判断ロジックを素早く組み込めます。
- 生産ノウハウの紐づけと活用
- 不定形データを業務に紐づけて登録し、業務に必要なナレッジや気づきや作業エビデンスの蓄積・表示を行うことができます。事前に蓄積したナレッジデータを作業時の手順確認に活用し、作業時の気づきやエビデンスをその場で保存する等様々なシーンに活用することができます。
従来では運用上の課題が大きかったノウハウや気づきの活用を推進できます。 - 多様な製造パターンへの対応
- これまでにYOKOGAWAが蓄積したバッチ製造管理のノウハウをベースに、お客様固有の多様な製造パターンに対応できます。
- 他システムとのシームレスな連携
- MESを中心に様々なシステム(ERP(*2)、スケジューラー、LIMS(*3)など)とシームレスな連携を行うことで、リアルタイムで確実な状況把握ができます。人手を介さずに情報の連携ができるため、作業者はさらに付加価値の高い業務に専念することができます。
- DCSとの高い親和性
- DCSとのオンライン連携によって、制御パラメーターの設定、実績収集、在庫連携を工程レベルで実現します。
また、DCSの工程進捗状態を監視することによって、秤量などの手動操作のタイミングを自動的に通知することができ、現場作業とスムーズに連携できます。*2: Enterprise Resources Planning(基幹業務システム)
*3: Laboratory Information Management System ( 品質情報管理システム)
機能
OpreX Batch MES C1-T1の主な役割は、機能性化学品におけるMES(製造実行)機能です。上位システム(ERP・スケジューラー)からの製造計画の情報を受信し、その情報を基に製造に関わる指図を作成します。作成された指図に従って作業を実施し、実績を登録します。製造実績は上位システム(ERP・スケジューラー)に送信します。
- スケジュール管理
- MES内で実行される製造業務と秤量業務について、上位システムからの指示とMES内部の指図として管理し、工程計画として各指図間のスケジュール立案・調整を行います。
- 差立て・製造指示管理
- 工程における資源の割当・作業の最適な順序を決定し、作業者に作業指示する機能です。製造指図には、必要な原料および製造品の種類や量、使用する設備、作業者への作業手順などの情報が含まれており、これに基づき製造が実行されるよう支援します。
- 仕様・文書管理
- 処方などの作業に必要な仕様の作成・承認・登録・編集を行う機能です。処方の状態管理による編集・削除等の制御、整合性・影響範囲チェックを行う機能を提供します。
- 監視
- 設備資源の状態を監視し、ステータスを管理する機能です。MES内で実行される製造、秤量、管理する指図に紐づけられた実行処方の工程について、下位制御システムおよび画面からの入力情報をもとに進捗ステータス制御を行います。
- 追跡・体系管理
- ロット、日付などの各種条件で、ロット情報を追跡・遡及することができるデータベース構造となっています。ロットトレーサビリティーや処方・製造記録を用いて類似処方の検索、処方比較を行うための基盤となる機能です。
- プロセス管理
- 製造実行状況を制御監視し、作業者の判断・意思決定を支援する実行支援機能です。秤量・製造プロセスにおいて、それぞれのバッチ指図に対して指図状況のステータスを管理します。また、原材料の在庫調整・切替・追加引当や、設備変更、実績管理の作業を支援します。
- データ収集
- 各種設備から製造記録に必要なデータを収集する機能です。DCSからの実績データの取得や秤量器からの秤量値の取得が可能です。OPCを経由して日次および製造期間で対象となるトレンドデータを取得し、ファイル出力することもできます。
- 品質管理
- 製造プロセスに関する工程品質および原材料・製品などのロットに対する品質管理を行います。工程品質は、製造プロセスにおける工程品質保証のステータス承認によって担保します。ロット品質は、合否判定依頼・判定結果をLIMSと連携することによって担保します。
- 入荷管理
- 上位システムからの入荷計画を取り込み、それらの計画に基づいて原材料ロットラベル発行指示や入荷実績登録などの入荷業務支援を行う機能です。上位システムから受信した入荷計画を在庫情報の未入荷在庫として自動取り込みでき、入荷実績の登録、変更、削除が可能です。上位システムがない場合や上位システム所掌外の入荷の場合に、手動登録することもできます。
- 在庫管理
- 各業務で行われる作業に伴う在庫の計上、在庫の引当、在庫の引落を実施することにより、工場内の在庫を管理します。在庫の数量、保管場所などの管理の他、在庫に紐づく容器、パレットの管理、棚卸業務の支援も行います。
- 移動管理
- 工程計画、プロセス管理、在庫管理からの在庫移動要求に従い、移動指示の生成、移動作業支援を行う機能です。移動作業終了時に場所ラベルのバーコードを読み取ることで、移動した場所が正しいかを確認できます。
- コンテナ管理
- 在庫に紐づくコンテナ(*1)の管理を行う機能です。移動可否、複数ロットの混合可否、コンテナ洗浄等の情報を管理し、在庫やコンテナの保管場所となる棚の管理も行います。
*1:本パッケージでは、容器、パレット、タンクを総称してコンテナと呼称します。 - 共通機能
- 本パッケージで収集したデータを元に他システムでの各種分析を行えるように、必要なマスターファイルやロット情報、製造予定を出力することができます。帳票・ラベルの印刷および履歴保管を行います。また、業務に必要なあらゆるデータをナレッジベースとして本パッケージに登録することで、必要な画面からデータを呼び出すことができます。
導入効果
化学プロセス向け製造管理パッケージOpreX Batch MES C1-T1は、製造現場に求められる変化に対応し、環境変化に対応できる柔軟なものづくりを実現します。
- お客様自身でのMES構築、改修による生産プロセス改善の迅速化
- 業務に必要なナレッジの蓄積によるデータ共有・活用
- DCSからERPまでの垂直統合による作業効率化
- 確実な秤量/投入による作業品質の向上
- 原料、製品ロットと製造情報の紐づけによる迅速な品質要求対応
- 確実に記録された製造時の情報を利用して、業務効率の分析と改善の検討に利用
システム構成
本パッケージはWebアプリケーション型の構成とし、オンプレミスの場合の標準的なシステム構成を以下に示します。クラウド環境は、プライベートクラウド(*1)とVPN(*2)を利用したハイブリッドクラウドで利用可能です。
*1:利用企業用のクラウド環境。
*2:Virtual Private Networkの略。インターネットのような公衆ネットワークをまたぐ複数のプライベートネットワークを、仮想的に統一されたプライベートなネットワークとして構築する技術。
ニュース
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プレスリリース 2024年10月28日 バッチプラント向けの製造管理パッケージ「OpreX Batch MES」を発売
~環境変化に対応できる柔軟なものづくりを実現~
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