横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

赤外線ガス分析計 IR400

赤外線ガス分析計IR400は、試料ガス中のNO、SO2 、CO2、CO、CH4およびO2の濃度測定を行います。NO、SO2、CO2、COおよびCH4は非分散形赤外線吸収方式(NDIR)で、O2は内蔵形磁気式または外付形ジルコニア式で測定し、O2を含めた最大5成分(O2測定以外では最大4成分)の同時測定が可能です。
検出部には、高感度で信頼性の高いマスフロー形ツイン検出器の採用で、干渉成分の影響をほとんど受けません。さらに、大型液晶画面の採用により、操作性の向上、高精度・多機能化をはかっています。
廃棄物焼却炉、ボイラの燃焼排ガスや各種工業炉のガス測定システムの分析部として使用されます。

特長

5成分ガスの同時連続測定が可能

NO、SO2、CO2、CO、CH4の内から4成分およびO2を加えて最大5成分のガス濃度を同時に連続測定ができます。

他のガスの干渉の影響をほとんど受けない

高感度で信頼性の高いマスフロー形ツイン検出器の採用で、他のガスの干渉成分の影響をほとんど受けず安定性に優れています。

豊富な機能を装備

O2換算演算、平均値演算、自動校正・ワンタッチ校正、上下限警報、リモート測定レンジ切換やレンジ識別信号出力など豊富な機能を内蔵しています。

大型LCD表示で操作性向上

19インチラック取付け構造

19インチラックタイプにユニット化し、ガス分析システムの構築が容易にできます。

最大レンジ比

1:25 を実現、さらに指定レンジ範囲内でレンジ設定・変更が自由に行えます。

ドリフト

ゼロドリフト±1%FS/週(200 ppm 以上)を実現しました。

 

アプリケーション

廃棄物焼却炉、ボイラの燃焼排ガスや各種工業炉のガス測定システム

詳細

標準仕様

測定方式 NO、SO2、CO2、CO、CH4 ダブルビーム方式非分散形赤外線吸収法(NDIR)
O2 磁気力式(内蔵)またはジルコニア式(外部設置)
測定成分および測定範囲 成分 最小レンジ 最大レンジ
NO 0-50 ppm 0-5000 ppm
SO2 0-50 ppm 0-10 vol%
CO2 0-20 ppm 0-100 vol%
CO 0-50 ppm 0-100 vol%
CH4 0-200 ppm 0-100 vol%
O2(内蔵磁気式) 0-5 vol% 0-25 vol%
O2(外部設置ジルコニア式) 0-5 vol% 0-25 vol%

 

特性

繰返し性 ±0.5%FS
直線性 ±1%FS
ゼロドリフト ±1%FS/week
スパンドリフト ±2%FS/week
応答時間(90%FS応答) 試料ガスの置換時間を含め、最大60秒以内
(ガス流量0.5 l/min)

