突発的で重大な故障を未然に防ぐ予知保全(予兆保全)ソリューション
人手不足や設備の老朽化が進む製造現場において、「予知保全」のニーズが高まっています。各種センサからのデータ収集によって設備の性能低下や故障を予知し、最適なタイミングでのメンテナンスを実現する予知保全は、安全かつ安定した稼働に欠かせない技術です。
マルチセンシングリモート I/O アナログセンシングユニット VZ20Xは、確かなセンシングによりデジタル化されていない既存設備の状況を見える化。IoTやAIを取り入れることで劣化兆候を捉え、予知保全を促進します。設備トラブルの最小化を図り、生産性向上や設備保全の効率化に貢献します。
VZ20Xはこのようなニーズにお応えします
- 産業機械(生産設備)の点検や交換をタイミング良く行いたい
- いまある産業機械に負担なく、増設や改善を行いたい
- 産業機械のチョコ停や故障(ドカ停)を防ぎたい
【資料ダウンロード】事例にみる長距離の生産ラインでの予知保全
DXが社会的なキーワードになっている現在、「ものづくり」の現場では、生産設備の老朽化や人手不足が顕在化し、ITを活用した業務の変革が急務となっています。本資料では、生産ラインのポンプやマニホールドの保全における「見える化」を事例として、長距離で複雑なの既存生産ラインでの予知保全への対応についてご紹介しています。
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PC|PLCとつないでデータ収集するサンプルプログラムです。
VZ20Xの便利さを体感いただけますので、ぜひお試しください。
製造現場に求められる予知保全(予兆保全)
従来の製造現場では、故障してから保全する「事後保全」や定期的に保全する「予防保全」が行われてきました。しかし、これらの保全方式には「突発的な設備の故障を防げない」「保全業務の手間がかかる」などの課題があり、人手不足が進む製造現場にとって大きな負担となっていました。
そこで注目されているのが、故障の予兆を検知して保全する「予知保全」です。予知保全では、故障の予兆がある設備にのみ保全を行うため、保全業務の工数やコストを大幅に削減できます。また、設備の突然の故障によるダウンタイムを最小化できるため、稼働率の向上が期待できます。
予知保全(予兆保全)を実現するVZ20X
VZ20Xは、さまざまなアナログセンサ信号を高速・高精度・高耐圧で同時測定できる世界最小クラスのセンシングリモートI/Oです。測定データはEthernet経由でモニタリングを行う上位システムに送られ、設備の状況を常時監視します。設備の故障や劣化兆候を素早く捉えることで予知保全を実現し、設備の停止による稼働率や安全性低下の課題を解決します。
About OpreX
OpreXは、YOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を集約した、制御事業の包括ブランドで、カテゴリーとその配下のファミリーから構成されています。本製品はOpreX Measurement配下のOpreX Componentsに属します。
詳細
VZ20X導入のメリット
VZ20Xは予知保全(予兆保全)の実現に最適な機能を備えています。VZ20Xを製造現場に導入するメリットをご紹介します。
劣化兆候のデジタル化で最適なタイミングでの交換・点検を実現
VZ20Xは、複数センサのデータを高速・高精度に同時収集し、設備の劣化兆候の見える化をします。横河電機独自のAIと組み合わせることで、設備異常やその予兆を解析し、早期に発見することが可能です。それにより、設備の状態に合わせて最適なタイミングでメンテナンスを行うCBM(Condition based maintenance=状態基準保全)を実現。点検や部品交換などのメンテナンス工数を削減し、保全業務の省人化・省力化に貢献します。
既存設備への簡単設置で診断データを取得し改善
VZ20Xは世界最小クラスのアナログセンシングユニットであり、高さ×幅は名刺サイズより小さく、重さは200g以下と軽量です。生産設備の隙間にも収まるため、既存設備への増改築を極力抑えることができ、容易にリプレースができます。狭い車両内に設置しての車載用電池の性能評価や、無人搬送車の予知保全(予兆保全)にも適用可能です。
さらに、フェルール端子を差し込むだけで取り付けができ、専用工具が不要なプッシュイン接続方式を採用しています。これらの特長により、省スペース・省配線であらゆる設備に簡単に設置することができ、予知保全や製品・部品の評価を実施できます。
高ノイズ耐性による安全な運用に貢献
VZ20Xは、入力チャネル間の絶縁と耐ノイズ性を高めることで、安定したデータ測定を実現しています。多チャネルの同時測定時や、ノイズの発生しやすい環境下でも信頼性の高いデータを測定できるため、設備の故障原因を正確に解析することが可能です。これにより、不確かなメンテナンスを行うケースが減り、保全業務の工数を削減できます。
また、生産品質の評価でVZ20Xを活用する際にも、製品・部品の特性や試験環境の影響を受けにくいため、安全かつ信頼性の高いテストを行うことができます。
高速で高精度なセンシングにより故障前に予兆を検知
VZ20Xは、1台で8チャネルのアナログ入力をサンプリング周期1msで高速に測定できます。最大で15台120チャネルまでの同時測定にも対応しており、多数の設備やセンサが稼働する製造現場の予知保全(予兆保全)に貢献します。また、同期精度±100マイクロ秒、測定精度±0.05%、温度±0.16℃以下、電圧±1mVと極めて高精度な測定が可能です。このように、高速かつ高精度な測定によって、設備のわずかな変化も見逃すことなく故障を予知できます。
あらゆるアナログセンサに対応し設備の状態を監視
VZ20Xは、直流電圧・統一信号・4線式抵抗・熱電対(TC)、3線式/4線式測温抵抗体(RTD)を1台で測定できます。これらに対応したアナログセンサを使うことでさまざまなデータを測定できるため、センサに応じて多数のデータ測定機器を使い分ける必要がなくなります。
コンセントなしの電力供給でも正確にセンシング
VZ20Xは、USB Type検出無効機能によってUSB Type-C以外での電源供給が可能です。PCのUSB Type-Aから電源供給すれば、外部の24V DC電源や電源ケープルが必要なくなり、設置・配線コストを削減できます。市販のPoEスプリッタにVZ20Xを接続することで、 PoE (Power over Ethernet) のようにEthernetケーブルを使って電⼒供給することも可能です。
VZ20Xの活用例
VZ20Xは、製造現場や物流現場における CBM(状態基準保全)で活用していただけます。
製造工場:生産設備、物流設備の予知保全(予兆保全)
昨今の製造工場は、無人搬送車などの活用や高度なオートメーション化によってラインの省人化が進んでいます。その一方で、劣化兆候をうまく捉えきれないアナログな設備も数多く残っており、突然の故障による稼働率低下が課題となっています。
VZ20Xは名刺サイズで非常に小さく軽量であることから、アナログな既存設備に後付けできます。さらに、データロギングソフトウェア(GA10)やリアルタイムOSコントローラ(e-RT3 Plus)、横河電機独自のAIと組み合わせることで、高精度なデータ収集やモニタリング、異常検知、原因解析を実現可能です。適切なタイミングでのメンテナンスによって設備の停止に伴うトラブル対応の工数を削減し、稼働率向上や省人化に貢献します。
仕様
本体:アナログセンシングユニット VZ20X-1N1ND
項目 | 仕様 |
---|---|
測定点数 | 8チャネル |
測定種類 | 直流電圧、統一信号、4線式抵抗、熱電対、3線式/4線式測温抵抗体 |
データ収集周期 | 最速 1 ms 固定、8チャネル同時測定 |
測定同期精度 | ±100 μs 未満( 入力チャネル間、ユニット間) |
測定確度 | 0.025% of FS( 直流電圧、電源周波数除去フィルタ有効時) |
耐電圧 | 3,000 V AC(50 Hz/60 Hz)1 min.( アナログ入力チャネル間、アナログ入力−内部回路間) |
電源 | 24V DC電源、USB給電 |
動作温度/湿度 | -10~55℃(DINレール取付)、-10~50℃(デスクトップ置き) / 5~90% RH |
配線 | プッシュイン式接続、フェルール端子 |
サイズ | 高さ (H) 78×幅 (W) 50×奥行き (D) 65 mm |