関連情報

下図に機種選定フローの概要を示します。 実際の機種選定に際しては、必要とされる測定精度や干渉成分の割合およびアプリケーションに要求される事項などを考慮して選定する必要があります。 <赤外線ガス分析計・機種選定フロー図> ...
測定ガス中に測定成分の吸収波長帯に近い波長帯を持った成分(干渉成分)が入っていると、干渉成分の濃度の変化によって誤差を生じます。そのため、検出器の前に光学フィルタなどを置いて、干渉成分の波長帯をカットして、影響をなくすようにしています。 しかし、測定成分が微量濃度の場合は、上記の方法だけでは影響を取りきれないため、干渉補償検出器を使うなどの方法で干渉の除去を行っています。 下表に上記の対策を行った後の干渉ガスの影響度合を示します。 <干渉ガスの影響> 機種名 ...
計量法について
(an-ir-07-measurement-method)
取引や証明に使用する政令で定められた計量器は、計量法に基づく検定を受け、合格したものでなければなりません。計量法施行令第2条によると、検定の対象となっている特定計量器のうち、環境計量用とされるものは次のとおりです。 騒音計 振動レベル計 ジルコニア式酸素濃度計 溶液導電率式二酸化硫黄濃度計 磁気式酸素濃度計 紫外線式二酸化硫黄濃度計 紫外線式窒素酸化物濃度計 非分散型赤外線式二酸化硫黄濃度計 非分散型赤外線式窒素酸化物濃度計 非分散型赤外線式一酸化炭素濃度計 化学発光式...
多様化している各種用途に対応するため、当社は下記のような製品を用意しています。 IR202形 汎用赤外線ガス分析計 IR400形 赤外線ガス分析計 SG1000形 煙道ガス濃度計 各製品の測定できる成分と測定範囲を下表に示します。 <赤外線ガス分析計の測定成分と測定範囲> 機種名 方式 測定成分 測定範囲 最小レンジ 最大レンジ ...
IR400の設置環境について
(an-ir400-01-installation-env)
IR400 赤外線ガス分析計は、下記のような場所に設置してください。 設置場所:屋内 周囲温度:-5~45℃ 周囲湿度:90%RH以下(ただし、結露しないこと) 振動および直射日光はさけてください ...
サンプリング装置が付かない場合の測定ガスの条件は下記の通りです。 測定ガス温度: 0~50℃ 測定ガス圧力: 10kPa以下(ガス出口側は大気開放のこと) 測定ガス流量: 0.5 L/min ±0.2 L/min ダスト: 0.3μm以下の粒度で100μg/Nm3 ミスト: ないこと 水 分: 2℃飽和以下(結露しないこと) 腐食性ガス: 1 ppm以下 ...
IR400 赤外線ガス分析計の測定成分および測定範囲は、下記の通りです。 CO2 : 最小レンジ 0~20ppm、最大レンジ 0~100vol% CO  : 最小レンジ 0~50ppm、最大レンジ 0~100% CH4 : 最小レンジ 0~200ppm、最大レンジ 0~100vol% SO2 : 最小レンジ 0~50ppm、最大レンジ 0~100vol% NO  : 最小レンジ 0~50ppm、最大レンジ 0~5000ppm O2(内蔵磁気式): 最小レンジ 0~5vol%、最大レンジ 0~2...
IR400の出力信号について
(an-ir400-04-output-signal)
アナログ出力信号は、4~20mA DCまたは0~1V DC非絶縁出力を最大12点まで用意しています。また、アナログ出力は測定値表示に対して1対1で出力します。
校正中は、出力信号を直前の値に保持することができます。なお、表示値はホールドされません。
レンジ切り換えは設定により、手動、自動およびリモートが選択できます。 手動レンジ切り換え: キー操作によりレンジ切り換えを行います。 自動レンジ切り換え: 低レンジの90%FS以上で低レンジから高レンジに切り換えます。 低レンジの80%FS以下で高レンジから低レンジに切り換えます。 リモートレンジ切り換え: 外部信号によりレンジ切り換えを行います。切り換えは成分毎に行います。 レンジ識別: 現在どのレンジが選択されているかを識別するための接点信号を、成分毎に出力することがで...
IR400の接点出力について
(an-ir400-08-contact-output)
1a リレー接点(接点容量250V AC/2A抵抗負荷)で、下記の項目が設定できます。 計器異常 校正異常 レンジ識別(成分毎) 自動校正中 自動校正用電磁弁駆動 ポンプON/OFF ピークカウントアラーム 1c リレー接点(接点容量250V AC/2A抵抗負荷)で、下記の項目が設定できます。 上下限警報(成分毎) 電源断警報 ...
IR400の異常診断について
(an-ir400-09-anomaly-diagnosis)
IR400 赤外線ガス分析計は、自己診断機能によって異常を検出することができます。 下表に、表示されるエラーの種類と要因を示します。 エラー表示 エラー内容 考えられる要因 Error No.1 モータ回転検出信号不良 ・ モータの回転不良または停止 ・ モータ回転検出回路の不良 (注)セクターモータは消耗部品ですので 2 年程度での交換をおすすめします。 Error No.4 ゼロ校正が校正可能範...
IR400の接点入力について
(an-ir400-07-contact-intput)
無電圧接点(ON/0V, OFF/5V DC, ON時電流5mA)で、下記の接点入力ができます。 リモートレンジ切り換え 自動校正リモートスタート リモートホールド 平均値リセット 内部回路とはフォトカプラ絶縁、接点入力間は非絶縁です。 ...
赤外線ガス分析計の校正は、標準ガスを接続して、ゼロ校正およびスパン校正の2点校正を行います。 校正の方法としては、手動校正と自動校正があります。 自動校正の場合は、外部に校正用標準ガスボンベおよびガス流通開閉用電磁弁が必要です。 また、IR202、IR400自動校正とは別の周期でゼロ校正が行える簡易ゼロ校正機能が用意されています。 校正用標準ガスは、下記の濃度のガスを用意してください。 ゼロガス 酸素計がない場合:N2ガス 内蔵磁気式酸素計付きの場合:N2ガス 内蔵磁気式酸素計付きの...
赤外線ガス分析計の校正に必要な標準ガスは、「高圧ガス取締法」の適用を受けます。 「高圧ガス取締法」では、1Mpa以上の高圧ガスを、ガスメーカから購入し再販する場合、販売所毎にその販売所の所在地を管轄する都道府県知事から「高圧ガス販売業」の許可を受けなければなりません。 横河電機(株)本社はこの「高圧ガス販売業」の許可を持っていますが、弊社の支社・支店および営業所はこの販売許可を持っていません。 そのため、校正用標準ガスはお客様が直接ガスメーカから購入していただくことになります。 お客様が...
固定発生源の窒素酸化物(NOx)濃度の排出規制は、下記の演算式による残存酸素濃度を補正した値で行われます。 C :窒素酸化物の換算濃度(ppm) On:基準酸素濃度(%)   (燃焼施設、燃料種類等により決められる値。値は設定で可変:0~19%O2、初期値:12%)     石油燃焼ボイラ:4%     ガス専焼ボイラ:5% 固体燃焼ボイラ、石油加熱炉:6%     コークス炉:7%     ゴミ焼却炉:12% <窒素酸化物濃度の基準酸素濃度換算ブロックダイヤグラム> SO2濃度、...

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