Ethernet 通信 | 2ポート、プロトコル : Modbus/TCP、GA10 専用通信 |
適合規格 |
コンフィギュレータ
機能 | 内容 |
---|---|
パラメータ設定 | 入力レンジ/スケール Ethernet 通信条件 |
モニタ機能 | リアルタイムモニタリング、自己診断 |
メンテナンス | ファームウェアアップデート、入力調整 |
関連情報
医薬品や食品向けのクリーンルームを取り扱っているお客様は、そのクリーンルームやシステムにおいて、温度やエアーなど様々なセンサーを計測しています。それらアナログ信号から発するノイズによる測定誤差や測定異常などは、クリーンルーム内の環境に影響を与えます。
VZ20Xは、このような課題に対して、センサーの近くに設置できるコンパクトなサイズであるため、配線距離を短くできることできます。また測定チャネルは、すべて絶縁されているため、これらの効果によりノイズの影響を低減します。
さらに、配線の距離を短くできることで、配線抵抗から生じる測定誤差の対策にも効果があります。
AN 77V01B01-07JA
生産設備のメンテナンス作業やトラブル発生したとき、現場の状況確認は、すぐに行いたい要望があります。またその準備(測定システム構築)も簡易的に用意したいと思っています。
これらの要望に対して、VZ20XとGA10であれば、カンタンにデータ収集システム(現場確認システム)の構築ができ、かつ生産設備の状態をすばやくご確認いただけます。
生産設備の突発的な故障による製造停止は、甚大な機会損失となります。
その故障予防のための設備点検は、保全員の経験や感覚で行っていることが多くリスクを抱えています。
お客様は、保全員の経験則ではなく、定期的な停止のタイミングや設備の状態に合わせて、適切にメンテナンスを行いたいと考えています。
VZ20Xは、このような期待に対して、既存の生産設備の隙間にコンパクトに設置ができて、設備ごとの状態変化を正確に捉えることで、設備の故障リスクの軽減に貢献します。
AN77V01B01-08JA
バッテリー充放電 評価・製造現場を支えるYOKOGAWAのプロダクト製品、高速・多点データ収集を簡単! すぐに使い始められるPCソフトウエアをご紹介
お客様の生産ラインは多種多様な設備があり、測定対象は多岐に渡っています。
その生産設備に新たに機器を追加することは大変です。またコロナ禍による人員抑制よって、保全作業員の人数に制限が掛かることで、異常事態を見逃す機会が増えることを懸念されています。
そのような課題に対して、VZ20Xは、測定対象の近くにコンパクトに設置ができて、かつ設備ごとの状態を正確なセンシングによって早期に捉えることで、設備の故障リスクの軽減に貢献します。
AN77V01B01-01JA
ベアリングの耐久試験の状況を確認するために、事務フロアと実験フロアの往復は大変です。
その往復時間は、ムダが多く、工数の負担も大きいです。実験フロアが複数ある場合は、さらにその負担は増えてしまいます。
VZ20XとGA10によって、簡易的なモニタリングシステムの構築が可能です。また、そのシステムによって、製造や試験現場のリモート監視を実現し、現場の負担軽減に貢献します。
生産設備のメンテナンス作業やトラブル発生したとき、現場の状況確認は、すぐに行いたい要望があります。またその準備(測定システム構築)も簡易的に用意したいと思っています。
これらの要望に対して、VZ20XとGA10であれば、カンタンにデータ収集システム(現場確認システム)の構築ができ、かつ生産設備の状態をすばやくご確認いただけます。
自動車部品の塗装工程では、電極の故障や腐食してしまうと、品質低下を招いてしまいます。また現状、電極の状態監視ができていないことによって、短期間に交換することになり、コストが非常にかかっている課題を抱えています。
これらの課題に、生産設備の劣化状態をモニタリングして、設備の状態に合わせたメンテナンスの実現に貢献します。
生産設備ごとの消費電力量を見える化します。
ロケットのエンジンなどの研究開発の試験では、温度や圧力などの測定を行います。
そのエンジンの性能評価において、多数のセンサを高速にデータ収集し、試験を行います。
VZ20Xは、様々なセンサを1台で測定ができます。さらに多チャンネルのデータを時刻同期して、収集可能です。
お客様は、既設の射出成形機内のPLCには記録機能がなく、生産データや設備状態データを記録する機能を追加したいと考えています。またそれらの機能を容易に実現したい要望があります。
これらの要望に対して、VZ20XはPLCやアナログセンサーのデータ収集を行い、GA10によって現場の監視と記録を行うことで、より安全な操業を支えます。
AN 77V01B01-10JA
製品や部品の高性能化により、多種多様な試験が必要になっています。
これら多様化する試験設備に必要なセンサーや測定器を増やしたいですが、既存設備はスペースが限られており、機器を増設することは容易なことではありません。
この課題に対して、VZ20Xは、コンパクトなサイズのため、既存の試験設備を活かしながら、設備の隙間に設置ができます。またデータ収集は、Modbus/TCPを経由して上位システムへ伝達することで、簡単に試験の監視と記録が可能です。
AN 77V01B01-04JA
お客様は、既存の耐久設備の故障予知を行うことで、設備保全の改善をしたいと考えています。しかし既存設備は、空間に余裕がないことや、状態把握に必要となるセンサーを増やすことも容易ではありません。
この課題に対して、VZ20Xは、コンパクトなサイズのため、設備の隙間に設置ができて、かつ設備のデータ収集は、Ethernet(Modbus/TCP)経由で容易に状態監視が可能になります。
AN 77V01B01-03JA
お客様は、現在工場内の温湿度監視が出来ていないため、作業員が定期的に室温計を見て用紙に記入しています。
また生産設備のモータ(振動)を常時監視する箇所は、1ヶ月などの一定期間監視するたびにデータロガーなどの準備や配線を行い、データ収集と管理をしているため、作業員の負荷が大きくなっています。
この課題に対して、VZ20Xは、温湿度や振動などのセンサーの近くに設置し、工場内のLANを介してデータの自動収集を実現します。データの収集、モニタリングや管理はデータロギングソフトウェアGA10で自動的に定常的な監視が可能です。その結果、作業員の負荷軽減に貢献します。
AN77V01B01-02JA
ドキュメント&ダウンロード
カタログ
- VZ20X アナログセンシングユニット (5.6 MB)
- VZ20X × FA-M3V/e-RT3 温度計測コスト改善ソリューション (678 KB)
取扱説明書
- VZ20X アナログセンシングユニット ユーザーズマニュアル (7.3 MB)
- VZ20X アナログセンシングユニット ご使用上の注意事項 (1.6 MB)
一般仕様書
- VZ20X アナログセンシングユニット (889 KB)
ソフトウェア
- VZコンフィギュレータ ※要ログイン
- VZ20X サンプルプログラムダウンロード (9.4 MB)
技術情報
外形図
- VZ20X アナログセンシングユニット (257 KB)
動画
VZ20Xは名刺サイズでコンパクト、既存設備の隙間に追加できます。汎用性が高く、さまざまなアナログセンサーからのデータ収集をサポートします。
VZ20Xはプッシュイン接続で、フェルール端子を差し込むだけで簡単に装着できます。VZ20Xも精密ドライバー1本で取り外し可能。 このシンプルな配線により、配線の工数を削減できます。
VZ20Xにはコンフィギュレーターソフトが用意されており、直感的な操作で設定が可能です。
VZ20Xに接続した後は、入力タイプやレンジなどの設定を入力するだけで設定が完了します。
VZ20Xでセンシングしたデータは、GA10で簡単に収集・監視・記録が可能です。
これらにより、既存システムに大きな変更を加えることなく、機器管理のレトロフィットを実現します。
ニュース
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プレスリリース 2021年8月31日 世界最小クラスの「OpreX Multi-Sensing Remote I/O 」アナログセンシングユニットVZ20Xを発売
~高性能で生産設備保全や電気自動車の電池などの部品開発に最適~
本件に関する詳細などは下記よりお問い合わせください
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